2022年4月16日 20:10
宇多丸「パンフレットは日本独自の誇るべき文化」 エンタメ作品から自分を養う方法
ラジオ番組での映画評をはじめ、本業の音楽のほかにも、本やアート、ゲームなど、日常的に様々なカルチャーを摂取している宇多丸さん。そこから吸収した膨大な知識量による明晰なアウトプットはどのように?エンタメ作品から自分を養うヒントについて聞きました。
「物語形式をとることで、自分事として捉えられる」
自分の見識を広げるために改めて歴史や社会を学ぶなど、能動的に知識を得ることがある一方で、単純に楽しもうと触れていた映画や本などから、新たな視野や思考の回路が開けることもある。そんなエンタメ作品ならではの学びの作用のメリットについて宇多丸さんに伺うと、
「物語形式をとっていることで、単なる情報ではない身近さとか切実さを、自分事として感じられるところじゃないでしょうか。例えばニュースで『難民が何万人』って聞いても、日本で暮らしていて、そこまで地続きの問題として感じられないというのが正直あると思うんです。でも、その人たちにも日常があって、こういう家族がいてっていう物語として受け取ると、彼らの境遇が自分事として捉えられる。あとはいま言ったこととちょっと裏表なんですけど、世の中の“正しくなさ”も自分事として受け取れるというか。