2022年11月18日 20:00
デジタル化で職人が激減…! 映画の中の人“音響さん”の「知られざる実態」【映画】
ただ、天井があまりにも高いので、いまでも矢が刺さったまま。それにもすごく驚いた覚えがあります。
―リアルな音への追求がすごいですね。フーさんの仕事に対する姿勢は40年以上変わることがありませんが、それを支えているものは何だと感じていますか?
監督まずは、やっぱり自分の仕事が何よりも好きだというのが一番。そして、映画に対する情熱ではないでしょうか。たとえば、フーさんは街を歩いているときでさえ、すれ違った人の足音に反応してしまい、音だけでどんな靴を履いているかを考えてしまうほど。それくらい普段から音に対して敏感なようですが、それは仕事が好きで楽しんでいる証拠でもあると思います。そしてもうひとつは、「この仕事で家族を養うんだ」という気持ちがあったから。
実際、台湾も映画産業が盛んな時代があり、その給料で家族みんなが豊かな生活を送り、幸せに暮らせていたのも事実です。
台湾の映画産業に貢献する使命を感じている
―ただ、フーさんのような熟練の職人さんもデジタル化のあおりを受けて、現在はセミリタイア状態だとか。彼らの技術がなくなるのは映画界にとっては損失でもあると思いますが、監督はどのようにお考えですか?
監督その答えは、なぜ私がこの映画を撮ったのかという話にもつながってくると思っています。