悪魔、怪物、大食、淫欲… キャラ立ちがスゴい「悪ものたち」を集めた異色の展覧会
作者の空想がすごく発揮され、画面が謎めいていて、今でも何が描かれているのかよくわからない部分もあります。技術力も高く、細かなところまで描き込まれていて、見ていて飽きませんし、純粋に楽しいです。また、本作品は自分が購入を担当したものでもあり、ぜひ見ていただきたかったという思い入れもあります。
――この作品は、大きなパネルにもされて、描かれている「生き物」を探すというクイズも出されていますね。
渡辺さん動物や怪物だけでなく、よく見ると、「ラファエロ作」という文字も書いてあります。モチーフをラファエロから引用しているところもあり、いろいろな解釈が盛り込まれています。当館ホームページの作品検索ページでも本作品を拡大して見ることができますので、ゆっくり動物など探してみてください。
男の醜さを際立たせた作品
ウィレム・ファン・スワーネンブルフ、マールテン・ファン・ヘームスケルク の原画に基づく《『世俗財産の悪用についての寓意』より、男に矢を放とうとする死》1609年エングレーヴィング
――「死」のセクションのおすすめ作品も教えてください。
渡辺さんスワーネンブルフの作品は、世俗財産の悪用を寓意として表しているところがおもしろい作品です。