脱・優等生ヒロイン像の確立も! 「朝ドラ」を変えた歴代ヒロインたち
そのるいは、ヒモのような夫を普通に受け入れ、自身の才覚で生活を成り立たせていく。そして、その娘・ひなたは、平成・令和の世でバリバリ働きます。その時どきに求められる女性像を一生懸命追求してきたところが、朝ドラが長く愛されている理由のひとつだと思います」(岡室さん)
「昔から、朝ドラのほとんどは女性の一代記を描き、しかもその女性が自立していることが多かったという意味で、ジェンダーの視点から常にテレビドラマの先頭を走ってきたといえます。当時の常識を突破してきた女性をモデルとすることで、現代の多様性を描いてきた一方で、男性が主人公やメインキャラクターになると、一直線にロマンを求めるキャラクターがとても多いんですよね。それが朝ドラの興味深いところですし、現代において、男性のほうが無邪気に夢を追いかける姿をそのまま作品の中で描いても受け入れられやすい土壌があるように感じます」(てれびのスキマさん)
朝ドラの特徴に、ヒロインに実在のモデルがいて、舞台設定が古いことがある。10月2日にスタートする『ブギウギ』のヒロイン・鈴子も、昭和の大スター・笠置シヅ子がモデルに。
「モデルがいない現代作品は、視聴者が身近に感じられるがゆえに、逆に女性を自由に描きにくいところがあるのか、例外はありますけど、ヒロインがやや保守的に感じることがあります。