くらし情報『関西育ちのゲームクリエイター・小島秀夫監督、特別な存在だった“たこ焼き”との関係』

関西育ちのゲームクリエイター・小島秀夫監督、特別な存在だった“たこ焼き”との関係

小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第2回目のテーマは「“調理時間 500W 約4分30秒/600W 約3分40秒”の味」です。

子供の頃、料理番組に嵌った。特にお気に入りだったのが、料理研究家グラハム・カーがオーナーを務めるカナダのTV番組『世界の料理ショー』。料理の作り方をなぞる今のYouTuberとは“味”が違った。世界中のレシピを選び、ワイングラスを手にしたグラハムが観客に語りながら、調理の過程を優雅に魅せる。選ばれた一人の観客が試食をする。創り手と観客が一体となって料理を楽しむユニークなエンタメ番組だった。


僕は関西育ち。地元大阪のたこ焼き、神戸の明石焼き(たまご焼き)には目がない。関西では、たこ焼きは自分たちで焼くのが習わしで、友人たちと具材を持ち寄り、“たこ焼きパーティー”なるものもよく開催した。

たこ焼きの魅力はその“味”の美味しさだけではない。創る過程も格別だ。たこ焼きが焼けないと、一人前として格好が付かない。子供の頃は、餃子包みやドーナツや天ぷら等、仕込みの手伝いをよく、オカンにやらされた。

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