DIVA・ゆっきゅん「私のような存在が地方に住んでいる繊細な中高生たちにまで届け!」
別に女の子になりたいわけでもなかったし、ただそこに自分の枠はないんだと自然と理解していました。別段それが悲しいとかつらいとかもなく、普通に振りコピとかは全力でしていて。で、部活して、勉強して、高校は自由な校風の進学校へ通って。だから、東京に出て歌手になってやるんだという夢や信念を幼少期からずっと抱いていたというわけでもなく、都内の大学に進学というごく普通の理由で上京をしました。
――それでも大学1年の2014年にはゆっきゅんとして初ステージを踏み、その後2016年には男女2人組アイドル〈電影と少年CQ〉も結成。活動の場を確実に広げていきます。
ゆっきゅん:東京へ出たら面白い人がたくさんいるんだと勝手に思っていたんです。高校時代の私は、文化祭のクラス演劇で『下妻物語』をやりたくて、脚本を書いてクラス全員にプレゼンしたり、一人6役ででんぱ組.incを踊ってみせたりと、まあ学校の人気者という感じではあったんですけど…でもそれは素人の輝きってだけだと自分では思っていたんです。
東京に来たらそれより衝撃を受ける圧倒的な人たちと出会えるはずだ、と。でも大学でも断然、自分が面白かった。アイドル業界もその頃からちょっと飽和状態で、何をやってもいいような空気感が漂っていた。