わいせつ画と批判され…才能に恵まれすぎた画家、シーレの刺激的な展覧会
6歳ごろから絵の才能を発揮し、16歳のとき、学年最年少で名門のウィーン美術アカデミーに合格します。
しかし才能に恵まれすぎたシーレは、伝統的なカリキュラムや厳格な教師の指導に満足できず、最終的にはアカデミーを退学。当時、ウィーン画壇の中心的な存在だったクリムトに才能を認められていたため、仲間と「新芸術集団」をつくり、独自の表現を追求していきます。
会場では、シーレがアカデミー時代に描いた作品や、新しい表現を模索していく過程の作品も見ることができます。
自画像の意味は…
『エゴン・シーレ展』会場風景
本展では、シーレの自画像が大きな見どころのひとつになっています。メインビジュアルとして使われている《ほおずきの実のある自画像》も、シーレの代表作となっている作品です。短い生涯で、約200点もの自画像を制作したシーレは、作品を描くことで自分のアイデンティティを探究し、自身の苦悩や葛藤も表現。特に裸体自画像では自分のカラダを徹底的にさらけ出し、挑発的で攻撃的にも思える視線をこちらに向けています。
エゴン・シーレ《吹き荒れる風の中の秋の木(冬の木)》1912年レオポルド美術館蔵
また、シーレは風景画も多く描いていますが、こちらも単なる写生ではありません。