田村正和から柄本佑まで…時代を象徴する、テレビドラマを彩る“大人の男”たち
そして堺さんならではの説得力が、俳優としての信頼に繋がっていったのでしょう。’00年代同様、半沢直樹は国民の理想の人物であったかもしれません」
一方で、そんな社会的風潮に疲れてきた視聴者が求める対象として、のちに中村倫也さん、松下洸平さんのような“ささやき声”を持つ“癒し系俳優”が活躍する時代へと繋がる、とも分析される。
’10s 大人の男の条件
実力を積み重ね、本来の才能とともに発揮。“堅実”な姿勢で説得力があり、国民が抱く理想像のような人であること。
【’20s】“完璧じゃない”人柄に注目。
’20sを代表する大人の男『光る君へ』の藤原道長(柄本 佑)
不穏さが漂っていた時代から一転、’20年代に入ると、それまでの絶対的正義や堅実さは守りながらも、新たな魅力に注目が集まるようになってきたという。
「何を考えているかわからないような雰囲気を持つ人。脇役で光るような、ちょっとふわっとしたお芝居ができる俳優にスポットが当たるように。
例えば、柄本佑さんや長谷川博己さんなど。長谷川さんが主演を務めた『麒麟がくる』(’20年)の明智光秀や、『アンチヒーロー』(’24年)の明墨正樹はとても風変わりな人物でしたが、圧倒的な魅力を拡散する絶対的主人公。