津田健次郎「僕はすごく欲張りなんです」 俳優、声優、監督…多彩な活動にかける思いを語る
あ、だから逆に、“最近津田さん忙しそうだから、無理だろうと思って声をかけなかった”と、あとから聞くことがまれにあるんですが、それ、めちゃくちゃ嫌なんですよ…。とりあえず気軽に声をかけてください(笑)」
20歳で芝居の道を志し、現在52歳。振り返ると、10年ごとにターニングポイントがあった、と津田さん。
「30歳でようやく芝居で食べられるようになり、ある程度経験を重ねて40歳を越えた頃、少し力を抜くことができた。そこで改めて、芝居に対して初心に返ろうと思ったんです」
その“初心”とは、“演じるけれど、演じない”というもの。
「この世界に入ったときから、“芝居をするとはどういうことなのか”についてずっと考えていて。矛盾があるんですけれど、僕にとって理想の芝居とは、“芝居をしない芝居”なんですよね。うまく言えないんですが、スポーツ選手がゾーンに入っている、みたいな状態というか…。
それに近い感覚を目指したいんです。でもねぇ、40歳でそこに気がついてから10年、ますます芝居が難しくなってます(笑)。もちろん楽しいんですが、楽しいからこそ難しい」
ここからの10年は、これまで培ってきたものを捨てていく作業が必要になる、とも。