2022年7月13日 20:00
市村正親と尾野真千子「この人のために生きていたい」生きがいを語る
私なんかが言ってもいいのかわかりませんが、それでも私はみなさんに「がんばれ」という言葉を送りたいなと思います。
市村さん僕からは「楽しめ!」ということを伝えたいですね。舞台の場合、海外から来た演出家と仕事をすると、「稽古場では苦しめ」と言われますが、初日になると「楽しめ」と言うわけですよ。僕たちがエンジョイしていないと、観客もエンジョイできないからと。そんなふうに、苦しんだり、がんばったりすることがあっても、最終的に楽しめる方向にいければいいんじゃないかなと思っています。
自分なりの表現をできるようになることが楽しい
―ちなみに、市村さんほどのキャリアをお持ちでも、稽古は苦しいものでしょうか。
市村さんそうですね。特に、新作はセリフを覚えるのが大変だし、その意味を探って表現するまでには時間がかかりますから。
でも、僕はセリフを覚えるのが大好きなんですよ。
尾野さんそうなんですか!?すごいですね。
市村さんシェイクスピアみたいな長いセリフでも大好きなので、台本が残り2、3ページくらいになってくると、逆に寂しくなってきて覚えたくなくなっちゃうくらい(笑)。セリフが自分のカラダに入ってきて、自分なりの表現ができるようになると楽しいので、その作業が一番好きというか、そのためにこの仕事をしているんじゃないかな。