『ムービング』監督が明かすキャスティング秘話「韓国にいる20代前半の俳優をほぼ調べ尽くした」
――とくにリュ・スンリョンさんは、ご本人のインスタグラムにキャストの方との楽しそうなオフショットをたくさん上げていて、ファンが大喜びでした。
スンリョンさんは、あの年齢では最もインスタグラムが得意な俳優なんじゃないかと思います(笑)。私とタッグを組むのはこれが2作目だったので、よりリラックス感があったのかもしれません。14話の水路で戦う大変なシーンも、スンリョンさんが年長者として父親のようにスタッフを高揚してくれたおかげで、やりきることができたと思います。
――今作は迫力の映像も見どころです。とくに苦労したシーンはありますか?
7話の最後に、ボンソクが家の向かいの土手の上空を飛ぶシーンです。あのシーンは、ジョンハさんをワイヤーで吊るして、それを30~40人ぐらいで引っ張るという大がかりな撮影で。しかも夜の時間帯に。
あまりのキツさにドローンの撮影チームが、連絡もなしに逃げてしまったほど(笑)。そこをクリアしたあとは、生身の俳優がこなせないシーンをデジタルキャラクターで再現する作業。ジョンハさんの体を3Dスキャンして、CGで背景を作り込みました。その作業だけで半年かかったんです。苦労したぶん、思い入れの強いシーンになりました。