脱・優等生ヒロイン像の確立も! 「朝ドラ」を変えた歴代ヒロインたち
舞台設定が現代だと、女性の一生を描いた時に制作側と視聴者との間に齟齬が生まれやすく、かつ敏感に反応されることもある。でも、モデルがいれば“その人がそういう人生を歩んできた”という大前提ができますし、舞台設定を昔にして、時間的な距離を作れば、ツッコまれにくく、多様な女性の生き方を描きやすくなるのかもしれません」(てれびのスキマさん)
3、放送時間の変更とSNSの普及。
2010年の『ゲゲゲの女房』から、放送開始時間を8時15分から15分繰り上げ8時に。第1作は8時40分スタートだったが、第2作以降、48年もの間、8時15分スタートが続いていた。
「かなり時代をさかのぼるのですが、第17作の『雲のじゅうたん』(’76)のヒロインは、秋田の高校を卒業して、飛行士を目指します。それ以降、地方出身のヒロインがある職業を目指す“職業路線”が定着していきましたが、時代的に朝ドラらしい良妻賢母として家庭を守る女性像と、自己実現を目指す職業路線とで折り合いをつけるのがなかなか難しかった。その結果、その職を目指して頑張っていたのに、あっさり結婚して諦めてしまうというパターンも少なくなかったんです。こうした朝ドラが抱えていた根本的な矛盾がひとつの要因となり、停滞期もありましたが、8時スタートに変わった『ゲゲゲの女房』から、その矛盾がやわらいだ印象が。