2022年10月16日 09:00
僅か6日間だけ見られる逸品も! 1200年以上も継承される「日本文化の象徴」が集う展覧会
また、かな文字が生まれたのもこの時代。書をしたためる和紙である「料紙(りょうし)」にも、金銀を用いた華麗な装飾が施されていきます。
でも、巻物や冊子は読むものなのに、なぜこれほど豪華な装飾がつけられたのでしょう。小林さんは次のように解説しています。
小林さんこれらの書は「調度手本」と呼ばれています。貴族の邸宅の棚などに飾られるもので、生活を彩るための調度品なのです。《石山切》では、銀泥で松や鳥などの下絵が施されています。このような料紙装飾は、蒔絵の模様にも通じるものです。
素材を超えた和様の美をご覧になってみてください。
6日間だけ見られます!
国宝《源氏物語絵巻宿木一》平安時代(12世紀)愛知・徳川美術館所蔵展示期間10月1日~10月9日
また、本展では貴重な国宝《源氏物語絵巻》も展示されています。
平安時代に成立した『源氏物語』や『伊勢物語』は、のちに長く蒔絵のデザインとして使われていきます。例えば、本展の後半で見ることができる尾形光琳の国宝《八橋蒔絵螺鈿硯箱》に描かれているデザインも『伊勢物語』由来。物語絵巻は、江戸時代まで受け継がれている日本文化のベースになっています。