2022年12月1日 19:00
告発されるリスクも……違法な中絶を選ぶしかなかった「女子大生の壮絶な実体験」【映画】
2019年に監督デビューを果たしたのち、監督2作目となる本作で各国の賞レースを席巻し、一躍脚光を浴びています。今回は、中絶というテーマに挑んだ理由や原作者とのやりとりで感じたこと、そして作品に込めた思いなどについて語っていただきました。
―原作は1960年代のフランスを舞台にした実話ですが、いまの時代にこの作品を映画化したいと思ったのはなぜですか?
監督実は、最初から映画化したいと思っていたわけではなく、ただこのテーマに興味があって本を読み始めたのがきっかけでした。なぜなら、ちょうどそのときには私も中絶をしたばかりだったので、違法な中絶と合法な中絶にどのような違いがあるのかを対比したいと思ったからです。そして、実際に両者の間には大きな差があることを知りました。
あとは、主人公のアンヌが性的な欲望だけでなく、「勉強をしてもっと上に行くんだ」という欲求を持っている知的な女性であることも惹かれた点です。―なかでも、違いを感じた部分についてお聞かせください。
監督特に、違法な中絶の場合は、きちんとした医療体制下で行われるものではないので命を落とすかもしれませんし、もしかしたら告発されるかもしれないというリスクがあります。