殺人犯を熱演した松浦りょう「家でも刑務所の生活を再現して役作りをしました」
―確かにそうですね。そして、この作品では観客も「人は人を赦せるのか」という問いと向き合うことになりますが、松浦さんもご自分なりの答えは出ましたか?
松浦さんまだそこにはたどり着けていないように思います。ただ、私は反抗期が激しかったほうで、人を傷つけてしまったこともあったので、まず周りの人たちに対して反省の気持ちが一番強いです。
とはいえ、そういう経験があったからこそ、この役を演じられたと思いますし、誰にでも失敗はあると思うので、できるだけ人を赦してあげたいという気持ちにはなっているのかなと。でも、これは本当に難しい問題だと感じています。
役作りをしすぎて、日常に支障が出てしまったことも
―また、被害者の父親役である主演の尚玄さんと対峙するシーンも思わず息を飲むような緊迫感が素晴らしかったです。現場ではどのようなやりとりをされていたのかを教えてください。
松浦さん今回の現場で、尚玄さんは私とまったく口を利いてくれませんでした。
なので、最初は「ひどい」と内心思っていたんです(笑)。でも、実はそれもすべて役のためで、2人のシーンが終わった瞬間に「ごめんね!」といってハグをしてくれました。