根本宗子「自分の作品のカラーを背負ってもらっていた」 長井短との強い信頼関係
長井:見なかったもんな…携帯。でも大人になったのかな。お互いに落ち着いたよね。昔は二人とももっと尖ってたから、喋るスピードも速かったけど、今はちんたら話すようになったし。
根本:当時は新作に追われて、前回よりも面白いものを書かなくちゃって思ってたから、たぶん私のほうが尖ってたと思う。本番がうまくいかないとあからさまに不機嫌を顔に出していたし。
長井:でも真面目にやってれば機嫌もよくなるはず、頑張ろ、って思ってたよ。とくに気にしなかったから、長く続いたのかもしれないね。
――演劇が育んだ関係性ともいえますね。根本さんは、二人が長く続いている理由はどんなことだと思いますか。
根本:私はお芝居の上手い下手よりも、“この人に役を書きたいかどうか”が大切で、そこの相性が長井さんとはすごくいいんだと思います。劇団員たちが30歳前後になって芝居を続けるか悩んだり、お子さんが生まれて休む人もいる中、途中から劇団員を持たなくなって、作品ごとにキャスティングしていくようになって。その中でも毎回声をかけていたってことはすごく自分の作品のカラーを背負ってもらっていたと思います。
長井:背が高くてモデルもやっていたから、男性作家から書かれる役は、もっと静かな女性が多かったんです。