「学生を励ます意味」で東京藝大が卒業作品を30万円で買う「買上」制度、知ってる?
――買上制度の最初期と今の買上金額について、教えていただけますか?
古田先生昭和20年代の最初期は3万円でした。その後どんどん上がり、最近は各科一律30万円です。物価指数との問題もありますが、金額はともかく、学生を励ます意味はあると思っています。
巨匠のハイレベル卒業制作が見られる!
横山大観《村童観猿翁》1893明治26年卒業買上
――第1部の見どころについて、教えてください。
古田先生今では「巨匠」と呼ばれている人でも、卒業以前はみな同じ学生だったわけです。その後、大変活躍した人たちを東京美術学校は大勢排出してきました。そんな巨匠たちの「最初期の出発点」となる作品を集めるのは、本学でしかできないことで、彼らの卒業制作を振り返れるのが見どころです。
例えば、横山大観や菱田春草の卒業制作も、つい「巨匠の絵」と思って見てしまいますが、描いたときはみな学生でした。
彼らは、卒業制作でかなりレベルの高い作品を残していたことがわかります。
『買上展』展示風景より、グローバルアートプラクティスの買上作品
――続いて、第2部の見どころを教えてください。
古田先生各科が選んだ作品をまとめて見られる展覧会は、今回がはじめてです。