2022年10月9日 20:00
須田景凪「主題歌は青く未熟なさまを書きたかった」映画を彩る歌たち
――では作詞作曲はいつ頃から?
大学2年生ぐらいからですね。先ほどお話ししたバンドは、自分と高校の先輩とのツーピースバンドで、先輩が曲を作っていました。その当時はまだ自分自身では作曲のイロハも何もわからないときだったので、「ここをもっとこうしたらかっこいいんじゃないか?」というアイデアをわからないなりに先輩に話していたのですが、先輩と後輩という上下関係もあって、作曲する人は全員こだわりがあるのでことごとくアイデアが通らなくて。
そんな状態が2年ぐらい続いて、ふと、そのアイデアだけで何曲か作れるんじゃないか?と思ったんです。その当時、自分はニコニコ動画というプラットフォームでゲーム実況の動画をよく観ていて。だから、ボーカロイドの存在も、もちろん知っていました。ボーカロイドカルチャーにはいろんな方がいらっしゃいますが、1週間前に作曲を始めました、というような人もいて。間口がとても広い環境なんです。
しかも、ボーカロイドだったら、自分の音楽におけるワガママを100パーセント歌ってくれるというところから、「ボカロを用いて作曲したい」と思うようになりました。その頃はドラムしかしたことがなく、コーラスさえもしたことがなかったので、そもそも歌うという選択肢がなかったんですよね。