2022年5月18日 19:00
軍人の妻を描いたイギリス人監督「戦争は前線から離れた人も傷つけてしまう悲劇」
おそらく、合唱団が活動を始めてから10年ほど経っていたというのもよかったんだと思います。結成当初は軍からあまりよく思われていないところもあったようですが、いまでは合唱団が完全に軍の一部となっているからです。
軍自体も以前に比べると、ひとりずつのメンタルヘルスに気を配ったり、しっかりとフォローするようになっていたりして、オープンな体制に変わっていたので、それもよかったのかなと。軍のみなさんも、この作品に協力することをとても喜んでくれました。
音楽のシーンでは、リアルな瞬間を捉えられた
―素晴らしいですね。そして、この作品では音楽シーンも見逃せませんが、どういったところにこだわったのでしょうか。
監督今回は、本物のサウンドを表現するため、すべての歌唱シーンは撮影現場でライブ録音しています。また、初期の頃は、アマチュア合唱団の不完全な状態を見せるためと荒削りな自然さを大切にするため、リハーサルを行わずに撮影しました。
そのほかに大変だったのは、俳優さんたちが歌に対する自信のレベルがかなり違ってたこと。歌うことに恐怖心を持っている人もいれば、うますぎるくらいの人もいたので、それを揃えていく必要はありました。