35年間愛され続けている『桃太郎電鉄』 制作者が語る、シリーズ誕生秘話
――システムを考える際、影響を受けたものはありますか?
さくま:『信長の野望』ですね。その頃やりすぎて、お互いに仕事ができないからやめようって堀井さんと協定を結んだほどだった。あと、『桃鉄』の前に『スタートレイン』っていう企画も考えたんだけど。
桝田:山手線に乗るところから始まって、東京から出るだけで3時間くらいかかる(笑)。それやりたい?絶対売れないよって(笑)。
さくま:それで『桃鉄』に。最初は模造紙を2~3枚つなげて畳より大きい紙を作って、ほんとにすごろくを書いてやってたんです。サイコロ振って確率を電卓で計算して。
桝田:改造するたびに上に紙を貼り付けるからぐしゃぐしゃになって。「これ、コンピューターで処理したほうがいいよ」ってなった。
――シナリオを書く際に大切にされていることはありますか?
さくま:わかりやすさですね。説明書もいらないくらいで、直感的に遊べるような。『ジャンプ』で小学生を相手に仕事していたから。
――新作のたびに細かい部分をアップデートされているそうですが。
桝田:遊びやすいほうがいいから。ボタンを押しているということに気づかせちゃダメなんだよね。