「学生を励ます意味」で東京藝大が卒業作品を30万円で買う「買上」制度、知ってる?
から各科の教員によって選ばれた作品を紹介しています。
本展を企画された、東京藝術大学 大学美術館教授の古田亮先生に、展覧会の見どころなどお聞きしてきました。
買上金額、最初期は3万円!
『買上展』展示風景
――まず、『買上展』というタイトルがユニークで、とても興味をひかれました。
古田先生そう言っていただけると、うれしいです。「買上」というのは、学内でやっている制度で、大学では当たり前に行われてきました。今回、過去を含めて買上制度を振り返ることで、東京藝大を知っていただくきっかけにもなるかと思いました。
――買上制度について、教えていただけますか?
古田先生東京藝術大学が今の国立大学になったのが昭和24年ですが、その最初期から「買上制度」がはじまり、今でも続いています。買上となる優秀作品は、大学全体で決めるのではなく、各科がそれぞれ評価する形になっています。
前身の東京美術学校時代から、教育の成果を蓄積していこうという意図があり、卒業制作を収集していました。現在では、多くの科が首席という位置づけで作品を買い上げ、社会に出てからもがんばってね、と学生たちを後押しする制度として機能していると思います。