池松壮亮、映画監督・奥山大史は「これからたくさんの俳優が出会ってほしいと思う監督」
池松:たくさんの人に観てもらうということが映画にとって一番の幸せ。これまでのように国内マーケットだけで海外の観客に映画を届けようとしないというのは映画にとって不幸なことだと思います。
――池松さんの作品選びや国内外でのご活躍を見るとそれこそ“ボーダレス”に感じます。
池松:日本の俳優にしてはこだわりが強い分、むしろボーダーを引いてきたと思われているように感じます。
奥山:池松さんはご自身であえて線を引いて、そこを越えてきたように僕には見えます。それこそ、久々に民放のテレビドラマに出るとか。こだわりを持ってやると決める人だからこそ、そこを超えた時の意外性にワクワクします。
池松:そもそも表現、特に映画に関してボーダーがあるとは思っていません。
遠い時代のまったく知らない国の映画を観ても感動できるのは、映画が世界と対話できる共通言語だから。そう信じてやってきたので、海外の作品に参加することにも抵抗がありません。ドラマに関しては映画とはまた違うメディアとして捉えていますが、配信の台頭もあり、この多様な時代の、変化の時に、多様なメディアがボーダーを超えて、さまざまな可能性を探ることは重要なことだと思っています。