2022年4月7日 19:00
恋人でありながら…隣人と偽って暮らす「女性カップルの苦悩」【映画】
フィリッポ・メネゲッティ監督
ニューヨークやイタリアでキャリアを積んだのち、現在はフランスに拠点を移して制作に取り組んでいるイタリア出身のメネゲッティ監督。長編監督デビュー作となる本作では見事セザール賞の新人監督賞に輝き、注目を集めています。今回は、作品を通して伝えたいことや完成までに見舞われた苦労、そして日本文化への興味などについて語っていただきました。
―監督は、以前から「秘密裏に愛し合う女性たちの物語を撮りたかった」ということですが、こういった題材に興味を持つようになったきっかけはありましたか?
監督このテーマで語りたかったのは、他人の目線によって人はどのような影響と制限を受けているのか、そして他人によって排除されてしまう人々についてです。それらについて取り上げたいと思ったのは、自分が若いときに知り合った2人の女性がきっかけでした。彼女たちはこの映画の主人公たちよりも複雑でつらい環境に置かれていましたが、そんな彼女たちの生きざまに心を打たれたのです。と同時に、彼女たちは僕に映画への情熱を植え付けてくれた人でもあったので、僕にとってはとても重要な人物でした。そういったこともあって、彼女たちへの感謝を込めた作品を作りたいという気持ちが大きかったのだと思います。