くらし情報『パリで絶賛! 仏で2つも勲章をもらった巨匠・長谷川潔の「ゾクゾクする版画」』

2022年8月20日 18:30

パリで絶賛! 仏で2つも勲章をもらった巨匠・長谷川潔の「ゾクゾクする版画」

特に、メゾチントは古典的な作品を研究し、道具を手に入れて試行錯誤しながら長谷川独自の作風にすることができました。彼のメゾチントは、現代版画の新しい表現として評価されたのです。

パリで絶賛! 仏で2つも勲章をもらった巨匠・長谷川潔の「ゾクゾクする版画」


長谷川潔《アレキサンドル三世橋とフランスの飛行船》1930年、メゾチント、137×307㎜ 町田市立国際版画美術館

――長谷川独自の画風というのは、例えばどんな特徴があるのですか。滝沢さんメゾチントの作品をつくるとき、長谷川は斜めの線できずを入れて下地をつくり、それらの線のマチエール(絵肌の質感)をあえて見せているのです。その点が、西洋の古典的な作品とは違います。そこから、だんだん漆黒の世界に近づき、1960年代の「マニエール・ノワール(黒の技法)」と呼べる表現にたどりつきます。マニエール・ノワールはメゾチントのフランス語の呼び名ですが、長谷川はその呼び名にこだわり、細かな点で下地をつくり、漆黒のなかからモチーフを浮かび上がらせることに成功しました。


パリで絶賛! 仏で2つも勲章をもらった巨匠・長谷川潔の「ゾクゾクする版画」


長谷川潔《時 静物画》1969年、メゾチント、269×360㎜ 町田市立国際版画美術館

――マニエール・ノワール作品、すごく深い黒色に魅了されます。

滝沢さん長谷川は、深い精神性をもった自分独自の表現を目指していました。

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