望海風斗「共演者の方々と心を通わせて、お芝居をみんなで作り上げていく作業が好き」
宝塚歌劇団在団中から、深く豊かな声と表現力を兼ね備えた歌の実力は、観客を圧倒するものがあった。しかし、一昨年に退団し、舞台にコンサートにと作品を重ねるごとに声に艶が増し、美しさに磨きがかかる望海風斗さんの姿を拝見していると、持って生まれた才のみならず、確かに重ねた研鑽に裏打ちされたものだということを実感する。
――今年、読売演劇大賞で優秀女優賞を受賞、そして先頃、菊田一夫演劇賞の受賞も発表されました。
私自身が一番驚いています。今年は初舞台を踏んで20年目の節目の年。そのタイミングに大きな賞をいただいて、ここまで頑張ってきてよかったなということと、これまで出会ってくださった方々、関わってくださった方々への感謝の気持ちでいっぱいです。
――そして次の作品は、日本初演となる大作『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』です。出演が決まった時はいかがでした?
じつはオーディションだったんです。
宝塚を退団してあまり経っていない頃で、オーディションというもの自体が自分にとって大きな経験になるだろうという気持ちで受けたんです。でも受けたからにはやはり出たいですし、決まった時は素直に嬉しかったです。