脱・優等生ヒロイン像の確立も! 「朝ドラ」を変えた歴代ヒロインたち
本作のヒロイン・布美枝も見合いから5日であっさり結婚して主婦になりますが、夫の仕事場でもある家の実権はしっかり握っていた。『ごちそうさん』(’13)のめ以子(杏)も、料理の達人でいくらでも店を持つ機会があっただろうに、周りの人を料理で喜ばせることに徹します。放送時間の繰り上げで、働く女性たちも視聴しやすくなりましたが、ヒロインは外で働く/働かないという単純な二択から、自由になったのが逆に新鮮だったのではないでしょうか」(岡室さん)
『ゲゲゲの女房』が放送されたあたりの変化として、もう一つ大きいのがSNSでの盛り上がり。
「放送された2010年頃に、ちょうどTwitterが普及し始め、漫画が題材だったこともあって、オリジナルの絵を上げる人がいたり、SNSと連動して盛り上がる機運を作った作品といえます。毎朝決まった時間に放送される朝ドラは、感想をリアルタイムに更新できるSNSとの相性が非常に良かったので、SNSでの評判が朝ドラを見る習慣がない人を引き込む要因にも。TwitterがXになるなど、SNSの世界が動くなかで、ドラマとの関係性も変わっていくはず。そこで、より自由で、多様性のあるヒロインが出てくることを楽しみに期待したいです」