地味な女子大生が突然アダルトグッズショップに勤務…実力派監督が語るモンゴルの性事情
その後、民主化されると自分で専攻を選べるようにはなったのですが、そこで新たに降りかかる問題が貧困。自由になったことで格差が出てきてしまったので、そうなると子どもを持つ親は経済的なことを重視するようになります。そして、「どうすれば子どもが経済的に豊かになれるのか」という観点で物事を考えるようになり、子どもの専攻を親が選ぶ傾向が強くなってしまったのです。そのなかでも、特に経済やビジネスマネジメントを学ばせたいと思う親が多いようですね。
―なるほど。ということは、サロールの親はまさにそれを象徴している姿ということなんですね。
監督ただ、最近は中間層が出てきたこともあって、「子どもには好きなことを学ばせたい」と考え始める親が増えているのではないかなと。少し豊かになったことで、子ども自身の興味に基づいた専攻を尊重する親が多くなってきている印象を受けています。
そういう意味では、サロールの両親はちょっと時代に遅れたところがあるので、どちらかというと批判的に見られがちな人物像として描きました。
若者は、周りともっとオープンな関係を築く必要がある
―サロールはおっとりとした地味目な女の子なので、日本人の女性たちも共感しやすいタイプだと感じましたが、サロールはモンゴルでも典型的な女の子なのでしょうか。