SUGIZO「自分の中で地獄の季節だった」 支えになった“娘の存在”を語る
この時期に初めてミリオンセラーを達成し、’95年には初めて東京ドーム公演を開催。チャート、セールス、ステージの規模でもLUNA SEAが音楽シーンの天下を獲りました。
SUGIZO:ものすごい勢いで駆け上がっている感覚は、確かにありました。自分たちの一挙手一投足が注目されて、動いたら何でもニュースになった。一気にスターダムに上りつめていた時期でしたが、僕個人の心はどんどんそこから乖離していって。「チャート1位になりました」「ドームを埋めました」「ロックバンドのトップになりました」というときに、逆に自分の気持ちはすごく落ちていました。
――どうしてですか?
SUGIZO:エンターテインメントという世界の矛盾とか、政治的な力や権力、そういう事実が鼻についたんです。ただの若造に、力のある大人たちがへいこらしている様も違和感でしかなかった。
これは虚構なんだな、ここに真実はないんだなと感じたんです。それで妙に冷静というか、むしろネガティブに陥ったんですよね。若い頃は大きくなることが、売れることが、人に認識されることが重要だったんですけど、それを達成したときに何も満たされなかった。ちょうどその頃に娘が生まれまして。