2022年2月25日 19:30
父は処刑、母は強制収容所に…激動の人生を歩む93歳女性監督の過去との向き合い方
ジョージアというのは大変な歴史をたどっているので、私も子どもの頃に父が処刑され、母が10年間も強制収容所に送られるというつらい経験をしました。非常に不幸な過去ではありましたが、それについてもよく考えたうえで理解しないことにはただ重荷になってしまうだけなんですよ。
というのも、大きなトラウマになるような出来事ではあったものの、いろいろな人が救いの手を差し伸べ、助けてもらうことはたくさんありました。不幸な記憶ばかりでなく、人の優しさや思いやりを感じることもあったので、それらをひとつずつ思い出すことで“金の糸”が過去を美しくつなげて修復してくれるのではないかなと。
そうすることで重荷が財産となり、より豊かな現在と未来を楽に生きることができるのです。大切なのは国や組織と言った大きな単位ではなく、人間ひとりひとりの関係。それを美しいものにしていく意識を持ってほしいとみなさんにも伝えたいです。
内面的な老いは自分でコントロールすることができる
―いつまでもやりたいことを追求している監督の姿に憧れる女性は多いと思うので、ぜひ生涯現役の秘訣を教えてください。
監督年を取ることを止めることはできませんが、内面的な老いはある程度自分でコントロールすることはできると思っています。