2022年4月16日 20:10
宇多丸「パンフレットは日本独自の誇るべき文化」 エンタメ作品から自分を養う方法
掘り下げられる手段はたくさんあるんです」
そうして調べたことを咀嚼し、自分の考えとしてまとめるうえで役立つのが、人に見える形でのアウトプット。
「感想を友達に話したり、文章にして残したり。それをやることで、考えが整理されるのは段違い。『あなたの感想、面白いですね』なんて言われることがモチベーションになるのは、いいサイクルじゃないですかね」
その一方で、調べている最中でも、人に話した時でも、違う意見に触れ、自分には理解力が足りないのかも…とがっかりしてしまうこともあるのでは。
「僕は、自分と違う意見を聞いた時こそ、レベルアップできるタイミングだと思っていて。シーンの解釈を根本的に間違えているとかはあるかもしれないけど、作品の受け取り方自体には正解、不正解ってないわけで。相手の意見に同意するにせよ、反対するにせよ、その意見をベースに、もう一個考えられる。それによって、自分の考えに厚みが増すと思うから」
また、自分では選ばないような作品に触れることも、新たな領域を広げる一手に。
「僕がやっている映画評はまさにそう。番組の企画上、ある種ランダムに映画を観に行くんですけど、それにより思わぬドアが開くこともあるし、むしろそっちのほうがいいことも。