恋愛って、実際のところ何をしているの? “哲学対話”で掘り下げる!
もう本当に、喜びと不安と憎しみの“全感情弁当”みたいな(笑)。そんなものが自分の中に誕生してうずまくから、その感情を一括りに「恋愛」として名付ける。便利で、腑に落ちる言葉としてそこにあるのかなっていうのは思いました。それと同時に浮かんだもう一つの問いは、そんなに得体の知れない、楽しさもあるけど時に超しんどいことが、どうして世の中的には推奨されているんだろうか、ということ。俗に言う“恋愛至上主義”とか、「恋愛してないやつはダメ」みたいな風潮って、今も強固に生き残っているじゃないですか。そこには抗いたいなと思っていて。
桜林:私は20代の前半で子どもを産んでいるから、さっきも言ったように「それどころじゃなかった」し、学生の時だって「恋愛って何?」みたいに斜にかまえていたので、あまり色恋に夢中になるようなことはなかったんですね。そんな過去を振り返って、「じゃあ恋愛はしたほうがよかったのかな?」と考えてみると難しいんですけど…少なくとも恋愛に限らず、「何かをしたい」とか「ああいう状態になりたい」みたいな欲求にはフタをしなくてよかったんじゃないかなと。
それは当時の自分にとっては己を守る術ではあったんだけど、いざ「動いていいよ」