35年間愛され続けている『桃太郎電鉄』 制作者が語る、シリーズ誕生秘話
さくま:最初は操作の説明が入っても、2回目、3回目になるとどんどん説明がなくなるようにして。
桝田:さくまさんは、面白いイベントだとしてもボタン操作が一つ増えるとなると、「やめましょう」と平気で捨てちゃう(笑)。
――『桃鉄』を盛り上げる存在といえば、容赦なく資産を減らす貧乏神です。
さくま:「ジャンプ放送局」のえのん(榎本一夫)さんがデザインのモデルになっているんです。
桝田:目的地に着いたら得をする、だけじゃなく、目的地に行かなかったら痛い目に遭うというルールを作るために、その象徴として貧乏神を設けたんです。
さくま:周りからはすごい反対されましたけど「俺はやる!」って。
桝田:これが70時間とかかけてたった1回遊ぶゲームで、あんなひどい目に遭ったら嫌だけど、3時間とかが普通に遊ぶ単位だから、めちゃくちゃになってもそれはそれで面白い。ゲームのサイズ感によるんだよね。
コミュニケーションツールなんです、『桃鉄』は。だから、「多少荒れても、見て笑ってる人がいればプラマイゼロだ」ってさくまさんが言うからさ。
さくま:たとえば3人でやって1人がひどい目に遭っても、他の2人が笑えばプラスだからね。