くらし情報『田村正和から柄本佑まで…時代を象徴する、テレビドラマを彩る“大人の男”たち』

田村正和から柄本佑まで…時代を象徴する、テレビドラマを彩る“大人の男”たち

や、もちろん『半沢直樹』シリーズ(’13年~)は外せない。視聴率を取るのが難しい“経済ドラマ”にもかかわらず、銀行員の主人公・半沢直樹のお決まりのセリフは、’13年の新語・流行語大賞にも選ばれ、社会現象を巻き起こしたほどのヒット作となった。

「みなさんご存じの『倍返しだ!』を聞くと、アツいキャラクターにも取れるのですが、’00年代の主人公たちに比べるとさらに知的な人物像に描かれています。そもそも堺さんは、早稲田大学で文学を学び、共著で若山牧水にまつわる新書を出版するなど、文学青年の一面を持つ人。役作りのために並々ならぬ力を注いだエピソードをトーク番組で語るなど、もともと備わった才能やコツコツ積み重ねてきた実力が『リーガル・ハイ』や『半沢直樹』で発揮されたのでしょう。堅実なお芝居ができる俳優の代表といえます」

この時代に“堅実さ”や“実直さ”がウケた背景には、’11年に発生した東日本大震災も関係している、と木俣さん。

「謹慎ムードが漂い、経済が危ぶまれる中で日本社会はどうあるべきかを考えるような風潮になったことが、きっかけになっているでしょう。弱き者という立場の半沢直樹が、理屈を早口でまくし立てて次々に劣勢な状況をひっくり返していく様や、勧善懲悪の姿は、視聴者に爽快感を与えたはず。

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