2022年2月24日 19:30
父とはもう会話さえもできない… 認知症の父と娘を襲う厳しい現実【映画】
今回は、介護が抱える問題点や現場の様子などについて、語っていただきました。
―介護している側の目線で描かれる作品が多いなか、本作では患者目線で進んでいくのが興味深いところですが、さらに現実とは別に選ばなかった2つの人生も主人公の頭のなかで並行しています。こういったストーリーを構築するうえで、どのようなことを意識されましたか?
監督まずは、パラレルな世界を喚起させるような構造にしたいという意図がありました。というのも、映画の場合、Zoomのように複数のスクリーンを並べて見ているわけではないですからね。頭のなかにいる自分からまた違う自分へとどんどん移り変わっていく過程をひとつずつ振り返りながら見せていかなければなりませんでした。
ジグソーパズルのピースが徐々に集まり、最後にひとつになっていくようなイメージというのが、私にとってはガイドラインになっていたと思います。もちろん娘側の視点も出してはいますが、私が一番大事にしていたのは、レオが自分の居る場所をその瞬間にどのように経験しているのか、ということでした。
介護はいまの社会において非常に大きなテーマ
―いっぽうで「介護は特に女性にふりかかる大きな問題」