田村正和から柄本佑まで…時代を象徴する、テレビドラマを彩る“大人の男”たち
“正統派の二枚目でありながら、喜劇もできる俳優”として名を馳せました」
田村さんといえば、大正から昭和の時代にかけて一世を風靡した名優・阪東妻三郎さんを父に持つ。
「まさに俳優界のサラブレッド。キラキラなスターオーラを放ち、俳優としての技術も高く、全てを兼ね備えた“圧倒的スター”だといえます。’90年代はのちに阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が起きたり、’99年に地球は滅亡するという予言がもてはやされるようになるなど、不穏なムードが漂っていくのですが、田村さんはその直前、日本がまだ元気だった時代の、最後のスターかも。そしてテレビドラマ界も、新しく面白いことをやっていこうという活気に溢れていました」
“庶民とは違う世界の特別な人”という認識の背景にはこんな理由も。
「当時は、インターネットやSNSでプライベートを明かす時代ではなく、芸能界で活躍している人たちの私生活は謎に包まれていました。それもまた、特別感となっていたと思いますが、田村さんもミステリアスな魅力が光る人でした」
’90s 大人の男の条件
一般人とは一線を画す“圧倒的スター”。正統派の二枚目でありながら喜劇もできる実力派で、ミステリアスな一面も。