最近は俳優としての活動も増えているタレントの丸山礼さん。毎日の睡眠時間は3~4時間程度という多忙ぶりにもかかわらず、はじける果実のようなみずみずしさと濁りのない陶器肌をキープ。スキンケアで大切にしていることやマインドの保ち方など、忙しくても楽しく美容を続ける秘訣に迫ります。自分へのマナーとして、美容を楽しんでます。早朝から深夜までロケ続きというハードな毎日を送っているタレントの丸山礼さん。「日帰りでの地方ロケのお仕事は、早朝の飛行機に乗って最終便で帰ってくることが多いですね。合間の移動時間で仮眠することもありますが、ベッドでちゃんと眠れるのは3~4時間程度。しかも、絶対に遅刻できない~!という緊張感とプレッシャーの中でベッドに入るので、なかなか寝つけないことも多くて…」そんなストレスフルな毎日に頼りにしているのが、香りの力。「夜寝る前は『ニールズヤード レメディーズ』のピローミストをベッドまわりに使うようになったら、眠りの質が激変!癒される香りなので寝つきがよくなりました。もはやないと不安になるレベルで愛用しています。日中は『SHIGETA』のエッセンシャルオイルを持ち歩いていて、疲れたら酸素代わりにボトルからじかに香りを吸入(笑)。基本的に緊張しやすいタイプなので、お守り代わりに好きな香りを嗅いでリラックスするようにしています」ロケのお仕事では一日に6~7軒の飲食店を巡ることが多いので、オフの日は“リセット食”で調整。「家にいる時はお蕎麦をめっちゃ食べます。納豆とめかぶをてんこ盛りにのせて食べると、いくらでもいけちゃう。体が重たい時やお通じをすっきりさせたい日は、ご飯がわりにキャベツを。お蕎麦とキャべツなら無限にいけますね」憧れは透明感のある“女優肌”。「女優さんって、血管が透けて見えるほど本当に澄んだ肌なんですよ。しかも私より絶対お忙しくされているはずなのにって。比べ始めるとキリがないので、顔の造作や体型ではなくて、肌や髪のツヤだったり、明るい性格だったり、自分のいいところを伸ばしていこうと思えるように。私もテレビのワイプに映っている自分を見てがっかりしたくないから、自信が持てるようにケアしています。スキンケアで欠かせないのがパック。冷蔵庫の真ん中の棚はドミノのようにパックを並べています(笑)」“キレイ”が仕事をつかむ。美容に目覚めたのは、上京して仲良くなった友達がきっかけ。「美容のお仕事に携わっている人が多くて、キレイな人が仕事をつかんでいくんだって気づいてから、私も自分のことはキレイにしておかなきゃなって。当時はお金もなかったからあれこれは買えなかったんですけど、20歳でYouTubeが軌道に乗ってからは試したいものを買えるようになって。今は洗面台の収納棚を開けると、わーっとコスメが並んでいるのが幸せ。お店に行く時間がないので、だいたい寝ぼけながらネットで欲しいコスメを買うことが多いんですけど、気づいたら家にめっちゃダンボールが溜まってます(笑)」美容を習慣化するために、その日の気分を大切にしている。「意気込まないことが大事!疲れていたらサボるのも全然アリです。あまり気負わずにやれる時にやる、くらいのスタンスでいいんじゃないかな。そのうちやらないと気持ち悪くて眠れないってなった時が習慣化したってことなので、サボりながらでもいいから続けてみるのがいいと思います」丸山さんにとって美容とは?「世の中をサバイブしていくための必需品!他の人に対して不快感を与えないためのマナーでもあると思います。たま~に一部分だけ、血管透けている系の肌になれる時があって、ひゃあぁぁぁ~って興奮しちゃいますけど、今のお肌は採点すると50点くらいかな。やっぱり若い子のお肌を見ると、もうあの頃には戻れないんだなって(笑)。でも歳をとれば余裕もできて、その分美容にも投資できるから悪くないなって。“歳をとるの最高!”って思いながら生きていこうと思いますね(笑)」超多忙な丸山さんを支えるアイテム。食事のお供に「緑効青汁」を。「家族が飲んでいたので私も小学生の時から続けています。家で食事を摂る時にお茶代わりに飲んでいますが、腸の動きが助けられる気がします」桃の香りに癒されるフェイスパック。「数あるパックの中でもお気に入りが、山梨で買った『ルルルン』の桃の香り。本当にいい香りだし、どんな肌の揺らぎにも応えてくれます」ボディケアはお気に入りの香りで。「お風呂上がりは『ジルスチュアート ビューティ』のボディクリームを全身に。手を抜きたくなるボディケアも、いい香りなので続けられます」まるやま・れい1997年4月1日生まれ、北海道出身。2016年に芸能界デビュー。鋭い観察眼で特徴をとらえつつユーモアを交えたモノマネが人気を博す。登録者数128万人を超すYouTubeチャンネル「丸山礼チャンネル」では美容からお悩み相談まで発信し、共感を得ている。ニット¥14,300(Spick & Span/Spick & Span ルミネ有楽町店 TEL:03・5222・1744)イヤリング¥2,970(KBF/KBF ルミネエスト新宿店 TEL:050・2017・9164)※『anan』2024年4月3日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・奥田ひろこヘア&メイク・nari取材、文・岡井美絹子(by anan編集部)
2024年04月03日今年7月でデビュー5周年を迎えるダンス&ボーカルグループ・原因は自分にある。(以下、げんじぶ)。2次元と3次元を行き来しながら、独自のワールドを作り上げ、表現してきた7人が、コンセプトEP『仮定法のあなたへ』をリリース!収録されている6曲すべてが新曲で、各曲の中で“if=もしも、あなたがなら~”というテーマに基づく物語が展開されていくのがユニーク。ボカロ曲からグループ初の試みとなるラップ曲など、色とりどりの楽曲でげんじぶワールドを体感して。7人組グループの“げんじぶ”が5年目で初のコンセプトEPを発表。上段左から、大倉空人、桜木雅哉、武藤 潤、吉澤要人下段左から、小泉光咲、長野凌大、杢代和人大倉空人おおくら・たかと2002年4月12日生まれ、神奈川県出身。「隣のクラスからも『空人の声が聞こえてくる』と言われるくらい昔から口が達者で(笑)、ライブや動画ではMCを担当しています。このEPにはいろんなジャンルの曲が入っていて、歌の表現の幅が広がったなって。『美しい人』の落ちサビは、いったん音が消えて僕の歌い出しからまた始まるんですけど、そこは特に感情を込めてレコーディングしたので、たくさん聴いて余韻に浸ってほしいです」桜木雅哉さくらぎ・まさや2006年3月19日生まれ、東京都出身。「チャームポイントは鋭い三白眼で、左目が一重になりがちです。かわいい系の曲では最年少らしく張り切っています。このEPを一言で表すと“映え”。ライブで“映え”て、盛り上がりそうな曲がいっぱいあります。推したい『ダイヤモンドリリー』はバラードなんですけど、“嗚呼”の歌い方にこだわりました。儚くなりすぎず、でも、切ない世界観を壊さないように研究した成果を感じて!」武藤 潤むとう・じゅん2001年8月18日生まれ、東京都出身。「最年長のAB型。血液型をよく言い当てられるので変わってるのかも!?ガンプラやアニメが好きで、声優さんにも挑戦してみたいです。僕はコーラスが多いんですが、TikTokで流行りそうなフレーズが多い楽しい曲調の『推論的に宇宙人』は、コーラスが入ることでバンド感が強まって、げんじぶらしいカッコいい仕上がりに!このEPで僕らをたくさんの人に知ってもらえますように。届けっ!!」吉澤要人よしざわ・かなめ2003年7月12日生まれ、東京都出身。「げんじぶは、インパクトのある名前も2次元と3次元の狭間というテーマも異色のグループ!僕は、そんなグループのメンバーを、引っ張るよりも後ろから支えていたいタイプのリーダーです。小4から始めたバレエがベースになっているしなやかなダンスと低音ボイスが武器!『美しい人』では、“二人だけの秘密を照らし出した”というフレーズで声域の幅を感じてもらえたら嬉しいです」小泉光咲こいずみ・こうさく2003年3月11日生まれ、宮城県出身。「マイペースな性格で、目がキラキラしているってよく言われます。ライブで照明があたるとギラギラします。ラーメンが好きで、出汁をとるところから作るんですけど、味はまだまだ…。でも、見栄えがよければおいしそうに見える!『推論的に宇宙人』のセリフっぽいパートは、僕だけ本当にパクチーが嫌そうに言ってるのが曲のアクセントになってると思うので、注目してください」長野凌大ながの・りょうた2003年7月16日生まれ、静岡県出身。「げんじぶのダンスは全体で魅せることを大事にしていて、僕はダンスリーダーとして角度などを細かく調整するのが役目。ダンスが得意なんですが、ダンスと歌、どちらもできる二刀流を目指して努力中。このEPは曲ごとにキャラクターが存在していて、『マルチバース・アドベンチャー』の勇者・セツナくんは、次元さえも超えられるように、僕のアイデアで翼をつけたので、思い入れが大きいです」杢代和人もくだい・かずと2004年5月20日生まれ、東京都出身。「げんじぶを一言で表すと“華”。華のある7人が集まっています。僕はずっと“レベチイケメン”としてやらせてもらってて、浸透してきている手応えアリです。『ケイカクドヲリ』はラスサビ前に僕が鼻で笑うとこがあって。フンッてクールにやってみました。今年20歳になるのですが、今まで背伸びしてたクールさやセクシーさが板についてきたので、そのパートもライブで思い切りカッコつけたいです」コンセプトEP『仮定法のあなたへ』。久下真音など豪華クリエイターが参加。映像特典は昨年のパシフィコ横浜国立大ホールでのライブ映像全楽曲。【通常盤(CD)】¥2,200【初回限定盤(CD+BD)】¥6,050(SDR)※『anan』2024年4月3日号より。写真・Nae.Jay取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2024年04月02日いま欲しいのは、上気したような自然な血色感も、くすみを飛ばして透けるような素肌も叶える“立体感チーク”。そんな旬のメイクを、フリーアナウンサーの山本里菜さんがお試し。色付きハイライト感覚で使えるチークが豊作!「長らくのマスク生活でノーチークで過ごしていた人も多いと思いますが、血色感やメリハリ感を出すチークは、顔全体の引き締め役として欠かせない存在。ぷりっと頬が上がったような仕上がりにするには、それなりにテクが必要なのですが、今季はつければ勝手に立体感が出る優等生ぞろい!繊細なツヤとライトな発色だから、失敗する方が難しいくらいです。“色付きハイライト”感覚で頬にのせれば、誰でも簡単に立体感を作れます」と、ヘア&メイクアップアーティストのGeorgeさん。光と血色が宿った立体チークをまとってくれた山本さんは、いつもと違う自分に感激した様子。「局アナ時代はチークレスメイクだったので新鮮!今っぽい取り入れ方、真似したいです!」【透明ピュア肌】ラベンダーカラーが、自然なツヤ感を演出。コントゥアリングでメリハリ養成チーク 賞【Visee】左・ザ コントゥア カラー(パウダー)BR350右・ザ コントゥア カラー(パウダー)PU100各¥990*編集部調べ3/16発売(コーセー TEL:0120・526・311)骨格印象を高めて光と影をコントロール。左・透け感のある黄みブラウンのシェードカラー。右・肌そのものが発光しているようなツヤや透明感を与えるラベンダー。「自分の肌の体温で色づくようなほんのり淡いラベンダーカラーが可愛くて、パール感のみずみずしさが、ちゃんと水分足りてますって頬にしてくれます。普段シェーディングは入れないんですが、このブラウンは薄づきで肌なじみもいいから初心者にも使いやすそう」(山本さん)。Makeup Pointハイライトとローライトで骨格を巧みに操り、自然なメリハリをつけるのがコツ。右のラベンダーは光を集めたいところにオン。目頭、鼻のつけ根、鼻先にのせて立体感をデザインする。頬には目の下から逆三角形を描くようにのせ、肌の透明感を引き上げて。肌の色と重なることで透けるようなピンク色に。左のブラウンは、鼻の側面と頬骨の外側から斜めに入れてシェーディングする。ニット¥25,300(タラジャーモン/イトキンカスタマーサービス TEL:0120・888・363)トップス¥37,400(クローゼット/エイチスリーオーファッションビュロー TEL:03・6712・6180)ピアス¥110,000リング、アクアマリン¥163,900アメシスト¥110,000ホワイトストーン¥209,000(以上マリハ/マリハ 伊勢丹新宿店 TEL:03・6457・7128)【愛嬌上気チーク】じんわり広がり、惹きつけるピンクのラメ。なりたい表情を自在に彩る魔法のカラー 賞【LUNASOL】カラーリングシアーチークス(グロウ)06¥3,850※セット価格(カネボウ化粧品 TEL:0120・518・520)透き通るような色で頬をほのかに染め上げて。見た目よりもシアーな発色で肌に溶け込むようになじみ、まろやかなツヤ感と自然な血色感を与えてくれるチーク。青みを帯びた華やかなピンクが、素肌の美しさや透明感まで引き出す。「さっとのせれば可愛く染まった少女のような頬に、塗り重ねれば品のある光沢感がプラスされた大人の女性にと、塗り方によっていろんな表情を引き出してくれる万能チーク。じゅわっと多幸感あふれるメイクが素敵でした」。Makeup Point高揚すると赤くなるパーツ、頬、鼻先、あご、耳たぶの4点に、甘さと色っぽさが薫るチークを入れて、全体的に血色感を忍ばせるのがポイント。ピュア感、可愛さ、色香…さまざまな空気感を織り交ぜた表情が浮かぶ。頬は、目尻側から鼻にかけて頬骨を丸くなでるように広めに入れ、ブラシでなじませてぼかし、みずみずしいジューシーさをのせて。繊細なパールでハイライト効果も。ピアス¥46,200左手のリング¥38,500(共にブランイリス/ブランイリストーキョー TEL:03・6434・0210)右手のリング¥272,800(マリハ/マリハ 伊勢丹新宿店)トップスはスタイリスト私物【しなやかコーラル】大人の余裕を作り出す、万能な色みと高発色。きらめく光と澄んだ発色で顔立ちの印象アップで 賞【inoui】インウイ チーク 02¥6,050(資生堂お客さま窓口 TEL:0120・81・4710)ニュアンスのある赤で頬が軽やかに色づく。火照った頬を再現したようなナチュラルな血色感を叶えるパウダーチーク。ハイライトをつけたかのような光を頬に宿して、透き通るような仕上がりに。「これも文句なしに可愛かった!オフィスメイクにもいい品のある色みで、一気に春っぽい旬の顔に。色を重ねれば華やかな空気感も出るので、女子会やデート用のおめかしメイクにもいいですね。薄くてコンパクトなパケなので、お直し用にポーチに入れておきたいです」。ジャケット¥69,300(マレーラ/三喜商事 TEL:03・3470・8233)ピアス¥22,000ボリュームリング¥41,800(共にブランイリス/ブランイリストーキョー)Rina Yamamoto1994年6月22日生まれ、千葉県出身。フリーアナウンサー。TBSのアナウンサーとして活躍後、フリーに。現在は多数のバラエティ番組に出演するなど、新たな魅力を発信している。Georgeさんヘア&メイクアップアーティスト。トレンドをふまえたメイクが得意。コスメブランド『Joliyen』を手がける。YouTube チャンネル「ジョージのメイクルーム」も好評配信中!※『anan』2024年2月28日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・菅原萌衣ヘア&メイク・George取材、文・岡井美絹子(by anan編集部)
2024年02月24日超エリート高校生が校則で禁じられた“恋愛”に挑む姿を描くドラマ『恋愛のすゝめ』。名門進学校の創設以来の天才・鳳(おおとり)啓介を演じる綱啓永さんは、本作が連ドラ単独初主演。このタイミングで主演できたことがベストだったと今は思います。「主演をやらせていただけると聞いた時は、すごく光栄なのと同時に驚きもありました。舞台『タンブリング』でご一緒した中屋敷(法仁)さんが脚本を担当される繋がりもあって決まったと思うので、今までの努力が実ったと感じる瞬間でしたね」人生を勉強に捧げてきた役柄と自身では似ている点がほとんどなく、アプローチに苦戦したそう。「ただ、鳳啓介は常に全力な人間なので、この役を一生懸命演じていれば勝手に彼になっていくことに気づいたんです。なので、考えすぎて毎日頭が痛くなるくらい熱を込めてやらせてもらっています。頭がいい役だから、知らない単語が台詞にめっちゃ出てくるんですよ。全部調べたんですが、今までで一番ウィキペディアを使っているかも(笑)。長台詞も多く普段の覚え方が通用しなかったので、ボイスレコーダーに録音して、普段は音楽を聴く時間を台詞覚えに当てています。実は昨年撮影した映画も台詞量が半端なく、そこを乗り切った時に“俺は無敵だ!”と思ったんです。なのに、今回新たな壁が現れて…。それもなんとか乗り越えて“もう俺に怖いものはない”と思っているけれど、きっとまたこれを超えるものが現れるんでしょうね(笑)」今回“勉強の天才”を演じている綱さんに、自身は何の天才だと思うかを尋ねてみると意外な答えが。「“普通”の天才かな。何をしても中の上くらいなんですよ。わりとなんでも器用にできるけど、極めることがないから勝てはしないんです」デビュー6年目。着実にステップアップしているように見える俳優人生も決して順調ではなかったと語る。「たくさんの壁を経験しましたし、周りに恵まれている人も多いから、自分がスムーズに進んできたとは思いません。でも逆に、このタイミングで初主演ができたのは、自分にとってベストだったのかなって。ある程度経験してから臨むことができてよかったと思えるようになりました」初の座長を経験し、さらなる成長を遂げた綱さんの次の目標は?「ドラマだと、いつかゴールデンタイムでも主演ができたら嬉しいですね。成長の通過点としてやってみたいなって思います。そして、今回精神的にしんどい時に共演者の方が支えてくれているので、今後は僕も周りの方を支えていきたいです」『恋愛のすゝめ』厳格な進学校に通うカリスマ生徒会長(綱啓永)が、“恋愛”という難問に挑む異色ラブコメ。主人公の学友を演じる一ノ瀬ワタルやひょっこりはんなど、ユニークな共演陣も話題に。毎週火曜24時58分~、TBS系にて放送中。つな・けいと1998年12月24日生まれ、千葉県出身。2017年に第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにてグランプリを受賞し、俳優として活躍。出演映画『違う惑星の変な恋人』が’24年1月26日に公開予定。衣装協力・ヴィクティムワンスリー コンパウンド フレーム※『anan』2023年12月13日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・三宅 剛ヘア&メイク・牧野裕大インタビュー、文・真島絵麻里(by anan編集部)
2023年12月12日目元の透明感が可愛い!プレイフルなおしゃれ顔になる「くらげメイク」に當真あみさんが挑戦しました!くらげメイク一か所入れた“抜け”が愛らしさのポイント。海を泳ぐくらげのように、儚い透明感やキラキララメ感のある“くらげメイク”も、今年バズったルック。「くらげメイクは、パーティ向けに遊び心たっぷりなアレンジをしました。目元は、寒色系のグリッターやラメで透け感&華やかさを。そこに、グレーの影色アイラインを入れてクールにまとめています。チークは影色をシャープに入れて、こちらも大人っぽく。全部クールにしちゃうとやりすぎ感が出るので、仕上げのリップはあえてラフな塗り方に。ほんのちょっと崩すだけで、一気にこなれ感や親しみやすさが出てきます」(ヘア&メイクアップアーティスト・pakuchanさん)當真さんも、虹色にきらめくアイシャドウにすっかり夢中。「まばたきするとキラッと輝いて、可愛い!おしゃれして出かけたくなります」Use it!1. 大粒のラメ入り。ドラマティックアイカラー(パウダー)P BL164¥1,210*編集部調べ 11/21限定発売(マキアージュ TEL:0120・456・226)2. クリアに輝く。ヴァティック アイズ 23¥2,200(セルヴォーク TEL:03・5744・5565)3. 細かい毛もキャッチ。ザ マスカラ カラーニュアンス WP 011¥4,180(アディクション ビューティ TEL:0120・586・683)4. 肌の影になりきる。アイ オープニング ライナー グレー¥1,694(UZU BY FLOWFUSHI TEL:0120・963・277)5. 肌の透明感を引き立てる。ルナソル カラーリンググレイズ EX10¥6,820 11/24限定発売(カネボウ化粧品 TEL:0120・518・520)6. シースルー発色。アラウズ リップス 10¥3,960(セルヴォーク)How toEYE:1を指で上まぶたの中央にのせる。2を、下まぶたの目尻から3分の1幅だけ、細くのばす。ホログラムシートを細かく切り、つけまつ毛用ののりで貼り付ける。位置や量は、お好みで。カーラーで上まつ毛を軽く上げたら、上下まつ毛に3のマスカラを根元からサッとのばしてニュアンスをプラス。4で上まぶたの輪郭に沿ってラインを入れたら、目尻は上まぶたと下まぶたの境を延ばすように、少しハミ出させる。CHEEK:5のチークは2色混ぜて、こめかみの下から頬骨の高いところだけにのせて。LIP:6を、唇にラフに直塗り。とうま・あみ2006年11月2日生まれ、沖縄県出身。俳優。’21年にデビューし、ドラマや映画で大活躍。’23年はNHKの大河ドラマ『どうする家康』に出演。最近は、料理を勉強中。「来年は、お母さんが作るハンバーグの味を再現したい!」ツイードベスト¥40,700(グリードインターナショナル/グリードインターナショナル トウキョウストア TEL:03・6721・1310)中に着たレザービスチェ¥3,499(リエディ/ネオグラフィック TEL:06・6567・9000)イヤリング¥2,200(ゴールディ TEL:0120・390・705)ヘア&メイクアップアーティスト・pakuchanさんエッジの利いたメイクからナチュラルなメイクまで幅広く得意とするトレンドセッター。俳優やタレントからの指名多数。2024年に注目するのは、バサバサ・束感まつ毛など、目元コンシャスなメイク。※『anan』2023年11月15日号より。写真・Nae.Jay(モデル)市原慶子(アイテム)スタイリスト・鹿野巧真(モデル)官野亜海(アイテム)取材、文・風間裕美子(by anan編集部)
2023年11月11日當真あみさんが旬メイクに挑戦!ノーカラーっぽいのにきちんと可愛い、中国メイク「白湯メイク」に挑戦しました。白湯メイク質感コントロールでワンランク上を目指す。“白湯メイク”とは、透明感のあるセミマットな肌に、彩度を抑えたポイントメイクを合わせる中国発、’23年のメイクトレンド。今回はヘア&メイクアップアーティストのpakuchanさんに、大人アレンジを教えてもらいました。「あまり色を感じさせないけど、実はアイカラーもリップもちゃんと塗って、質感をコントロールしています。例えば涙袋なら、光を集めて肉感を出す。リップならベースをソフトマットにして、中央にツヤを。的を絞って丁寧に作り込むと、ナチュラルな中にも、大人らしいきちんと感を醸し出すことができます」モデルを務めてくれた當真あみさんは、白湯メイクの淡い色使いがお気に入り。「さりげない色使いだから、メイク初心者の私にもぴったり。友達と遊ぶときに、トライしてみたいです」Use it!1、2. 光と影を強調して目元に奥行きをプラス。パール感のあるベージュとマットなピンク系。アイグロウジェム スキンシャドウ(01G、22M)各¥2,970(コスメデコルテ TEL:0120・763・325)3. 透明感のあるチークとパーリーなハイライトのセット。ダンシング ディメンションズ フェイスパレット 02¥5,500 限定発売(RMK Division TEL:0120・988・271)4. 化粧崩れを防いでサラスベ肌をキープ。ライトリフレクティングセッティングパウダー プレスト N 5894¥5,830(NARS JAPAN TEL:0120・356・686)5. なめらかにのびてマットな質感に。ヴァレンティノ リキロッソ 109R¥5,940(ヴァレンティノ ビューティ TEL:0120・323・220)How toEYE:2のアイカラーをアイホール全体に2回重ねる。下まぶたは2をチップ幅くらい、2回重ねて色を出す。次に、1のアイカラーを、上まぶた中央に指でのせて。下まぶたも、2を塗った上に重ねて厚みを出す。黒のリキッドアイライナーで上まつ毛の間を埋めたら、目尻から顔の外へとラインを数mm延長。CHEEK:3の左の色をブラシにとってよくなじませ、頬に広く横長の楕円形に広げたら、4のパウダーを重ねてぼかす。LIP:コンシーラーで輪郭をぼかしたら、5のリップを指でトントンのばす。唇の中央にだけケア用クリームを塗って、ツヤを出す。とうま・あみ2006年11月2日生まれ、沖縄県出身。俳優。’21年にデビューし、ドラマや映画で大活躍。’23年はNHKの大河ドラマ『どうする家康』に出演。最近は、料理を勉強中。「来年は、お母さんが作るハンバーグの味を再現したい!」シアーブラウス¥4,999レザーワンピース¥5,998(共にリエディ/ネオグラフィック TEL:06・6567・9000)ヘアピンはスタイリスト私物ヘア&メイクアップアーティスト・pakuchanさんエッジの利いたメイクからナチュラルなメイクまで幅広く得意とするトレンドセッター。俳優やタレントからの指名多数。2024年に注目するのは、バサバサ・束感まつ毛など、目元コンシャスなメイク。※『anan』2023年11月15日号より。写真・Nae.Jay(モデル)市原慶子(アイテム)スタイリスト・鹿野巧真(モデル)官野亜海(アイテム)取材、文・風間裕美子(by anan編集部)
2023年11月11日小学6年生から作詞を始め、愛聴する洋楽の和訳を読むことが好きだというアーティストのaoさん。言葉と感情のインプットの仕方、そして現在17歳のaoさんにとっての“言葉のチカラ”とは?小学6年生の時、歌手になるためのオーディションを受け、今の事務所に入ったaoさん。まもなく作詞・作曲を始めた。3曲目にできた「kekka」の歌詞には「仲間とバラバラになっても繋げてくれるのは言葉Let’s say I’m not scary私を変えてくれる言葉」というフレーズがある。初めて“言葉のチカラ”を感じた出来事を詞に反映したという。「当時小学校高学年だったんですが、学校で女の子同士のいざこざが起きて、言葉が持つ攻撃力を人生で初めて感じたんです。当事者それぞれが言うことが違ったり、陰口が聞こえてきたり。それで真実を言葉にすることで自分にとって良い方向に導かれるんじゃないかなと思って書いた歌詞です。結局そのいざこざは解決に向かったので、『自分の言葉で発信することは大事なんだな』ということを知りました」ストレートで等身大の歌詞は、幼い頃から愛聴する洋楽の影響が大きい。「和訳を読むことが好きなんです。日本語詞と比べて和訳はストレートなので影響されていると思います。最初は小学校の漢字ノートに詞を書いていて、高校生になって『you too』の歌詞のモチーフになったお兄さんから『音楽活動頑張ってね』という思いを込めて誕生日にプレゼントしてもらったノートに書くようになりました。そのシリーズのノートは5冊目に突入しています。楽しいことも悲しいことも怒りも、感情が高ぶった時にノートにバーッて言葉を書きます。毎週日曜日に一週間で感じたことをまとめて書いていた時期もありました。言葉にすることで自分の気持ちとちゃんと向き合える。作詞は自分の気持ちを整理する時間でもあります」遊び心を持ってメロディに言葉を乗せられるように。音の響きに導かれるように英語詞と日本語詞が自然と混在していた歌詞が特徴的だったが、変化が起きている。「1年ほど前にリリースした『リップル』くらいから日本語中心の歌詞を書くよう意識し始めました。音で楽しむというよりは、言葉で伝える大切さや面白みに興味が出てきました。作詞を始めてから5年ぐらい経ちますが、やっと遊び心を持ってメロディに言葉を乗せられるようになってきた気がしています。以前は『このワードを使いたいな』と思ったら瞬間的に歌詞に取り入れることが多くて、一曲にまとめる時に大幅に書き直すことも珍しくなかったのに、最近は直すことが少なくなりました。パナソニックさんのCMに書き下ろした『Unveil‐Reborn』の歌詞は、自分の中から出てきた言葉をそのまま詞にしていったら一曲できた。どんどん作詞が楽しくなってきています」高校生になったことも作詞に影響しているそうだ。「中学生の頃は、人間関係に対する自分の痛みをわかってほしいという気持ちが強くて負のエネルギーで歌詞を書くことが多かったんですが、高校生になって環境が変わったことで、いろいろなことを客観視できるようになりました。俯瞰して、過去の自分の感情や『こんなことを思っている人がいるかもしれない』といったことを考えられるようになった。高校生活がすごく楽しくて、金髪にもなりました(笑)」リスナーからの反応が一番のモチベーション。幼い頃から読書が好きで、本から言葉のインスピレーションを受けることも多い。愛読書として挙げたのは辻村深月さんの『かがみの孤城』と、R・J・パラシオさんの『365日のWONDER ブラウン先生の格言ノート』。「『かがみの孤城』は小さい頃に、祖母が贈ってくれました。心が繊細な人たちがいろいろな時代から集まってくるというストーリーなんですが、音楽活動を始めてから読み直した時に、私の活動に似ているなと思いました。広い世界にポンッと放った曲をいろいろな場所から、いろいろな思いを持った人たちが聴いてくれる。そう感じたことでより好きな本になりました。『格言ノート』には365個の格言が載っていて、読みながら『今日はこの格言をモットーに生きてみよう』と思って過ごしていました。本を読むことで新しい単語がインプットされますね。ただ、感情のインプットは映画の影響が一番大きいと思います。最近観た映画でぐっときたのはNetflixで観た『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』です」リスナーから歌詞についての反応を直接もらうことがままある。とても嬉しそうに、こんなエピソードを教えてくれた。「今年『ENCORE』という楽曲をリリースした時に、曲を聴いてくれた方がすごく長い文章をDMで送ってくれたんです。『私はすごい歌手に出合えた』とか『想像できない曲を聴かせてくれた』ということが書かれていて、『共感してくれた人がいた。この曲を作って本当によかった』と強く思いました。リスナーの方から反応をいただけることが音楽活動の一番のモチベーションですね」アオ2021年、15歳の時に「Tag」でメジャーデビュー。’22年、Spotifyが選ぶ活躍を期待する次世代アーティスト「RADAR:Early Noise 2022」に選出。最新作はCMソングとしてオンエア中の「ENCORE」。現在放映中のハーゲンダッツとパナソニックのCMソングも担当している。ビスチェ¥23,100カーディガン¥60,500(共にフミエタナカ/ドール TEL:03・4361・8240)スカート¥15,900(デシグアル/デシグアル 東京 銀座中央通り TEL:03・6264・5431)コインネックレス¥3,200チェーンネックレス¥2,900ピアス¥2,500(以上ショーキー)左手中指のリング(2個セットリング)¥33,000(共にタジリ)ブーツはスタイリスト私物※『anan』2023年10月11日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・岡本さなみヘア&メイク・灯(ROOSTER)取材、文・小松香里撮影協力・スタジオ バスティーユ(by anan編集部)
2023年10月06日7月24日(月)~25日(火)Zepp Osaka Bayside、27日(木)~28日(金)KT Zepp Yokohamaにて、「JAY (iKON) JAPAN TOUR 2023」の開催が決定。iKONのリーダー的ポジション&メインボーカルとして活躍しているJAY(キム・ジンファン)。今年1月に143エンターテインメントに移籍後、iKONグループとしても活発に活動している中、5月にJAYの日本公式ファンクラブが立ち上げられ、7月に自身日本初となるソロライブを開催。本ツアーでは、JAYの特別な歌やパフォーマンスを披露するだけでなく、ファンとの交流時間も設ける予定。コロナ禍で停滞していたJAYとの貴重な時間をお見逃しなく。JAY JAPAN TOUR 2023 POSTER<公演概要>◆タイトル :「JAY (iKON) JAPAN TOUR 2023」◆出演者 :JAY(iKON)◆公演日時・会場 :2023年7月24日(月)、25日(火)OPEN 18:00/START 19:00 Zepp Osaka Bayside2023年7月27日(木)、28日(金)OPEN 18:00/START 19:00 KT Zepp Yokohama◆チケット代(税込):1Fスタンディング:10,000円/2F指定席:11,000円◆チケット販売スケジュール:・日本公式FC受付(抽選)受付期間: 6月17日(土)12:00~6月25日(日)23:59受付方法: FC会員の方は、FCページよりログインの上お申し込みください。 ※FC会員のご登録は ・ローソンチケットプレリクエスト先行受付(抽選)受付期間: 6月28日(水)12:00~7月2日(日)23:59受付方法: ・ローソンチケットプレリクエスト2次先行受付(抽選)受付期間: 7月4日(火)19:00~7月9日(日)23:59受付方法: ・一般発売(先着):7月15日(土)10:00~ ※お一人様4枚まで※6歳以上有料/未就学児童入場不可※当日、会場にてドリンク代が別途600円(税込)発生いたしますので予めご了承ください。※公演の延期や中止の場合を除きチケットの払い戻しはできませんので予めご了承ください。◆お問い合わせ:<大阪公演>YUMEBANCHI(大阪)06-6341-3525<東京公演>DISK GARAGE ◆JAY 日本公式ファンクラブサイト: ◆Twitter : @GNANI_OFFICIAL◆主催 : 143 ENTERTAINMENT/JX ENTERTAINMENT/制作協力:DISK GARAGE 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月16日肌と髪をとりまく環境は、新たなフェーズに突入。マスク生活が続いたことによるたるみ肌にアプローチする高機能成分配合のスキンケアに注目が集まるほか、質をも変えてくれそうな洗顔料、悩み別ヘアケア、復活したレジャー機運に乗ってUVケアの進化も目覚ましい。この夏取り入れたい最新美容をリサーチ!関水渚さんのインタビューもお届けします。20代~30代女性200名に調査!Q1. 夏の肌に関して、どんな悩みがありますか?(複数回答)日焼けによるダメージ…66%、シミ、シワ…22%、毛穴の詰まり…18%、汗による炎症・トラブル…18%Q2. 夏の髪に関して、どんな悩みがありますか?(複数回答)紫外線によるダメージ…60%、頭皮のベタつき、毛穴詰まり…49%、ニオイ…29%、うねり…21%Q3. マスク生活が続いたことで出てきた肌悩みはなんですか?(複数回答)こすれによるトラブル…56%、ムレによるトラブル…44%、毛穴の開き…31%、隠れている部分のたるみ…18%肌悩みのトップは、日焼けによるダメージ。「年にもよりますが、11月に比べ4月は倍、7~8月は3倍以上の紫外線量に」(スキンケア研究家・三上大進さん)。マスク生活のこすれトラブルはマスクを外せば軽減するが「たるみや毛穴開きの悩みは、積極的ケアが必要」(松倉クリニック代官山院長・貴子先生)。今年のトレンドは“楽してキレイ”を叶える!?紫外線ダメージや皮脂、汗、乾燥…と手ごわい夏の悩みだが、美容業界の研究&開発が頼れる味方。「スキンケアでは、レチノールやナイアシンアミドなどの高機能成分の商品が効能認可による安心感から人気。美容医療に迫るレベルのセルフケアがより手軽に取り入れられるように」(貴子先生)「壊れにくく肌へ浸透し高い効果の発揮するビタミンC誘導体配合製品も多角化し、各社の技術革新に注目です」(三上さん)多機能UVアイテムも豊富。「保湿やアンチエイジング、トーンアップのようなメイクアップ効果が期待できるものなど目的によって選べるように。UVケアだけではなくプラスαが当たり前になりました」(三上さん)「紫外線ダメージ予防だけではなく、肌の修復を同時に行えば、秋の肌が変わるはず」(貴子先生)スキンケアの基礎となる洗顔料も、悩みに特化して選ぶ時代に。「摩擦レスタイプや、毛穴ケア、ごわつきに特化したものまで豊富です」(トータルビューティアドバイザー・水井真理子さん)スキンケアをしながら、悩みをピンポイントでケアできるハイテクケアに注目!KEYWORD1:機能性成分成分に着目したアイテムが続々登場。たるみの気になるパーツケアに期待のレチノール、抗酸化力の高いビタミンCやビタミンC誘導体、弾力肌にアプローチするナイアシンアミドなど、高機能ケアでお悩みに強力アタック!KEYWORD2:肌質改善洗顔長かったマスク生活の影響、そして高温多湿な気候の中、お肌にかかる様々な負担を軽減する洗顔に注目。ゆらぎ肌や、角栓&毛穴汚れに対応した洗顔料や、角質をソフトにケアするクレンジングも。肌負担は抑えつつ、クリーンに導く。KEYWORD3:多機能UVUVアイテムは日焼けを防ぐだけじゃない!肌を守りつつ、紫外線ダメージの修復機能、スキンケア発想で機能性成分を補給、メイクアップ効果まで多種多様なメリットを兼ね備えたアイテムが台頭。お出かけのお守りに。【肌と髪のケア】TOPIC1夏のダメージ予防と修復は、ハイテクコスメに頼って。肌トラブルの改善やアンチエイジングに役立つレチノール、シワ予防や美白効果が期待できるナイアシンアミドなどの機能性成分、保湿やメイクアップ効果が得られるUVケアや、悩みに特化した洗顔料など、ハイテクコスメは夏こそ活躍。「さらに角質ケアは、併用アイテムの効果を高めてくれます。ピーリング効果のある美容液を、週1程度取り入れてみて」(貴子先生)【肌と髪のケア】TOPIC2ヘアケアは髪質改善が注目キーワード。うねり、白髪、抜け毛、ボリュームなど、髪の悩みは千差万別。「そもそも髪自体を強化して髪質改善をする“ボンディング”というカテゴリーが話題。また頭皮ケアや潤いケアもできるなど、ドライヤーの進化もすごいですね」(三上さん)。「スキンケアのように、シャンプーでも、プラスαで白髪ケアやうねり対策ができるアイテムが増えてきた印象です」(貴子先生)【肌と髪のケア】TOPIC3マスク生活続きのたるみは、引き上げケアで解消しよう。マスクで隠れていた部分のたるみを気にする人も多い。「表情が減って、ほうれい線やマリオネットラインが濃くなったという話も」(三上さん)。「引き締めスキンケアに加え、さらに奥に効く美顔器や、美容クリニックでハイフなどの施術をするのも手」(貴子先生)。ムレによる毛穴悩みも深刻。「湿度等で一時的に毛穴が開いても収縮する健康肌が理想。角栓ケアを取り入れて」(貴子先生)夏はこまめなUVケアを徹底しながら運動し、インナーケアもしっかり。「顔の皮膚は薄く、センシティブ肌。乾燥しやすく小ジワもできやすいので、敏感肌用のスキンケアで、保湿に力を入れています。髪は細くてクセ毛。毎朝ストレートにセットする手間を少しでも省くため、毎晩、頭皮ケアからトリートメントまでしっかり工程を踏んで、丁寧にケアしています」アウトドアでの運動が大好きな関水渚さん。UVケアも徹底している。「ドラマ撮影中は控えていますが、一昨年からハマっているのはウィンドサーフィン。夏でも、体はロング丈のウェットスーツでカバー。顔は日焼け止めとファンデを塗ったあとも、こまめに日焼け止めを塗り直し、髪はスプレータイプのものでUVケアしています。週2~3日のランニングは、紫外線の少ない朝か夕方以降に。日焼け止めに、帽子とサングラスはマストです。有酸素運動のランは、深い呼吸を意識させ、適度に筋肉を鍛えることで健康寿命を伸ばすことが目的。仕事のパフォーマンス力も上がるんです」現在、ヒロインを務めるドラマ『シガテラ』の撮影中。多忙な生活の中、インナーケアにも手は抜かないそう。「ダイエットよりは健康重視。夏場は1日3Lぐらい水を飲んで代謝を上げ、食事でタンパク質と野菜をしっかり摂るようにしていて。朝はりんごとバナナ、昼はロケ弁か、肉と野菜たっぷりの手作りスープとご飯、夜は魚やお肉を焼いて食べています。インナーケアをするようになってからは、前よりも肌が乾燥しにくくなった気がします」三上大進さん1990年10月20日生まれ、東京都出身。コメンテーター、スキンケア研究家として活躍中。外資系大手化粧品会社での製品開発の経験を活かし、スキンケアブランド『dr365』にてプロデュースを手掛けている。貴子先生美容皮膚科医、松倉クリニック代官山院長。美容医療の専門医としてはもちろん、診察における豊富な経験を活かし、フェイシャル、ボディケアから薄毛治療まで様々な悩みを改善に導くスペシャリスト。水井真理子さんトータルビューティアドバイザー。アロマや東洋医学を学んだ豊富な経験と、情報収集力の高さからなる、外面&内面をトータルに考慮した美容アドバイスに定評。新刊『水井真理子の寄り添い美容』が発売中。せきみず・なぎさ1998年6月5日生まれ、神奈川県出身。映画『町田くんの世界』で俳優デビュー。古谷実の人気漫画をドラマ化した『シガテラ』にヒロイン役で出演。テレビ東京系にて毎週金曜24:12~放送中。ワンピース¥25,300(ズール アンド ゼファー TEL:03・3401・5001)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年4月26日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・津野真吾(impiger)ヘア&メイク・井手真紗子取材、文・若山あや撮影協力・バックグラウンズファクトリー(by anan編集部)
2023年04月19日親しみやすいキャラクターと抜群の美肌を誇るモデルのセナちゃんが、ananに初登場!最新Kビューティやアイテムについて教わりました。プロ級の腕前を誇る、セルフメイク術も必見です!ファッションもメイクも、’90年代に夢中!今、韓国では何が流行っているの?そこで今回は、ネクストKガールとして注目のセナちゃんに、最新のメイク術や美容法などについて教えてもらった。「おしゃれに敏感な韓国女子の間では、1990年代に流行ったファッションが人気急上昇中です。韓国アイドルがお手本の、ヘルシーな肌見せのストリートっぽい雰囲気が気分。メイクもそれに合わせて、ラメやドーリーな束感まつ毛で盛りつつも、色で引き算するのが今っぽいバランスです」今回は、セルフメイクで定番メイクとトレンドメイクも披露。「肌作りは透明感を重視。ラベンダーのパウダーをふわっとのせるのがポイントです」Sena’s MAKEUP自然な陰影で盛る、ベーシックメイク。1、肌なじみのいいピンクベージュ。「色持ちがよくて大好きなリップ。とにかくかわいい色!」。ロムアンド ジューシーラスティングティント 222、透明感のあるベージュチーク。「頬に斜めに入れてシャープな印象に」。PERIPERA ピュア ブラッシュドサンシャイン チーク 163、やわらかいトーンのピンク系パレット。「ひとつ持っておくととっても便利。どの色も組み合わせやすくて日常使いにぴったり」。WAKEMAKE ソフトブラーリング アイパレット 024、きらめくグリッター入りで光沢感のある唇に。「ほかのカラーの上に重ねても使いやすいし、ぷっくりリップになれます」。ロムアンド グラスティングウォーターグロス 02(すべて本人私物)EYE:3の上段左から2番目をアイホールと下まぶたに、中段右から2番目を二重幅に、下段左端を目のキワに細く引き、目尻より2~3mmほど長めに入れる。CHEEK:2をブラシにとり、頬骨に沿って上から下に向かって入れる。LIP:1を全体にラフに塗り、さらに上から4を重ねる。Sena’s BODY MAKE韓国で流行中のピラティスで激変!お腹の縦スジに目が釘付けになるセナちゃんボディの秘密は、ピラティス。「今、韓国でピラティスをやっていない女性はいないんじゃないかなってくらい人気。私も韓国にいたときは週2ペースで通っていました。体幹を鍛えられるので、コンプレックスだったお尻のたるみも解消、姿勢も良くなりました」セナちゃんが教える、最新韓国トレンド!16時間ファスティングで8kgするりとダウン!「少女時代のヒョヨンちゃんが9kgものダイエットに成功したことで話題になったのが、ファスティング。1日のうち16時間は何も食べないというダイエット法です。私も以前、8kgくらい増量してしまったことがあったんですが、この方法で体重を戻すことに成功!8時間は食べていいので、炭水化物は少なめに、野菜中心の食事を続けてみたら、太らない体質になりました」ソウルのおしゃれエリア・カロスキルにあるカフェ『ACRES.』がお気に入り。「ここはJYPの練習生にも大人気のお店なんです。ファスティング中は、ここでサラダをたっぷり食べていました。アボカドやケール、玉ねぎなど抗酸化作用のある野菜が山盛り食べられます」韓国アイドル御用達の品がホームケアブームを牽引!「コロナ禍以降、ホームケアを重視する人が増えました。芸能人が愛用していることで人気になったのが、韓国の大手コスメメーカー・アモーレパシフィックが手がける『HOLITUAL』。自宅でのむくみ取りなら、やはり王道の“かっさ”が有名。少女時代のスヨンちゃんが愛用していることで注目された『Poi aroma』の真鍮製のかっさは、陶器とは違ったひんやり感が人気の理由です」セナちゃんのツヤ肌作りに欠かせないのが角質ケア。「週1回、『HOLITUAL』の角質ケアアイテムでケアしています。洗顔後に、漢方などが入ったパウダーと液体を混ぜ、顔にのせて15~20分パックするだけ。洗い流すとつるすべ素肌に!この上にシートマスクをするとさらにうるうるに」高級感漂うワンランク上の真鍮製かっさは、日本でよく見かけるものとは違って、形がユニーク。「これでマッサージすると、リンパや血液の循環が良くなって、速攻でむくみが取れます。丸いタイプは足裏や頭皮のケアにおすすめ。長いタイプはサロンで背中ケア用に使うものです」流行りのグリッターでドーリーな目元を彩る。「今、韓国では、’90年代のメイクがリバイバル中です。注目アイテムはキラキラのグリッター。ラメをのせるときには、必ず綿棒を使うのがポイントです。ベタッとつかないからほんのりとしたきらめきになって上品だし、目を大きく見せる効果も。あとは、人形のようなくるんとしたまつ毛もマストです。大小2種類のビューラーを駆使してしっかりまつ毛を上げたら、ライターで温めた竹串を根元に当てて、まつ毛をアイロン。マスカラでカバーできない細かいまつ毛には、マスカラ液を歯間ブラシにつけて塗るのがおすすめ。目元のラメとチークが派手なので、アイシャドウはあえて肌から浮かないカラーで、引き算メイクをするとバランスがいいです」1、明るいコーラルオレンジのチーク。「すっごくかわいい色なのでみんなに使ってほしい!」。M・A・C ミネラライズ ブラッシュ ライク ミー, ラブ ミー2、透き通ったパステル発色のチーク。「肌に透明感が出ます」。PERIPERA ピュア ブラッシュド サンシャイン チーク 123、捨て色なし!マットなシェードのウォームカラー。「私が一番使っているアイパレットです」。ロムアンド ベターザンパレット 054、存在感抜群の大粒ホログラムグリッター。3CE EYE SWITCH #STUCK5、「潤いがあって唇がぷっくりするリップ。私の中では原宿っぽい感じ(笑)」。WAKEMAKE ウォーターブラーリングフィクシングティント 上・13、下・16(すべて本人私物)EYE:3の上段左の2色を混ぜて、アイホールに。上段の右から2番目で目尻にラインを入れる。4のラメを綿棒にとり、まぶたの中央から目尻の外に向かって転がしながら密着させる。CHEEK:ブラシで頬に広めに2をのせ、上から1をポンポンとのせる。LIP:5を16、13の順に重ねる。セナ韓国出身。毛穴レス、曇りナシ…肌ノイズゼロの奇跡の白雪肌の持ち主。“セナっ子”と呼ばれるファンからは、“セナ姫”の愛称でおなじみのセナちゃんは、ただいま日本語の勉強中!自身のYouTubeチャンネル「Senaz Channel」では、韓国の最新メイクやおすすめコスメを紹介。Instagramは@sena_ssennaシャツ¥6,930スカート¥7,590(共にエモダ/エモダ ルミネエスト新宿店 TEL:03・3355・1560)ピアス¥3,080(アトモス ピンク/アトモス ピンク フラッグシップ 原宿 TEL:03・6419・7170)ソックスはスタイリスト私物※『anan』2023年3月1日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・高垣鮎美(LOVABLE)取材、文・岡井美絹子(by anan編集部)
2023年02月27日韓国エンタメブームが続く昨今。K‐POPや韓国ドラマをきっかけに、韓国語にも興味を持ち始めたけど、なんだか難しそう……。そんな方も多いのでは?そこで、韓国語をマスターした韓国語賢者・藤井美菜さんに、独自に編み出した勉強法や役立つアイテムを聞きました。語学は地味だからこそエンジョイすることが大切。日韓の芸能界を行き来しながら活躍する藤井さん。韓国語を始めたきっかけは、大学の第二外国語。「高校時代に、家族で“冬ソナ”にハマりました。大学で第二外国語を選ぶ時、韓国ドラマも楽しく見ているし、日本語と文法も似ているのでエンジョイして学べるのではないかと思い、韓国語を選択しました。大学では2年間、読み書き中心にみっちり学習。その後、“せっかくここまで覚えたのに、やめてしまうのはもったいない”と思い、語学スクールで会話を中心に学ぶことにしました」スクールでは、日本語禁止。話したいことが先生に上手く伝わらず悔しい思いもしたのだそう。「そんな時には、家に帰ってから先生との会話を思い出して、会話が進まなかったのはなぜなのかを考え、原因となった単語やフレーズを覚えるようにしました。それを次のレッスンで話してみると、ちゃんと伝わるようになっている。話せなかった挫折と伝わる喜びを交互に感じながら、ステップアップしていった感じです」俳優ならではのこんな勉強法も。「一人で勉強しているとイントネーションや発音の正解にたどり着かないので、ドラマや映画を観てセリフを真似したりしていました。日本人が発音しづらい音は、特に舌の動きを意識して何度も繰り返し練習していましたね。私が尊敬するソン・イェジンさんが主演する映画『私の頭の中の消しゴム』は、5~6回観たんじゃないかな」契機になったのは2011年。ドラマ『恋するメゾン。~Rainbow Rose~』のオーディションで、“韓国語が話せる日本人”役を勝ち取った。「趣味の一つだった韓国語が仕事に繋がるなんて夢にも思っていませんでした。頑張っているといいことがあるんですね。『恋する~』の撮影の時に2か月、’19年には『ドクター探偵』の撮影で1年、実際に韓国に住んだりもしました。撮影現場では監督をはじめ、スタッフの方々とのやり取りは全て自分で。けど、初めは通じないことも多くて、“生の韓国語”に触れる大切さを改めて感じました。韓国は台本が直前に変わることもしょっちゅう。事前に台本を読み込み、発音も完ぺきに仕上げていったのに、現場に着いたら新しい台本を渡されて泣いたこともありました。でも、そこで逃げても仕方がない。むしろその環境に身を置けたことで精神的にも鍛えられたので、感謝しています」韓国語をマスターした先輩として、読者に伝えたいことは?「たとえお仕事に繋がらなくても、世界が広がる、というか。韓国語を通して、韓国の方と深く繋がれるようになったのはよかったと思いますね。語学の勉強は地味だからこそ面白さを見つけることが大切。自分が楽しめる方法を探して、エンジョイし続けてほしいです」MY TOOL 1単語はとにかく書いて覚える!撮影前は関連用語を予習。MY TOOL 2わからない単語はスマホにメモ。“自分だけの辞書”を作って復習を。MY TOOL 3台本は努力と思い出の結晶。ページを切って折るのが韓国流。藤井さんのとっておき学習法文法と単語はコツコツ学習。自分に合った継続できる学習法を見つけて。語学の勉強を進めていくと、文法に向き合わなければいけない瞬間というのが誰にでも来ると思うんです。私も学び初めのうちは、大学の教科書を読み込んで、できるだけたくさんの文法と単語を頭に叩き込むようにしていました。特に私は、単語はひたすら手で書いて覚えたいし、文法も分析して理解したいタイプなので、とにかくコツコツ積み重ねていきました。『NHKラジオ まいにちハングル講座』のテキストも愛用していました。スピーキング力UPには“妄想会話”が効果的!脳内で好きに想像して!意外と効果があったのが“妄想会話”。「突然韓国の方に道を聞かれた」のような、よくあるシチュエーションを設定して、声に出して“一人会話”をするんです。会話に詰まったら、単語や表現を調べてやり直し。妄想なので、相手は誰でもいいんです。なんなら、BTSでも少女時代でもいい(笑)。語学って“間違えたら恥ずかしい”という気持ちが大きな壁になると思うのですが、妄想だとその壁を取っ払えるのでオススメです。K‐POPで“耳”を鍛えるなら、まずはダンスミュージックを聴くのがおすすめ。バラードは歌詞が説明っぽかったりして文法的なハードルが高いと思ったので、一つ一つのフレーズが短くて頭に入ってきやすいダンスミュージックで、まずは聞く耳を鍛えました。“狂っちゃう”とか、普段使うかな?と思う単語も出てきますけど(笑)。ファッションに興味があるので、最近は韓国のファッション系インフルエンサーさんのYouTubeを“ながら見”したり、お風呂中のBGMにしたりして、楽しみながら学んでいます。ふじい・みな1988年7月15日生まれ。小学生の頃に芸能活動を開始し、俳優として活動。2012年、日韓合作ドラマ『恋するメゾン。~Rainbow Rose~』の出演を機に、韓国にも活躍の場を広げる。韓国での出演作にバラエティ『私たち結婚しました 世界版』、ドラマ『ドクター探偵』など。シャツ¥35,200(ホウガ)ビスチェ¥42,900(ラロcontact@laloh.jp)パンツ¥55,000ネックレス¥64,900バングル¥53,800(以上アニムス/シーイングseeingstaff@gmail.com)イヤリングはスタイリスト私物※『anan』2023年2月22日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・西村茜音ヘア&メイク・浜田あゆみ取材、文・酒井美絵子(by anan編集部)
2023年02月16日映画監督の是枝裕和さんが、世界同時配信の連続ドラマに初挑戦!作品への想いや日本映像界の“NEXT”たちを取り巻く業界の今について伺いました。世界で愛される是枝裕和監督。新作のNetflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』は、映画ではなく全9話からなる連続ドラマ。「連ドラを見て育ってきたので、常にやりたいと思っていて、自分の中でのプライオリティは映画よりも高いくらいなんです(笑)。でも、連ドラを作るハードルは高いんですよ。今は、立て続けに事件が起こるものが日本の連ドラの主流なので、僕の作るドラマは視聴率が取れないんです(笑)。でも、最近の韓国ドラマにはゆったりとした作風も出てきて“こういうドラマだったら、僕にもできるんだけどな”と思っていたところに声を掛けてもらい、久しぶりに連ドラを作ることができました」本作は祇園で舞妓になることを夢見るキヨとすみれを主軸に描かれる。中学を卒業したばかりで故郷の青森を離れ、それぞれが生きる道を選び、進む姿は眩しく、いつまでも見守っていたくなる。「世界観がしっかりあって、魅力的な人物がいれば、大した事件が起きなくても、その人たちを見ていたいという気持ちになれる。それが、僕が思う連ドラの一番の魅力。『舞妓さん~』では、その魅力を見せられたと思います」京都、着物、料理と、外国人が真っ先にイメージする日本的な題材を選んだのは、世界市場を見据えたからなのだろうか。「企画を渡された段階では、日本のエキゾティシズムを売りにした作品になるなら作る意味がないと思いました。でも、実際に花街を取材すると、女性たちが支え、動かしている小さな共同体が300年前から変わらない形で息づいていたことに衝撃を受けたんです。グローバル時代にあって、祇園のあの一角だけは、半径数百メートルという狭い中で、全員の顔が見える形でつながっている。そして、季節ごとに食べるものや着るもの、行く場所も細かく決まっていて、そのリズムに則って人が生きている。そのことに豊かさを感じて、ちゃんと撮ってみたいなと。また、自分が見て育ってきた『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『前略おふくろ様』といった作品も、職人の世界を舞台に、血縁を超えた共同体を描いています。そうした作品へのラブレターにもなるんじゃないかと思い、お受けしました」本作は、是枝監督がNetflixと初めてタッグを組んだことも話題だが、制作についてはこれまで通りだったと振り返る。「『世界190以上の国で同時配信の作品ということで、何か変わるのか』という質問をよく受けるんですけど、自慢でも何でもなく僕の映画も190から200くらいの国や地域で公開されているんです。だから何も変わりませんでした。海外を視野に入れてわかりやすくとか、日本人にしか伝わらないだろうからやめておこうということは、この作品でも一切やっていません」“NEXT”たちとの共同作業で刺激をもらう。本作での是枝監督の立ち位置は、自ら監督・脚本を務めながら、若手監督3人と共同作業で作り上げていくショーランナー。3人を選ぶにあたり、ワークショップを行ったそう。「役者のオーディションを兼ねて、6人に演出してもらい、それを僕が見て選びました。相当やりにくかったと思いますよ(笑)」そうして選んだ3人の魅力は?「津野愛さんと一緒に作るのは、僕が監修した『十年 Ten Years Japan』から数えて3回目です。最初から、役者に対する演出が非常に丁寧かつ繊細なのは知っていましたが、今回も俳優とちゃんと関係を作れる人だなと。日常の中に生まれる笑いを掬い上げるセンスもあるし、幅の広い演出家です。佐藤(快磨)くんは、喋ると何を言ってるのかわからないんです(笑)。でも、企画書や撮るものは抜群に面白い。8話と続く最終回という責任重大な回を任せたんですが、8話の遊びを取り入れた演出は佐藤くんの持ち味が活きていましたし、9話でドラマ全体をしっかり締める。見事でした。奥山(大史)は、僕が早稲田でやっている映像制作実習にモグリで来てた頃からの付き合い。僕がやった米津玄師さんのMVにもカメラマンとして参加してくれたんですけど、若いのに機材の知識が非常に豊富。映像的なこだわりも一番強かったですね。OPタイトルの演出を任せたんですけど、時間がかかって大変でした(笑)。でも、僕が作るよりもずっとセンス溢れるものが完成しました」若手監督に対する信頼と愛情溢れる言葉からは、次なる世代を育成しようという想いが窺える。「才能ある人は勝手に育っていきますし、僕が育てるだなんておこがましいです。ただ、共同作業をするのは、そういう気持ちが半分はあります。もう半分は、若い優れた作り手との共同作業が自分にとってプラスになるから。毎回、いい刺激がもらえるんですよね」是枝監督から見て、日本の映像界では新しい才能がどんどん芽吹いているのだ。「ただ、彼ら彼女らの才能に見合った制作ができているかといえば、そうではないような気がします。まず、資金が全然足りません。日本は、国内マーケットがそこそこ充実しているので、海外に行かなくてもいいよねという発想でこの30年きてしまいました。国内マーケットでの興行収入は上限が見え、そこから逆算して制作費が決められます。もう少し海外を視野にしたマーケット戦略ができると、単純に予算が増えるんですけどね。それと人材不足はどの組も危機感を持っています。僕らの世代は、賃金が低くても、寝られずとも、好きだから我慢する時代でした。でも、今はもうそういった価値観は通用しません。新しい世代が働きたいと思える魅力的な世界に変わることができたなら、日本の映像界は再生すると信じています。才能ある人はたくさんいますから」Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』舞妓になりたくて、青森から京都にやってきたキヨ(森七菜)とすみれ(出口夏希)。二人と舞妓たちとの温かな交流を、季節の移ろいとともに描く。フードスタイリストの飯島奈美によるおいしそうなまかない料理も魅力。’23 年1月12日よりNetflixにて全世界配信。©小山愛子・小学館/STORY inc.これえだ・ひろかず1962年6月6日生まれ、東京都出身。2018年、『万引き家族』で第71回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。2022年、初となる韓国映画『ベイビー・ブローカー』が公開された。シャツブルゾン¥37,400(WEWILL/WEWILL Co.,Ltd TEL:03・6264・4445)シャツ¥30,800(YANTORinfo@yantor.jp)※『anan』2022年12月28日‐2023年1月4日合併号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・DAN(kelemmi)ヘア&メイク・中山芽美(e‐mu)取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年01月01日’16年に開催された「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞し、芸能界デビュー。シンデレラの名にふさわしい透明感あふれる清楚なルックスとは裏腹に、内面はすがすがしいほどストイックで男前。そんなギャップがますます人を惹きつける、俳優・福本莉子さんの仕事への想いや素顔に迫ります。自分がどこまでできるか知りたい。刺激を求めているのかも(笑)。――最新作『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』では、劇場版のオリジナルキャラクターで謎の力を持つ女王・トワの声優を務められています。芸能界に入ったばかりの頃に声優のお仕事をやらせていただいたことはあるんですけど、また機会をいただけるなんて思ってもみませんでしたし、すごく有名な作品だったので、「私でいいの?」という驚きが強かったです。――アフレコはいかがでしたか?アニメ特有のセリフにならないリアクションの音みたいな部分を家で練習してから臨んだので、テストで1回やってみたら、監督に「意外とうまいね!」と言っていただけて、心底“練習してきてよかったー!”と思いました(笑)。――以前のインタビューで、不安要素はなるべく潰してから現場に入りたいとおっしゃっていたのが印象的だったのですが、やはり事前準備は念入りにされるんですね。そうです。すぐ不安になっちゃうんですよね(笑)。現場に行って慌てるのはイヤですし、用意しておくのに越したことはないなって。だから今回も練習用の動画をいただいたので、それに合わせて自分のセリフのタイミングとかを家で練習していました。タイミングばかりに気を取られて、お芝居が疎かになってしまうのはイヤだなと思って…。動画と台本を照らし合わせながら、台本に自分の出番の秒数を書き込んだり、できることは準備してから行きました。――福本さんは、沢口靖子さんや長澤まさみさんを輩出した「東宝シンデレラ」オーディションのご出身ですよね。昔から芸能界に興味があったんでしょうか?興味はありました。テレビっ子だったので、毎日のようにドラマを見ては、芸能界への憧れを漠然と抱いていたような気がします。“絶対に芸能界に入ってやる!”みたいなビジョンは全然なかったんですけど、友達に「こういうオーディションあるから受けてみたら?」って言われたことがきっかけで、今に至りますね。――実際に行動に移されたのはそれが初めてだったんですか?実はその前に、雑誌『Seventeen』のモデルオーディションに書類だけ送ったことがあるんです。大阪に住んでいたんですけど二次審査が東京で、親に言うのもなぁ…と思って、それはそこで諦めちゃったんですよね。でも、そのあとに受けた「東宝シンデレラ」オーディションの合宿審査も東京で、参加のためには親の同意が必要だったんです。ちょうどその時、自分を変えたいと思っていたタイミングだったので、そこで初めて親に話をしました。――ご両親はなんて?最初は不安そうでしたけど、驚きはしなかったと思います。小さい頃はすごく目立ちたがり屋で、幼稚園の時にやった『みにくいアヒルの子』の劇も、自ら主役に挙手したくらいなので…(笑)。――デビュー後、しばらくは大阪からオーディションの度に東京に来る生活を続けていたそうですね。毎回オーディションに落ちては、凹んで大阪に帰る暮らしが続いていました。お芝居は未経験だったので、いろんな監督さんが講師として来てくださる事務所のワークショップで発声練習やお芝居の基礎を一から厳しく教えていただいて。でもお芝居のやり方には正解がないので、その中で自分に合うやり方を模索していく日々でした。お芝居って、立つ、動く、そんな行動一つにも意味が出ちゃうじゃないですか。だから最初はもうとにかくガチガチで、セリフを言うのが精一杯な状態で。オーディションには落ちるし、普通に遊んでいる周りの友達を見て、羨ましく感じたりもしてました。――それでも諦めず、続けようと思えた理由は何だったんですか?大変だと思いつつも、初めてやることだらけだったので、そこに挑んでいくのが純粋に楽しかったんですよね。あとは、できない悔しさがバネになっていたのかもしれません。負けず嫌いな性格なので、“もっと頑張ってやろう”っていう気にもなったりして。――そんな中で、初めて手応えを感じられた作品は?ミュージカル『魔女の宅急便』ですね。ドラマや映画に出させてもらい始めたばかりの頃だったので、まだお芝居に苦手意識がありましたし、初主演、初舞台、初ミュージカルという大役を任せてもらったのも初めての経験で。でも、舞台は生の掛け合いなので、自分の言い方が変われば相手の言い方も変わったり、ストーリーは同じでも劇場のお客さんが変わるだけで空気感も変わったり、毎回いろんなことに気づいて、どんどん視野が広がっていくような感覚がありました。ここはもう少し動けるなとか、何回もやるからこそ、いろいろな可能性も見えてきて。そこで初めて、お芝居っておもしろいなって思えたんです。それはすごく大きな出来事でした。――他にも原作のある作品に多数出演されていますが、オリジナルと比べて難しさは感じますか?原作ファンの方がいらっしゃるのでプレッシャーは大きいですけど、私は原作があるもののほうがやりやすいなと思います。オリジナルと違って、キャラクターの情報量も多いですし。とくに私は事前に準備をしていくタイプなので、原作を読み倒したり、その中から周りがどういう人物なのかを考えたりする作業も好きなんですよね。――今、演じる上で一番大事にしていることはなんですか?“事前に準備はしても、決めすぎない”ということです。家でセリフの練習をする時も、あえて感情は入れません。会話は相手の反応を見ながらするものだと思うので、独りよがりにならないように、現場に入ったらちゃんと相手を見るということは大事にしたいなと思っています。――直近でやってみたい役や、今後の目標はありますか?最近は悲しいお話が多いので、楽しいお話もやってみたいですね。大阪出身なので関西弁を使う役とか。でも、“この役、福本莉子がやったらどんな感じになるんだろう”という好奇心を少しでも持っていただけるなら、どんな役でもやりたいです。挑戦は常にし続けていきたいと思っているので。――挑戦をし続けていきたいという、その原動力は?自分がどこまでできるか知りたいんですよね。刺激を求めているのかもしれません(笑)。かつて自分の命を救ってくれた女王・トワ(福本)と、そのラージャ小亜国の危機を救うため、ヒイロ(内田)はリムル(岡咲)に助けを求め、共にラージャへ向かうが、そこには驚くべき陰謀が待ち受けていた…!声の出演/岡咲美保、内田雄馬、福本莉子、古川慎ほか。『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』は11月25日(金)全国公開。ふくもと・りこ2000年11月25日生まれ、大阪府出身。’16年の第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞し、芸能界入り。今年は『君が落とした青空』や『今夜、世界からこの恋が消えても』など、主演映画が続々と公開。今月頭に大千穐楽を迎えた出演舞台『アルキメデスの大戦』は8K映像上映&8Kオペラグラス配信が決定。カーディガン¥163,900ワンピース¥85,800中に着たシャツ¥20,900(以上POLO RALPH LAUREN/RALPH LAUREN TEL:0120・3274・20)イヤーカフ¥121,000左手リング(ダイヤモンド付き)¥96,800(共にAHKAH/AHKAH 表参道ヒルズ店 TEL:03・5785・0790)右手リング¥30,800(BONEE/EDSTROM OFFICE TEL:03・6427・5901)※『anan』2022年11月23日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・武久真理江ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER)インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2022年11月18日ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』の主題歌「Presence」を手がけたことで、改めてその音楽的センスと才能に多方面から注目が集まったトラックメイカーでMPCプレイヤーのSTUTS。自身の制作はもとより、他アーティストへの楽曲提供なども精力的に行ってきた彼が、4年ぶりとなるフルアルバム『Orbit』をリリースする。「自分は自分でしかいられない」。その思いを18人の豪華客演陣と表現。「前作を作り終えた頃から、次のフルアルバムをどうしようかとずっと考えていたんです。そのテーマが、『Contrast』(’20年発売のミニアルバム)を作っている最中に、ふわっと思い浮かんで。そこから『Orbit』というタイトルを思いついて、あとは一気にアルバムの組み立てができたという感じです」今作を貫くテーマとなっているのが、“結局、自分は自分でしかいられない”ということ。「『Orbit』というタイトルは、なんとなく同じところをぐるぐる回っていて、その間、光が当たっている時もあれば、闇に呑まれる時もある。その繰り返しで、変わっているようで自分の芯は変わらない、というより変わりようがないんだっていう考えから思いつきました。フルアルバムは、その時どきに感じたことがパッキングされたようなもの。スパンの長い日記みたいな感じです」そのテーマのもとに18人の豪華客演陣がリリックを手がけ、ビートに乗せる。今作には、5lackやJJJ、BIMなど、STUTS作品おなじみの顔ぶれから、初コラボのアーティストもいる。「お声がけするのは、自分がすごく好きなアーティストさんです。あとはトラックを作った時に『これにはあの人の声が合うな』みたいなところも考えます。例えば今回初めてコラボしたAwichさんの『タイミングでしょ』は、2年くらい前にAwichさんが自分のスタジオに来てくれた時に原型ができた曲です。それが今回のアルバムにぴったりだと思ったので、ギターやトランペットを足したり、トラックをブラッシュアップしたりして収録しました」また、注目はDaichi Yamamoto、Campanella、Ryugo Ishida、北里彰久、SANTAWORLDVIEW、NENE、仙人掌、鎮座DOPENESSの総勢8人による「Expressions」。「このトラックができた時に、マイクリレーができたら絶対に楽しいだろうなと思ったんです。それで誰にお願いしようかと考えた時に、曲のタイトルが『Expressions』なので、表現することとか、表現せずにいられない、というテーマに合致する方がいいなと。全員ラッパーさんでいくのもありだったんですけど、途中でメロディが入ったら面白いかも、みたいなことを考えて、北里彰久さんにもお声がけさせてもらいました」実は、プレイヤーとしての初期衝動はトラックメイカーではなくラッパーだったというSTUTSだが、『Contrast』からラップとボーカルに取り組み、今作でも2曲でその歌声を聴くことができる。「『Driftin’』は、遊びで作ったトラックにこういうボーカルが乗るといいかも、と自分でふにゃふにゃ歌っているうちにできた曲です。歌詞は、16曲目でもご一緒したKMCさんと一緒に作りました。17曲目のアウトロまでいろいろやりきった感があるので、最後の『Driftin’』はボーナストラック的に聴いてもらえたらと思っています」今作では、初めて全曲のミックスを自身で行ったという。「アルバムのテーマ的にも、自分で完結したいという思いがあったんです。自分としては、曲間や流れも含めていろいろ考えて作ったので、最初から最後の曲まで通して楽しんでもらえたら嬉しいです」3rdフルアルバム『Orbit』は10月12日発売。初回限定盤のBlu‐rayには、昨年、新木場「STUDIOCOAST」で行われたワンマンライブの模様が収録されている。【初回限定盤(CD+Blu‐ray)】¥5,170【通常盤(CD)】¥2,970(Newhere Music)スタッツ1989年生まれ、愛知県出身。2016年に1stアルバム『Pushin’』、’18年に2nd『Eutopia』をリリース。近年はバンドセットでのライブも盛況で、昨年はフジロック、今年はサマソニへの出演を果たす。※『anan』2022年10月12日号より。写真・Nae.Jay取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2022年10月11日映画『もっと超越した所へ。』の公開を記念して、本音が炸裂(!?)するのご自愛トークをお届け。前田敦子さん×根本宗子さんの対談からは、30代に突入してからの変化をお話しいただきました。前田敦子×根本宗子映画『もっと超越した所へ。』で主演を務める前田敦子さん。その原作を書いた根本宗子さん。30代前半のお二人が、年齢によって変わってきたご自愛法や、いま心地のいい時間の過ごし方について語り合いました。――お二人はもともと互いのファンだったとか。根本宗子:AKB48が出した『ロマンス、イラネ』(’08年)をきっかけに、初めて劇場に観に行き、気づいたら目で追っていたのが前田さんでした。前田敦子:私が初めて観た根本さんの舞台は、スズナリでやっていた『忍者、女子高生(仮)』(’16年)。「舞台からはパワーをもらえる」とは聞いてましたけど、根本さんのパワフルな舞台を観て納得。根本さんの作品も含めて舞台を観ていると「生きてる~!!」って感じられて、前に進む力をもらえます。――映画『もっと超越した所へ。』のキャラクターで、ご自身と共通点があるのは?前田:ゲイの男の子と同居している鈴ですね。20代の頃、毎日のようにカラオケに行ってた大親友がゲイで、「この人さえいればいい」と思えるくらいわかり合えて、その人とだったら一緒に住めましたね。その親友は亡くなってしまったのですが。根本:私は創作活動をしているという点で、衣装家の真知子です。真知子は舞台版では自分のために書いた役ですが、自分は誰かに台詞を書くのが楽しいので正直自分のために書く台詞は気合入りづらくて(笑)。前田:退屈しちゃう?根本:言うの自分だからまあいいやって思って書いちゃう癖があったので、映画版で前田さんに向けて台詞を書き直せて、お芝居を観て、台詞を深く考えることができて感謝してます。前田:人のためだったら頑張れるところはありますよね。根本:喜んでほしい一心で頑張れますね。洗濯でも、人の服は丁寧に洗うけど、自分のは何でも乾燥機にかけちゃう(笑)。前田:私も自分のことはどうでもよくなっちゃう。なのに完璧主義でもあって、できない自分が悔しくて…。そんな私を知る人からは「もう少し自分に優しくしたら」ってよく言われます。根本:自分に完璧を求めた結果、できずに最後ぎゃー!って…。前田:そうなんです!根本:でも、私は作家の朝井リョウさんと、アイドル時代の前田さんがクタクタなのに「フライングゲット」のイントロとともに完璧に登場する動画を送り合って救われていましたよ。「我々は、前田さんに比べれば頑張ってないです」って(笑)。前田:お役に立てて嬉しい!――自分に厳しいお二人。どんな方法で甘やかしていますか?根本:仕事を忘れるために、パンダとかお寿司とか好きなものをひたすら部屋着に刺繍します。前田:かわいい!私は趣里と眠くなるまで喋りまくります。「ツラい~、ムリ~、どうしたらいいの!?」って(笑)。根本:私も趣里ちゃんとは愚痴を言い合える仲。でも「どうしたら?」は、考えてない(笑)。前田:そう!別に解決しようとはしてない(笑)。根本:お互いにすごく仕事を頑張っていることを知っているから、愚痴を言い合うことがお互いのご自愛になってますよね。前田:でも、仕事だと言葉にするのが苦手…。言わないほうが物事はスムーズに進むし、自分のことでみんなの時間を取るのが申し訳なくて。根本:演出していて、前田さんのように若い頃に忙しくしていた方は言葉にするのが苦手と感じることがあります。「とりあえず、やってみます!」という言葉を呑み込む力がありすぎて言葉を交わしながら一緒に作る思考になりづらいのかなと。前田:本当にそうで、言葉にすれば、一緒に考えてくれる人が見つかるんだって、演出家の長塚(圭史)さんに気づかせてもらいました。何でも話すことはすごく大事。話すことで救われることもありますから。――頑張った自分へのご褒美に高価なモノを買うことは?根本:初めて小説を出した時は記念にカバンを買いました。でも、全然丁寧じゃないから形が崩れてしまい、だったら何でもいいかって思うような性格です。前田:私も、物欲はないかな。今は、子供との時間に費やすほうが、有意義なお金の使い方に感じます。この前、都内の温泉付きのホテルに1泊したら、子供がすごく楽しんでくれて!根本:家があるのに、都内のホテルに泊まるなんて、20代では考えられなかったですよね!前田:そうなんですよ。せっかく旅行をするなら遠出したいタイプだったんですけど、翌日私は仕事、子供は幼稚園という日常の中の1日だけ、都内のホテルで過ごしてみて、なんて贅沢なんだ!って思いました。根本:私も、ぼ~っとしに都内のホテルに泊まることがあります。書くにしても、ルノアールじゃなくホテルに行く私、大人になったなって(笑)。思えば、暴飲暴食で欲望を満たすこともなくなりました。20代の頃、よくしませんでした?前田:週1回はしてました。でも、思い切り食べて満たされるのはその場限り。太ったり嫌な思い出としか残らないから、ちゃんとは癒されてなかった。――年齢を重ねながら、ご自愛方法も変わっていくんですね。前田:今、変えようと試行錯誤の真っ只中かな。10代、20代、独立してからもがむしゃらにやってきて、もう少し人間らしい、丁寧な生活をしてみたくて。そう思えたのは、子供のひと言がきっかけで、カーペットの上に寝ころんで動画を見ていたら、「ママとゴロゴロ、楽しいな」って言うんです。何もしない一日があってもいいんじゃないかって、思えるようになりました。根本:前田さんの猛烈な駆け抜け方とは違いますが、すごくわかります。私も20代は戯曲を書いて、稽古場に行って本番の繰り返し。楽しかったけど「自分の人生はさておき、演劇」で、これを続けるとこの先どこかで、何も楽しくなくなって、書けなくなるんじゃないかと。前田:30代になると、仕事と自分の生活という、人生の大きなテーマにぶつかりますよね。根本:そこで“さらに働く”道を選べる人もいますよね。前田:それもカッコいい!根本:でも、私はそっちじゃないなっていう(笑)。根本的には寝てたいんです。きっと20代までの私たちは仕事で得られる快感が、何もせずゴロゴロする幸せに勝っていて、ギャンブルのように、あの快感を求め、確変に入るためにどんどん…。前田:魂をツッコんでました。根本:それはいったんやめようというのが今。お仕事を楽しく続けていくためにも、生活を楽しくさせるご自愛が必要ですね。まえだ・あつこ(写真右)1991年7月10日生まれ、千葉県出身。主演映画『もっと超越した所へ。』は、10月14日、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開される。来年公開予定の待機作に『そして僕は途方に暮れる』など。ドレス¥50,600(ヴェルニカ TEL:03・6323・9908)ブーツ¥212,300(ジミー チュウ TEL:0120・013・700)その他はスタイリスト私物ねもと・しゅうこ(写真左)1989年10月16日生まれ、東京都出身。月刊「根本宗子」主宰。今年、小説『今、出来る、精一杯。』(小学館)に続き、書き下ろし小説版『もっと超越した所へ。』(徳間文庫)も発表。※『anan』2022年10月12日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・有本祐輔(7回の裏/前田さん)田中大資(根本さん)ヘア&メイク・高橋里帆(HappyStar/前田さん)小夏(根本さん)取材、文・小泉咲子衣装協力・tanakadaisuke(根本さん)(by anan編集部)
2022年10月10日無駄話やリスナーの本音エピソードから、おのずと名言が生まれるポッドキャスト番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」。今回は“ご自愛”をテーマに選んだ、自分に、そして誰かにかけてあげたくなる言葉をご紹介。楽しみながら、いたわり合う関係。ジェーン・スー:堀井さんが、番組で「ご自愛ください」と言い始めたよね。堀井美香:そうだっけ?全然覚えていない。さっきアナウンサーの出水麻衣ちゃんに会った時に「いつも聴いてます!」って言われて。スー:なんで聴いてるのよ!(笑)堀井:先週くらいに配信した回の話をしてくれたけど、私がどんな話か覚えてなくて(笑)。スー:…という、いい加減なおばさんが生きていてもいいということが、皆さんの励みになるなら、私たち生きててよかったね。『OVER THE SUN』は、リスナーさんたちのメールが本当におもしろい。リスナーさんのアイデアをきっかけに、互助会(リスナーたちの総称)のみんなでヒヤシンスを育てたのも楽しかったね。「#ヒヤスンス」でSNSに投稿してそれぞれの状況を伝えて。堀井:若い男の子からも「ヒヤシンス育ててます!」って言われたりして(笑)。楽しかったな。スー:リスナーさんから「咲きませんでした」って報告が届いたら、「それもあなたの物語」って堀井さんの名言も出た(笑)。こんなふうに、相性がいい人とベラベラと話していたら、こんなにもたくさんの方が聴いてくれるなんて、ありがたいよね。こんな仕事ある!?私たち、今まで頑張って働いてきてよかったよね。堀井:本当だね。「ご自愛ください」って、人にも自分にもかけられる良い言葉。スー:ね。あなたを気にかけていますよ、ってことだからね。堀井:昔は定型文として使っていたけど、年とともに魂がこもってきましたね(笑)。スー:そうね。“THIS IS 加齢”ですよ。今は「頑張れ!」って言葉を人にかけづらい世の中だけど、堀井さんは、私に「頑張れ!」って言える人。それは信頼関係がないとできないことだと思うから、ありがたいです。だからこれからも、お互いに励ましつつ「ご自愛ください」ってねぎらいながらやっていこう…よし、まとまった(笑)。『OVER THE SUN』ご自愛名言集駄々くらいこねさせてよ!アラフィフになり、物分かりの良い大人の顔でやり過ごす日々の中で、スーさんの「なんか駄々こねたくない?」というひと言をきっかけに生まれた大人の本音。時には赤子のように泣き出したい、床に大の字になって駄々をこねたい!そんな願いを表すひと言。(Ep.54より)Byジェーン・スー普段、円滑に進むよう物事を処理したり、トラブルを回避するようなことばかりやってきてるからね。全てに嫌だって言いたくなる時もある。赤ちゃんのように「い~や~だぁ~!」ってひたすら駄々こねたいよね?文句とは違う、パッションのある駄々です。いつかみんなで思いっきり駄々をこねる「駄々ジム」作りたいな~!By堀井美香スーちゃんが駄々こねるところ見たことないね。自分の中で「なんで?」って思っても「分かりました」って言ってきたけど、そこで「え、嫌なんですけど」って言ってみる(笑)。人に迷惑をかけずに思いっきり駄々こねたいね。みんながみんな、自分ファーストでいる。誰かが“ダダ穴”を開けさえすれば、みんな駄々こねやすくなるかも。沖に出る堀井さんがTBSを退社し、フリーランスとして踏み出す一歩を「沖に出てみよう」と表現。当時、堀井さんが夫から何気なく手渡された一冊、『老人と海』(アーネスト・ヘミングウェイ著)の話から生まれた門出の言葉。(Ep.74より)Byジェーン・スーリスナーさんが冒険することとか、前に踏み出すことを「沖に出る」と言ってくださるようになって。そのあとに続く「骨だけ持って帰ってくればよい」もセットで覚えてくれているのも嬉しい。By堀井美香よく「美香さんのことを思って旦那さんが本を選んでくれたんですね」って言われますが、本当に偶然(笑)。でも結果的によかったです。沖に出ることは成功するかどうかとは関係ないんです。よくぞ金曜日まで辿り着きました。おつかれさん毎週、金曜日の夕方5時に配信される番組のオープニングを飾るとっておきの言葉。スーさんの「本当におつかれさん」に抱きしめてもらうために、番組を聴く人も多いのでは。(Ep.3より)Byジェーン・スーツイッタラーの@showgunnさんが、「俺もみんなもよく金曜日までたどり着いた」とハードボイルド風につぶやいていたのがおもしろくてパクったら、定番に。本人に認めてもらえたので使っています。By堀井美香スーちゃんは借りた言葉だと言っていますが、毎回欠かさず、時には言い直して伝えることもあるので、大事にしている言葉なんだと思います。言葉をちゃんと育てているんですね。“無の時間”が必要「隙間時間」や「ながら時間」の時間活用が定番になったり、なにかと予定を詰め込みがちになる今。ただ何もしないことがリフレッシュの時間になるのって良いことでは?という思いを表現。(Ep.16より)Byジェーン・スー先週の日曜日、ソファとベッドの往復しかしなかったよ。多分1日の歩数は100歩くらいかな。温泉に行くとかリラックスの方法は人によっていろいろあるけど、私は週に1日、何にもしない日がないとダメ。なるべく誰とも会わない。効率とは無縁の、世の中的には無駄に仕分けされがちな時間かもしれないけど、無の時間が必要なんです。By堀井美香浅草の芸者さんに着付けを習っているのですが、行くとまず1時間お婆ちゃん先生のお話を聞いて、着付けを1時間くらい、その後また2時間くらい話を聞いて…最初はもっと効率的にできないかなと思っていたんです。でも時間を経てみると、着付けを体で覚えていて。あの時間が、自分自身の経験として返ってきているのを感じるんです。高すぎる眉山などない!とある女性編集者の不自然な“泣き眉”が気になったスーさん。聞くと過去に「眉毛がキツいと就活に不利」と言われていたことが発覚。「がんがん眉山描いて!」と怒りに燃えたひと言。(Ep.80より)Byジェーン・スー人に言われた言葉を大人になっても引きずることで、自分の可能性が狭められてしまう。だから囚われないでいてほしいって伝えたんです。「眉山の高さを人に決めさせなくていい!」って。By堀井美香彼女は番組のリスナーでもあって。就活のアドバイスって間違っていること多いし、若い頃に言われたことってずっと忘れないからね。でも放送後に再会できた時、眉山がちゃんとあって安心しました。負けへんで番組スタートと同時期に誕生し、今や『OVER THE SUN』の合言葉。リスナーさんから募ったさまざまな離婚のエピソードがもたらした連帯が発生源に。頑張るより踏ん張る。悲しくても寂しくてもいいじゃない。そのままのあなたで「負けへんで」。(Ep.1より)Byジェーン・スーただ負けないぞというのではなく「勝ちにはいかないけど、負けへんで」ということが重要です。自分から人を掻き分けて、誰かを蹴落としたり、ものすごい努力をして勝ちにいくことが目的ではないし、勝とうとする気もない。でも、だからといって負けたわけではないぞ!っていう我々の意地であり、尊厳「Dignity」なのです。By堀井美香「負けへんで」とは言っているけれど、勝たなくていいよってところがセットになっているのがポイントです。私自身、本当に苦しかった時に、この言葉に助けられたこともあります。「負けへんで」って自分で唱えながら、ああいい言葉だなって。すぐにスーちゃんに「あなた、これすっごくいい言葉だよ!」って伝えました(笑)。受け身でいる時間仕事、子育て、介護に奔走し、精神的に孤独になったリスナーさんのエピソードが発端に。常に誰かのために動くことが中心になっている方々に向けて、受け身でいる時間を作っていこうというねぎらいとエールの言葉。(Ep.38より)Byジェーン・スー本当に皆さんよく頑張っていますよ。マッサージとか人様に何かをしてもらうっていうのは、ご自愛タイム。私もリラックスしたい時は、人の手に委ねて気持ちよく過ごすようにしているから。By堀井美香家庭のことで忙しくされている方には、自分ではなく誰かに何かしてもらう、ボーッとしていても勝手に事が進んでいく時間を1週間に1回でも作ってほしいです。それだけで全然違ってくると思うので。TBSラジオ『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』ジェーン・スーと堀井美香によるコンビ“スーミカ”がパーソナリティを務めるポッドキャスト番組。リスナーと共に自由に語らうゆるやかなテンションが、老若男女問わず幅広いリスナーに支持され、番組発のオリジナルグッズも大人気。毎週金曜17時~配信中。©TBSラジオジェーン・スーさん(一枚目写真左)1973年、東京都生まれ。コラムニスト、ラジオパーソナリティ、作詞家。TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』が毎週月~木曜昼に放送中。著書に『きれいになりたい気がしてきた』(光文社)など多数ある。堀井美香さん(一枚目写真右)1972年、秋田県生まれ。アナウンサー。27年間所属したTBSを今年退社し、フリーランスに。ナレーションや朗読会など幅広く活動。イベント「yomibashovol.2 堀井美香 朗読会」が12/2ルーテル市ヶ谷ホールにて開催。※『anan』2022年10月12日号より。写真・Nae.Jay取材、文・菅原良美(akaoni)(by anan編集部)
2022年10月05日ホラー映画界を代表する、中田秀夫監督の最新作映画『“それ”がいる森』は、不可解な怪奇現象が起こるという、実在の森を舞台に描いたホラー・エンターテインメント。ホラー作品に出演するのは、今作が初めてだという松本穂香さんに、その胸の内を伺ってみた。ホラーを観るのが大好き。でも…観るのとやるのとは全然違いました。「実はホラーが大好き。普段から部屋で、一人で観ることが多くて、『その扉をなんで開けるの?』とか『まだ出ちゃダメ!』などと突っ込んだり、うるさいぐらい独り言を言ったりしながら観ています(笑)。だから、日本のホラーといえば!という中田監督にお声がけいただいた時は、本当に嬉しかった。監督が手がけられた作品の中でも『仄暗(ほのぐら)い水の底から』は、日本特有の怖さが詰まっていて、ホラーの醍醐味を堪能できる一本。中学時代に家族と観て、少し前も一人で観直したぐらい好きな作品です」今回松本さんが演じるのは、相葉雅紀さん演じる田中淳一の息子・一也(上原剣心)の担任教師・絵里。子供たちとともに、未知なる恐怖に巻き込まれていく。「好きなだけに、ホラーってこういう感じかな?というイメージはあったのですが、観るのとやるのとは、全然違いました。例えば、恐怖と驚きで目を見開くお芝居ひとつとっても、想像以上で。監督から『その2.3倍、見開いて』など、恐怖度合いを数値で細かく演出していただきました。それがとてもわかりやすかったし、もともとの自分の目の大きさを活かす時がきたな、という感じでしたね(笑)。他にも、はぁはぁという呼吸の荒さで恐怖や緊張を表現したりと、普段のお芝居にはないことばかりで、新鮮で楽しかったです。この作品は、何かわからない“それ”が迫ってくるという恐ろしさが魅力でもあります。私も“それ”に遭遇してしまうシーンがあるので、楽しみにしてください」撮影現場は、恐怖の物語とは一転、ほっこりとした、和やかなムードだったそう。「撮影の合間に、相葉さんには私のプライベートの悩みを聞いていただいたり、おすすめのお酒などを教えていただいたりで、お芝居の話は一切していません。『おじさんに何でも話してごらん』って(笑)、すごく優しい方でした。映像でのお芝居が、ほぼ初めてだった剣心くんが、何テイクも重ねることがあった時も、私や周りに『ありがとうね、ごめんね』と声をかけて、まるで本当のお父さんのように見守っていらっしゃる姿も印象的でした」機会があれば、今後もホラー作品に参加したい、と話す松本さん。「目を見開くシーンで、なかなかカットがかからないな…と思っていたら、監督が『カットかけたくなくなっちゃった。もっとホラーのオファー来ると思うよ』と言ってくださって、すごく嬉しくて。一段と公開が楽しみになりました」『“それ”がいる森』田舎町で一人農家を営む田中淳一。近くの森では不可解な怪奇現象が起こり、町では住民の不審死などが相次いでいた。そんな矢先、偶然に得体の知れない“それ”を目撃してしまう…。9月30日(金)より全国ロードショー。©2022「“それ”がいる森」製作委員会まつもと・ほのか1997年2月5日生まれ、大阪府出身。映画『今夜、世界からこの恋が消えても』、ディズニープラスで配信中の『拾われた男』などに出演。ワンピース¥60,500(FUMIE TANAKA/DO-LE co ltd. TEL:03・4361・8240)ブーツ¥91,300(3.1 Phillip Lim/3.1 Phillip Lim Japancustomercare@31philliplim.co.jp)イヤカフ¥63,800リング、右手人差し指¥70,400左手中指¥156,200左手小指¥26,400(以上GIGI/white office TEL:03・5545・5164)ベストは参考商品※『anan』2022年10月5日号より。写真・Nae. Jayスタイリスト・道端亜未ヘア&メイク・尾曲いずみインタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2022年10月02日今年の9月に41歳を迎える、安達祐実さん。肩肘を張らないスタイルで年齢を重ねることを軽やかに楽しみながら、自分自身を慈しみ、自分にとって最善の方法で美容と向き合う姿はまさに大人の女性の理想型。スキンケアを見直して地道に肌を立て直しました。透明感とハリに溢れる肌でスタジオに現れた安達祐実さん。「その肌の美しさで本当に40代ですか?」と驚きを隠さず伝えると「何年か前にスキンケアの方法を見直して、ようやくここまで立て直すことができたんです」と笑顔で答えてくれた。そんな安達さんの肌質はかなりデリケート。花粉症であることから季節の変わり目は決まって揺らぎがちになるのだそう。「でも、もともとの性格がズボラなので、肌荒れしても“なんで荒れてるのかなー?”ってぼんやり思ったまま過ごしていて。気がつくと肌が落ち着いて……というアップダウンを何度も繰り返していました。昔から野菜が大好きなこともあって、食事の栄養バランスにはわりと自信があったんです。だから“お酒を飲まなくて、タバコも吸わなくて、暴飲暴食もしないのにどうして肌荒れするんだろう。何がいけないのか全然わからない”と思っていました(笑)」その当時はスキンケアに対する意識は、かなり薄かったそう。「めんどくさがり屋な性格なのでとりあえず何かを塗っておけばいいくらいに思っていて。手頃な価格で手に入るアイテムを洗顔後にパパパッと適当になじませておしまい、みたいな(笑)。人に見られる仕事をしているとは思えないくらい、本当に肌のことを何も気にしてない人でしたね」そんな安達さんが“曲がり角”を痛感し始めたのが37歳の頃。「仕事の現場でモニターをチェックしていたら、目の周りに小ジワが増えていることや、ほうれい線が濃くなっていることに嫌でも気がついてしまったんです。気になり始めて、日々の生活でもよく観察するようになったら、自分の肌の不調がさらに如実にわかってきて。朝起きたときに肌がどんよりとくすんでいたり、フェイスラインが重力に負けてもたついてしまっていたりと、もう大変。本当に当たり前のことなんですけど、“人ってやっぱり歳を取るんだな”という現実を突きつけられました。なんとか立て直したいと思って自分なりに色々調べた結果、もしかしたら基本のスキンケアができていないかもしれないという事実に気がついたんです。その日を境に、毎日のお手入れの見直し。とにかくじっくり丁寧に保湿することと、肌をこすらないことの2点を頑張ることに決めました。そうしたら、数日後に自分でもびっくりするくらい肌の調子が上がり始めたんです。内側からふっくらして、透明感も出てきて。“丁寧にお手入れすることがこんなに肌を変えてくれるんだ”と感動しました」こだわりをギュッと詰め込んだスキンケアを作るまで。そんな安達さんがコスメブランドをプロデュースすることに。「最初にこのお話をいただいたときは“こんなに無頓着な私がスキンケアアイテムなんて作っていいの?”という気持ちでいっぱいでした。そもそも美容成分にも全然詳しくないし、頭のどこかで“長年抱えてきた肌の悩みが、化粧品一つで本当に解決するのかな?”と半信半疑なところもあって。でも、サンプルの試作を進めていったら、“化粧品を変えるだけでこんなに肌って良くなるの?”ってびっくり。コスメの力を初めて感じた瞬間だったかもしれません」完成するまでに約2年の歳月が費やされ、安達さんのこだわりがギュッと凝縮されている。「成分とかテクノロジーとか、専門的なことはプロの方にサポートしていただくことにして、私はまず、スキンケアが楽しみになるような使い心地にこだわることにしました。スキンケアって忙しかったり疲れていると、途端にめんどくさくなるじゃないですか。でも、テクスチャーが気持ちよくて、香りが良かったら、一日の始まりと終わりの癒しタイムとして楽しみになるんじゃないかなと思って」化粧水、乳液、クリームのシンプルな3ステップを提案しているのも安達さんのこだわり。「仕事や家のことでどんなに時間に追われていても、毎日続けられるように、スキンケアにかける手数をなるべく少なくしたいと思ったんです。私自身、お酒を飲むわけでもないのにソファで安らいで、メイクしたまま寝落ちしちゃうことがあるくらいズボラなので、そんな私でも使い続けられるアイテムを目指したいなって(笑)。配合する成分に関しては、肌が弱い私でも安心して使えるナチュラルな処方にしたいけど、小ジワとかくすみとか、大人の肌の悩みにも効果を感じられるものにしたいというオーダーをさせていただいて。わがままをたくさん伝えているうちに“いいじゃん!”と心から思えるものができたんです」できるだけ自然に美しく年齢を重ねていきたい。シンプルだけど着実なセルフケアで輝く肌を育む安達さん。「世間を見渡すと、若く見えるかどうかがすごく重要視されているのを感じるんです。私自身も気にならないと言ったら嘘になるけど、それに囚われて悪あがきをし続けるのは生きづらくなりそうですよね。それに、年齢を重ねることは誰においても必ず起こることで、悪いことじゃないじゃないですか。だから、できるだけナチュラルにその日の肌と向き合っていけたらいいですよね。そのほうが私の性格に合っているというのもあるんですけど(笑)。俳優という職業柄、その役で求められた表情を作れるような顔でありたいと思うから、“シワもアリだな”って思ってもらえるように生きようかなって。その上で、なるべく自然に、なるべく美しく年齢を重ねていけるのが理想。毎朝鏡できちんとチェックして、些細な変化に気づいて、そのときに必要なお手入れを追加していくことは必要なのかな、って。そんなふうに自分のペースでコツコツ頑張っていれば、肌が年齢を重ねる速度が緩やかになって、そのときの自分に応じた美しさを楽しむことができるはず。そう信じて、そのことを体現していける存在になれたらと思います」プロデュースしたスキンケアラインがデビュー。肌を思いやりながらエイジングケアも。右から、Upt バランシングトナー 155ml¥2,420同 コンディショニングミルク 120ml¥2,420同 モイスチャライジングクリーム 40g¥2,750 すべて9月中旬発売(mano mano info@mano-mano.co.jp)あだち・ゆみ1981年9月14日生まれ、東京都出身。2歳で芸能界デビュー。俳優として数々の話題作に出演、キャリアを積み重ねている。ファッションセンスも注目を集め、アパレルブランド『虜』も手がける。ドレス¥187,000ベルト¥61,600(共にチカ キサダ/エドストローム オフィス TEL:03・6427・5901)※『anan』2022年9月7日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・木津明子ヘア&メイク・林 由香里取材、文・石橋里奈(by anan編集部)
2022年09月04日今年の秋冬は、カバー力とほどよいツヤ感が両立する、内から発光するような肌にアップデート!私たちのわがままな願いを実現してくれる、ベースメイクメソッド&優秀アイテムも必見です。2022年秋冬「ananモテコスメ大賞」受賞コスメを用いて、モーニング娘。’22の牧野真莉愛さんがツヤサラよくばりフォギー肌に!この秋冬に目指したいのは、素肌感があって内側から発光するようなフォギー肌、とヘア&メイクアップアーティストのGeorgeさん。「潤いを感じさせるベルベットのような柔らかいツヤが、旬の肌にはマスト。季節的には乾きやすいのですが、新作の下地やファンデーションは保湿力の高いものが多くそろっているので、頼りになります。使い方のコツは、のばしたあとにスポンジで丁寧に叩き込むこと。肌との一体感が出て、素肌っぽくなります」仕上げには、フェイスパウダーもプラスして。「フェイスパウダーも、優秀作が目白押し。肌がサラサラになって化粧持ちがよくなるし、光のベールで目指すフォギー肌に近づけるので、使わない手はありません。あとは隠したい色ムラがあるならコンシーラー、よりツヤやかにしたいならハイライトを足してもOK。愛らしさがアップするハイライト使いを紹介するので、ぜひ試してくださいね」モーニング娘。’22の牧野真莉愛さんがトライしてみました!ツヤサラよくばりフォギー肌の作り方STEP 1トーンアップ下地でメリハリを仕込む。手の甲に出した下地を写真で色をつけた部分に広げ、外側へとのばす。最初に広げた部分に厚くのって光が集まり、ハイライト的効果を発揮。肌に自然な立体感が生まれる。Use It!一日中しっとり&明るい肌をキープ 賞ETVOSミネラルインナー トリートメントベース肌に潤いを与える植物エキスを厳選して配合。色ムラを隠して肌をトーンアップ。「時間が経ってもずっと保湿されているようで、肌が心地よい。ライブではすぐに肌がカピカピになって困るのですが、これならずっとしっとりしてくれそう」(牧野さん)。ラベンダーベージュ SPF31・PA+++ 25ml ¥4,950 9/7発売(エトヴォス TEL:0120・0477・80)STEP 2 目元のクマや鼻横の赤みをカバー。コンシーラーは、目の下や鼻の横など色ムラが気になる部分だけにオン。肌よりワントーン明るいものを選んでチップで直のせしたら、肌との境をトントン叩いてなじませる。Use It!完全無欠のドーリー肌が叶う 賞ANNA SUIザ コンシーラー薄くのびて崩れにくい。ハイライトにも使える明るいカラーの01や茶グマ青グマカバーに最適な05など、何色かそろえて使いたいカラーラインナップ。「肌にピタッと密着して、そのあとは存在感がなくなるのにカバー力がバツグン。ヨレないので、安心して表情を動かせます」。全5色 各¥3,300(アナスイ コスメティックス TEL:0120・735・559)STEP 3 ファンデーションを優しくのばす。ファンデーションは、小ぶりの真珠ひと粒分を手の甲に出す。STEP 1の下地と同じところに広げたら、顔の外側へとのばして。目や鼻のキワなど細かいところは指先を使う。Use It!メイクした感ゼロで頼もしいカバー力 賞Amplitudeロングラスティング クリームファンデーション濃密なカバー力と透明感の両立を実現。肌の乾燥を防いで、しっとりした光沢が長持ちする。「クリームタイプなのに肌にのばすとサラッフワッとして、気持ちがいい。カバー力があるのに素肌っぽく仕上がるから、カジュアルな印象のメイクにもぴったり」。SPF21・PA++ 全9色 各¥8,800 9/14発売(アンプリチュード TEL:0120・781・811)STEP 4 このひと手間でベースメイクが長持ち。清潔なスポンジで、肌全体をポンポン軽く叩いてファンデーションをなじませる。余分なファンデーションをオフできると同時に、肌に密着させて化粧崩れを防ぐテクニック。STEP 5 パウダーで顔と首の透明感をアップ。大きめのブラシにフェイスパウダーを含ませ、肌全体にふんわり軽くのせる。顔だけ明るくなってしまう違和感を避けるために、首にもパウダーをのせること。Use It!ハッピーオーラあふれる肌を作る 賞DECORTEAQ オーラ リフレクター計算された6色の組み合わせで、ヘルシーで軽やかな肌印象に。皮脂や汗によるテカリを防ぎ、ふんわりしたツヤを保つ。「見た目から素敵なので、手にしただけでテンションアップ。肌にのばすとサラサラして、透明感がアップします。キラキラしすぎていないのでデイリーに使えそう」。02¥11,000(コスメデコルテ TEL:0120・763・325)STEP 6唇上のツヤでキュートな雰囲気に。ハイライトを仕込む。ライトカラーを指にとり、鼻筋、頬骨の高い部分、額、唇の山の上とアゴ先にのせる。特に唇の山の上にツヤが出ると、愛らしさがアップする。Use It!マスクの下に忍ばせるハイライトに最適 賞CEZANNEフェイスグロウカラー肌に血色感が欲しいけれどマスクを汚すのがイヤ。そんな声に応えて開発された、色落ちしにくいクリームタイプのチーク&ハイライト。「Georgeさんが唇の上にハイライトとしてつけてくれた感じが、とても気に入りました。右の色はチークや目元にも使えるし、とても便利」。01¥660 10月上旬発売(セザンヌ化粧品 TEL:0120・55・8515)Georgeさんヘア&メイクアップアーティスト。トレンド感のあるナチュラルなメイクが得意。コスメオタクで、韓国コスメにも詳しい。メイクテクや推しコスメを紹介するインスタライブが好評。まきの・まりあ(モーニング娘。’22)2001年2月2日生まれ、愛知県出身。メイクは好きだけど知らないことが多いので勉強中。『モーニング娘。牧野真莉愛 全集 2018‐2022』(ワニブックス)が発売中。ニット¥40,700(タラ ジャーモン/イトキン カスタマーサービス TEL:0120・888・363)その他はスタイリスト私物※『anan』2022年9月7日号より。写真・Nae.Jayさとうしんすけ(商品)スタイリスト・SHOCO(牧野さん)ヘア&メイク・George取材、文・風間裕美子(by anan編集部)
2022年09月03日大好きなお魚を探究し、その魅力を発信することでお魚とも人ともつながる。そんなさかなクンに聞いた、いまの時代を楽しく泳ぐ“ギョミュニケーション”術!お魚に出会ってギョギョギョな人生が幕を開けた。「好き」を極めて、みんなとつながる。それを体現しているのが、みんなのお魚博士・さかなクン。海の生き物への愛と探究心で、たくさんの人をお魚ワールドにいざなっている。さらにこの秋、自伝的映画『さかなのこ』が公開に。ますますその活躍に注目が集まるさかなクンだけど、お魚人生の始まりは、何気ないけど衝撃的な出来事がきっかけだった。「実はお魚に夢中になったきっかけは…タコちゃんだったのでギョざいます!小学2年生のとき、クラスの友だちが描いたタコちゃんの絵を見て『うぁぁぁ~!?なに、この生き物!』とひっくり返るくらいの衝撃を受けて、図書館の図鑑で調べて『わぁ、タコっていうんだ~!』って。家に帰るなり『ただいま~。お母さん、今日タコ食べたいんだけど~!』と頼んでタコちゃんを見にお魚屋さんに連れてってもらいました。ところがお母さんが連れてってくれたのはスーパーさんで、すでに切り身になったタコちゃんしかいなかったのでギョざいます…!店内を探してようやく見つけたまるまる一匹のタコちゃんは、おでん用のかわいいイイダコちゃん!母に買ってもらい、その日はずっと吸盤の数を数えたり、絵を描いたり…。最後はありがたくいただきました。それからタコちゃんが食卓に上る日が1か月くらい続きました!!」そのときの衝撃と感動を真正面から受け止めて、探究心を全開にして…。どんどんお魚の世界にのめり込んでいったさかなクン。そのお魚愛と探究心は、いまも変わることがない。「マイワシちゃん、マダイちゃん、ヒラメちゃん…一口にお魚といっても、い~っぱいの仲間がいるからでギョざいますどのお魚も知れば知るほどかわいくてすっギョい存在なんです!そして夜明け前から海に出る漁師さんや新鮮なお魚を売ってくださるお魚屋さん。いろんな人のギョ尽力で、ようやく食卓に届くんでギョざいます。それを思うと『ああ、お刺し身一切れ一切れがありがたい!』って。そしてそのおいしさといったら…!まさにお魚は身をもって感動と栄養を届けてくれる素晴らしい存在なのでギョざいます!」お魚の魅力を発信してたくさんの人とギョミュニケーション!「お魚の感動をギョ一緒に!!」。「好き」を自分の中だけに収めず、みんなとシェアすることが、さかなクンの最大の喜び。「ちっちゃいときからいまに至るまで周りの人に助けていただいたり、映画も含めて貴重なギョ機会をいただいたり。それに対してさかなクンもお魚を通してみなさまに恩返しさせていただくことが増えてきて…。お魚を通して、みなさまとの関係にいい循環が生まれているのがすっギョくありがたくて幸せです」まだまだ広がる“ギョミュニケーション”の輪。それでも夢のお魚博士になるまでには、たくさんの試行錯誤もあったそう。「映画の中でも表現していただいていますが、お寿司屋さんや熱帯魚屋さんのお仕事などいろんな職業にチャレンジしたのですが、どれも違うような気がして…。というのも『もっといろんなお魚に出会いたい、出会ったらもっと知って、それをみんなに伝えたい!』という思いがちっちゃい頃からあったので。そんなとき、お寿司屋さんの壁に絵を描いてる姿をテレビで放送していただき…そこからのギョ縁で、さかなクンという道を歩むことができたんです」いまもギョッとするような逆境に遭遇することもあるけれど、そこはお魚目線でピンチを脱出。「お魚たちは油断するとすぐ食べられちゃう厳しい世界に生きているのでギョざいます。だから心が折れそうになったときは『お魚の世界に比べたら自分の悩みなんてまだまだ~っ!落ち込んでいられないぞ~!』と、お魚に元気をもらえるのです」合わないモノだってある。自分の直感に正直に、レッツ・ギョー!さかなクンのように夢が明確じゃなくても、いまの環境や人間関係にモヤモヤを抱えている人はたくさんいるはず。そんなときは思いきってその環境から離れてみても…!とさかなクンは言う。「お魚同士も、相性が良くないときは別の水槽に分けます。自然界のお魚は『このお魚にやられそう!』と思ったら遠くに逃げたり岩の隙間や砂にもぐったりして危険を回避できるのですが、水槽のなかでは逃げられずに弱ってしまうのです。人の場合も合わないときは環境を変えてみるのもいいかもしれないです」つらいときは環境を変えて、外の世界と交流してみるのもいい。いまはSNSなど交流の形もいろいろだけど、さかなクンの一押しは「会って話すこと」。「人は言葉を使い、表情や声から感情をも読み取る生き物なので、顔と顔を合わせてお話しするのが一番かなと!メールは便利ですが思ったことを素直に伝えようとすると難しいこともあります。会うのが難しければ電話でもいいですね。直接話せばきっと『話してよかった!』って思えるはず。誰とも話したくない気分?そんなときはお外にレッツ・ギョー!!海や山でいい空気を吸う、それだけで心が晴れると思います!」好きなものって、生きていくためのすっギョい力です!お魚はもちろん、別の分野でも。さかなクンは「好き」を介して、職業や年齢の垣根を越えた人とのつながりを育んでいる。「漁師さんやお魚屋さんともすっギョく話が盛り上がるとそこから友だちになれることも多いです。あと立川志の輔お師匠さまの落ギョ(落語)に夢中になって、その後、奇跡のような出会いがあり、お師匠さまと親しくさせていただくようになりました」でもあの~さかなクン。大人になってから友だちを作るのって難しかったりしませんか?「“大人のプライド”とかはナシでギョざいますよ。こどものような純粋な気持ちで『私はこれが好き!』と素直に言ってみるんです。すると同じ思いの人が集まってきます」何にも負けない「好き」がある。だからその素晴らしさをみんなとシェアしたい!それがさかなクン流ギョミュニケーションの源。「今回の映画の主題歌はCHAIさまが書いてくださいました。そのなかに『私の好きに何が勝てるというの』というフレーズがあるんです。そのフレーズを聴いたときに涙があふれました。心折れそうなときも、好きなものを思い出せば強くなれるんです。好きというのは、生きるためのすっギョいパワーなんでギョざいます!」映画『さかなのこ』さかなクンの自叙伝を原作にした映画が誕生。さかなクンが「さかなクン」になるまでを沖田修一監督が描く。主人公「ミー坊」をのんさん。共演に柳楽優弥さん、井川遥さんと豪華キャストも話題。9月1日全国公開予定。さかなクン東京海洋大学名誉博士・客員教授。近年では海やお魚を通しての食育や環境問題にも取り組む。自叙伝『さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~』がこのたび映画化。※『anan』2022年7月27日号より。写真・Nae Jay取材、文・大澤千穂(by anan編集部)
2022年07月24日日向坂46の齊藤京子さんと、芸人のヒコロヒーさん。一見すると異色の組み合わせに、なぜこの二人?と不思議に思う人もいるかもしれない。でも、トークバラエティ番組『キョコロヒー』では、はっきり言い切るド天然×クールな姉さんの、一度見たらクセになるような、絶妙なコンビが話題になっているのだ。――お二人の関係性を一言で言うと?齊藤京子:“相方”です。それが一番しっくりくる言葉。ヒコロヒー:私は…“仕事の人”です。齊藤:悲しい…!(笑)――番組を見ている人からすれば、この掛け合いこそ“キョコロヒー”です(笑)。放送開始から1年以上経ちましたが、初対面の時の印象は?齊藤:ヒコロヒーさんは、クールでサバサバしている、めちゃめちゃカッコいい方という印象でした。それは今も変わりません。ヒコロヒー:アイドルなんで、キャピキャピしていると思ったんです。でも、最初に京子が「LINEの友達めっちゃ少なくて、2桁なんです」って言うから、「私もそんぐらいやわ」って言ったら、「へぇ~そんな人いるんだ」って言われて。…?お前もやんけ!めちゃくちゃ個性的な子やなって。齊藤:あははは(笑)。普段はグループで活動していて、一人で発言することは少ないので、喋りっぱなしの収録は、毎回めちゃくちゃ楽しいです。ヒコロヒー:私も普段、先輩方の番組に出させていただく時は、バランスを見ながら“出しろ”のことを考えているんです。でもこの番組においては、バラエティ畑じゃない京子と、トークをどう成立させるかをいつも一番に考えています。面白くなるならないは、自分たちの会話次第ですから。――お互いが自由に、時には露骨に発言し合っている様子からは、媚びずに本音でトークしている潔さを感じ、それがこの番組の面白さに繋がっていると思います。それぞれ、相手との相性をどう見ていますか?ヒコロヒー:あけすけにものを言い合う女たちって、一般的に見ると珍しいのでは?そもそも私は、好感度が高いタイプでもないし(笑)、この番組でも目を離したらすぐに、京子と堂々と口喧嘩とか小競り合いみたいなことをしていて。それは、私が生きてきた環境においては、女友だちと普通にやってきたことやけど、アイドルの子相手に、あまり見ないですよね。京子とだったからできたのかもしれない。齊藤:ファンの方やスタッフさんは、そんな二人の掛け合いが好きだって言ってくださるので、嬉しいです。相性がいいです、なんて私から言うのはおこがましいのですが、そう思われていたら嬉しいですね。――このコンビの強み、そして弱みを分析してみてください。齊藤:確かに、異色の組み合わせといわれていますが、ジャンルの違う二人の女性が喋っている番組は他に見たことがないので、唯一無二の強みかも。反対に弱みは、朝早い収録では頭が回らなくて、トークにならないこと。一度あったんですが、二人とも言葉が出てこなさすぎて、カオスでした(笑)。ヒコロヒー:強みであり弱みでもあるのが、乗ればぐるぐるっと転がっていくんですが、乗らない時は本当に乗らない。良くも悪くもサービス精神がない二人なので、やりたくないことはやりたくないんです。それを含めて、面白がっていただけるなら、強みです。――そこを面白がっている人は多いと思います。二人の似ているところは?ヒコロヒー:食レポの下手さ。本当は食レポとかせんでいいと思ってるよね。齊藤:思ってます(笑)。美味しいものは、美味しいとだけ伝えられたらいいと。あとは、朝、頭が回らないこと。ヒコロヒー:なんぼほど言うねん。『キョコロヒー』日向坂46の齊藤京子さんとヒコロヒーさんがムダ話に全力を注ぐ、新感覚トーク番組。ズレているようで噛み合っているトークはもちろん、“いじわる選手権”など斜め上をゆく企画も人気。毎週水曜、24:15~テレビ朝日ほかにて放送中。ヒコロヒー(写真右)1989年10月15日生まれ、愛媛県出身。お笑い芸人。『5時に夢中!』(TOKYO MX)、『ドーナツトーク』(CBCテレビ)にレギュラー出演中。アパレルブランド『CONVERSE TOKYO』とのコラボではデザインも手掛けている。さいとう・きょうこ(写真左)1997年9月5日生まれ、東京都出身。日向坂46の1期生。アイドルとして活動しながら、ファッション誌『ar』の専属モデルも務める。出演ラジオ『アッパレやってまーす!』(MBSラジオ)が放送中。※『anan』2022年7月27日号より。写真・Nae.Jay取材、文・若山あや(by anan編集部)
2022年07月23日大人気の児童書『おばけずかん』シリーズを、VFX(視覚効果)を駆使した映像表現の第一人者である山崎貴監督が映画化。これまで『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)や『DESTINY 鎌倉ものがたり』(’17年)を手掛けた山崎監督が今回作り出したのは、おばけの住む「ゴーストブックの世界」が舞台の、異世界冒険ファンタジー。迷い込んだ不思議な世界で共に戦う生徒と先生を演じる、城桧吏さんと新垣結衣さんに、映画『ゴーストブック おばけずかん』の魅力を聞いた。――原作は、子供たちが親しみやすい絵と言葉でおばけの存在が描かれていますが、映画ではVFXの映像技術で大人も子供もぐっと引き込まれる異次元の世界が広がります。お二人は、もともとファンタジー作品は好きですか?城桧吏:めちゃくちゃ大好きです!小さい頃から『ナルニア国物語』や『ハリー・ポッター』シリーズを観てきて、非日常的な世界に興味があったし、魔法とか見たことがないような生き物が出てくるとワクワクしていました。その世界に行きたい、という憧れもあって。新垣結衣:私も、『ハリー・ポッター』シリーズや、それこそ山崎監督の『DESTINY 鎌倉ものがたり』が大好き。がっつりファンタジーな作品もですが、リアルの中に起こる、ちょっとしたファンタジーとか、奇跡みたいなものも好きです。――どんな願いも叶えてくれる“おばけずかん”を手に入れた、城さん演じる一樹、太一(柴崎楓雅)、サニー(サニーマックレンドン)と、湊(吉村文香)の小学生4人と共に、新垣さん演じる臨時教師・瑤子が、「ゴーストブックの世界」へと迷い込み、数々の試練に立ち向かう物語です。ジェネレーションギャップがある中、現場では、どのようにコミュニケーションをとっていましたか?城:僕は、あまり感じていませんでした。気にしていないだけなのかな?(笑)新垣:桧吏は気にしなさそうだよね(笑)。私はみんなと仲良くなりたかったので、勝手に「桧吏」と名前で呼ばせてもらっていました。でも、今もそうだけど、みんなが自然体でいてくれたおかげで、変に年の差を感じたりはしなかったです。明るい性格のサニーが、人気のK‐POPアイドルを真似して、現場で歌ったり踊ったりしている様子を見ながら、今の世代はダンスが必修科目なんだよなとか、もしかしたらTikTokの影響があるのかな、なんて感じたりはしていましたけど。城:撮影で地方にお泊まりしたことが何回かあったんですが、泊まったホテルに卓球台があって。新垣さんはいなかったんですが、(子役の)4人で卓球をやったり、ホテルの前の海で、山崎監督と水切りをして遊んだことは、コミュニケーションを深められたと思うし、いい思い出です。でも山崎監督は、本気でやったから腕が痛いってあとから言ってました(笑)。新垣:あははは(笑)。城:あと、僕が休憩時間に寝てふと目を覚ましたら、新垣さんと楓雅の話し声がして、楓雅が何か相談をしているみたいで。今ここで、僕が起きて行ったら話しにくいだろうなって思って、寝ながらちょっと聞いていたんです。新垣:気を使ってくれてたんだね。城:(照れ笑いをしながら)楓雅は、普段からもそうなんですが、テイクを重ねる時に何度も「すいません」って言うのが口癖で。そこで新垣さんが「すいませんよりも、もう一度お願いしますって言ってみたら?撮影後に、ありがとうございました、って言えばいいと思うよ」ってアドバイスしていて。それを聞いて、いいなって思ったんです。謝るべき時はもちろん謝りますが、僕も、「お願いします」とか「ありがとうございました」という前向きな言葉を言うようにしたい、って。新垣:様子を見ていて、必要以上に謝ってしまっているなと思って。楓雅は、たまに頼ってきてくれることがあったので、そういえばそんな話もしました。でも、基本的にみんな元々しっかりしていて、大人ぶることもなく楽しんで撮影できたと思います。――現場での、そのような空気感があったからこそでしょうか。映画を観ていてチームワークが感じられたし、子供たちの勇気に救われたりもして、改めて、エンターテインメントの素晴らしさを教えていただきました。お二人は、普段どんなエンタメが好きですか?城:僕は映画が大好きで、よく家族と映画館に行きますが、つい最近も『シン・ウルトラマン』を観に行きました。新しい作品もどんどん観るようにしていて、こんなキャラクターを演じたら面白そうだなとか、難しい役、怖い役もやってみたいなとも思います。そんな気持ちがこの仕事のモチベーションにもなっています。新垣:私は映画を観る時、なにか新しいものを得るような感覚があります。人生の中で出会う人の数は限られているし、出会っても相手の内面が全部わかるわけではない。だから、映画などの作品から、知らなかった環境や職業、価値観や感情などを知るたびに心が豊かになる気がします。――役者以外に、エンタメの仕事に関わる仕事に就くことを考えたことはありますか?城:僕は、是枝(裕和)監督の映画『万引き家族』に出た時に、役者の仕事をするって決めたんですが、小さい頃の夢は、たしか、トウモロコシでした(笑)。新垣:え…?野菜そのものになりたかったの?城:野菜そのものです(笑)。――そうなんですね!新垣さんは元々どんなエンタメに興味が?新垣:桧吏を超えるエピソードはないんですが(笑)。昔から漫画も好きなので、子供の頃は漫画家に…と考えたことももちろんありました。今思えば、「私には絶対に無理!」と思うのですが…。でも、以前、科学館みたいなところに行った時に、未来の地球で自分がどういう仕事をしているのかをシミュレーションできるという企画があって、やってみた時は、“忍者屋敷プランナー”でした(笑)。映像や音楽、効果音の迫力を劇場で堪能してほしい。Q1、好きなファンタジー作品は?A1、『らんま1/2』がずっと大好き。小学生の時から『らんま1/2』が好きで、漫画もアニメDVDも、全巻持っています。キャラクターやチャイナ服がかわいくて、カンフーの要素が入っているところも魅力的。主人公二人のラブストーリーにもワクワクします。Q2、『ゴーストブック おばけずかん』をどう楽しんでもらいたい?A2、映像と音、声優さんにも注目して。迫力のある映像に、音楽や効果音が圧倒的な演出になっていて、ぜひ、劇場で観ていただきたい作品です。物語に登場するおばけたちは、人気の声優さんたちが演じていて、そのお芝居も素晴らしいので、楽しんでください。ハラハラ&感動しながら僕たちの成長する姿を見てほしい。Q1、好きなファンタジー作品は?A1、『ハリー・ポッター』シリーズ!いろんな魔法や、現実世界にはいない生き物たちが登場するところに憧れます。テレビで放送されるとわかったら、放送前の1週間は楽しみすぎて、当日は毎回、始まる前からテレビの前にスタンバイしています(笑)。Q2、『ゴーストブック おばけずかん』をどう楽しんでもらいたい?A2、個性が魅力的なおばけを楽しんで!登場するおばけたちには、いろんな個性があって、どれもカッコいいし、かわいい。ハラハラする展開があったり、感動する場面がある中で、僕たち4人と瑤子先生が成長していく姿を見ていただきたいです。映画『ゴーストブック おばけずかん』ある日の夜中に現れたおばけに導かれるまま、願いを叶えるべく“おばけずかん”を手に入れた一樹(城)たち。偶然居合わせた、瑤子先生(新垣)と迷路のような古本屋から出ると、そこは元の世界ではなかった…。彼らは願いを叶えることはできるのか。原作/『おばけずかん』シリーズ(作・斉藤洋、絵・宮本えつよし/講談社刊)監督・脚本・VFX/山崎貴出演/城桧吏、柴崎楓雅、サニーマックレンドン、吉村文香、神木隆之介、新垣結衣ほか7月22日(金)より全国公開。あらがき・ゆい1988年6月11日生まれ、沖縄県出身。近作にドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』や『獣になれない私たち』、ドラマ・映画『コード・ブルー ‐ドクターヘリ緊急救命‐』、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)などが。じょう・かいり2006年9月6日生まれ、東京都出身。’18年、カンヌ国際映画祭コンペティション部門でパルムドールを受賞した映画『万引き家族』に出演。国内外からも注目を集める。近年の主な出演作に映画『約束のネバーランド』など。ジャケット¥42,900Tシャツ¥18,700パンツ¥29,700(以上ZUCCa/A‐net Inc. TEL:03・5624・2626)※『anan』2022年7月13日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・一宮理紗(城さん)道券芳恵(新垣さん)ヘア&メイク・松原美穂(城さん)藤尾明日香(新垣さん)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2022年07月09日可憐さとミステリアスな色香が共存する無二の存在感で、見る人を魅了する与田祐希さん。アイドルとして、俳優として、人として。大人の坂道を駆け上る21歳が占う、グループと自らの未来。乃木坂46の未来にはいいことしか起こらない。そう信じています。「このドレスで福岡の実家に行って、両親を驚かせたいな」と、ふわっふわのホワイトドレスに身を包んで大きな瞳を輝かせた与田祐希さん。現在出演中のドラマ『日本沈没 ―希望のひと―』はいよいよクライマックスへ。日本沈没という信じがたい危機に瀕する東京を舞台にした物語で、与田さんが演じるのは居酒屋の看板娘・愛ちゃん。「生ビール一丁!」と大きな声で溌剌と。危機に立ち向かう人々を明るく活発に元気づける姿は今までの与田さん像とはまた違った、新鮮な魅力。「そうなんです(笑)。実際の私とはかけ離れているけれど、この作品で求められるのは空気を明るくする元気な子かなと。だからギアをぐっと上げて、大きな動きと声を心がけました」主演を務めるParavi版と並行しての撮影はハードだったと振り返りつつも「大変さ以上に、この作品で経験できたものは大きかった」という。「お芝居の楽しさや難しさ…。きっとこの経験が私の今後を変えていくんじゃないかな。これからは今まで以上にお芝居を頑張りたいと思ってます!」大役を乗り越えて、与田さんの毎日にも小さな変化が。「ごはんを食べに行くときお店の人と話すのが好きになりました。愛ちゃんのおかげかな?最近もお母さんを連れていったお寿司屋さんで大将と仲良くなって、たわいもない話をしながらお寿司を食べて…」お寿司屋さんのカウンターで自然に振る舞えるって大人!「あはは。少し前はそんなこと考えられなかったんですけど。あ、でも両親が来るときは忙しくても必ずごちそうします。野性児で手のかかる子だったから、恩返ししたくて…。そう思うと私も大人になったのかな」ドラマさながらに日本が沈没する日が来ても、そのときは故郷で家族と過ごすつもり。「志賀島の空気を吸って、のんびり一日過ごしてから逃げようかな。動じない?ふふ、動じても変わらないですよ(笑)」余裕しゃくしゃくの微笑みに、この一年の成長と自信が表れて。さて『anan』のこの号は占い特集。与田さん、来年の乃木坂46を占っていただけますか?「えっ、私が!?そうだなぁ…これから5期生が加入する予定なんですけど、きっと素敵な子たちが来てくれるはずです。その後輩とはもちろん、先輩との日々も大切にしながらグループの時間も充実させたいです。今年は全国ツアーもできて、しかも福岡にも行けて感激でした。だから来年もきっと全国を…なんて、乃木坂46にいいことしか言わない占い師なんで、私(笑)」守ってあげたくなるくらい小柄で可憐、でもちょっとやそっとじゃ折れたりしない。そのかわいくも頼もしい存在感で、後輩や仲間を見守り、照らすグループの光になっていく。『日本沈没 ―希望のひと―』2023年の東京で日本沈没という危機に立ち向かう人々を描いた話題作。小栗旬さん、松山ケンイチさんほか出演。TBS系日曜21時~。Paraviでは与田祐希さん主演の『最愛のひと~The other side of 日本沈没~』を配信中。よだ・ゆうき2000年5月5日生まれ、福岡県出身。乃木坂46の3期生。デビュー以来、フロントメンバーとして走り続ける一方、映画『ぐらんぶる』ほか俳優としても活躍。愛称よだちゃん。ドレス¥82,000(aki masudaakimasuda.official@gmail.com)インナーはスタイリスト私物※『anan』2021年12月15日号より。写真・NAE.JAYスタイリスト・コギソマナ(io)ヘア&メイク・犬木 愛取材、文・大澤千穂(by anan編集部)
2021年12月12日実力派として、多くの映画監督からラブコールを受ける俳優・若葉竜也さん。大衆演劇の家系に生まれ、選択する間もない1歳3か月という若さで初舞台を踏み、以後芝居の世界で生き続ける彼だが、「役者以外の道で生きていきたい」と思っていた時期も長かったという。言葉ではえも言えない、複雑な人間らしさを役を通して体現し続ける、彼の素顔に迫った。ものづくりの現場に居心地の悪さは必要。――現在31歳の若葉さんですが、30代に入って、ポジティブな変化はありますか?30を過ぎてから、考え方がよりシンプルになりました。20代は悩んでいると考えている感じがして、自分はこれに対して考えているんだという安心感を得るために悩んでいる時間もあったんですけど、今はその必要は全くないと思ってるし、もっとシンプルな戦い方でいいやと思っています。後輩に話していたことが意外と自分に突き刺さることがあって、ますます自分自身に冷静な目を向けられるようになったのかもしれない。――ずっと離れたかった芸能界に戻ってきてから少しは居心地はよくなってきましたか?居心地は常に悪いですね。湿ったパンツをはいている感じです。でも居心地よくしたら面白くなくなっちゃうのかなというか、居心地悪いくらいがちょうどいい気もして。居心地がいいと思えるのは、やっぱり、気心知れた友達と休みにごはんを食べたりしているときくらい。僕はわりとプライベートな友達との時間を死守したいと思っていて、そのために仕事をしている感覚が強いんです。人生で一番楽しい場所ですし、優先順位で言ったら、そこがどう考えても一番です。なので、50代、60代になってもそれができていれば満足かなと。仕事は僕にとっては、会社に行ってるのと同じ感覚なんですよね。「朝何時にここに来てください」と言われたから行って、一生懸命仕事して帰ってくるだけ。「もっと上を目指すべきだ」とか言われたりもするんですけど、上って何よ。と(笑)。上とか下とかどうでもいいよって。一生懸命働いて、ごはん食べて、疲れたなぁって、また働く。それだけでいいです。向上心がないとカテゴライズされればそれまでですけど。――プライベートと仕事はハッキリ分けているんですね。でも、はたからは楽しそうに仕事されているように見えますが。「楽しそう」とか「いま楽しいでしょう?」とかよく言われますね。でも、僕らがただ好きだから、楽しいからという理由でものづくりを始めたら、たぶん超つまらないものになってしまうと思うんです。誰かが観たときに心が動くものをつくるのであれば、趣味だったり、部活感覚でやっちゃいけないという思いがすごく強くて。その上で苦痛が伴ったとしても、そのくらいは受けとめなきゃいけないという感覚はあります。――今回の撮影ではかなりセクシーな表情を見せてくれましたが、若葉さんは色気のある人ってどんな人だと思います?もしそう見えたのだとしたら、スタッフがそうつくってくれたからだと思いますけど、色気って、得体の知れないものですよね。例えば、志村けんさんや北野武さんみたいに、ずっと一途に何かをやり続けている人は、色っぽいのかもと思います。色気を受け取るセンサーも、みんな違うものを持っているんでしょうけどね。プロのスタッフが集まれば、形骸的な色気は誰でも纏えると思ってます。わかば・りゅうや1989年6月10日生まれ、東京都出身。作品によって違った表情を見せる幅広い演技力で数多くの作品に出演。2016年、第8回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞を受賞。’20年後期放送の『おちょやん』でNHK連続テレビ小説に初出演。’21年の出演作に、今泉力哉監督 映画『あの頃。』(公開中)、松居大悟監督 映画『くれなずめ』(4月29日公開)がある。『街の上で』で若葉さんが演じるのは主人公の荒川青。下北沢の古着屋で働き、たまにライブを観たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったりしながら、生活圏は狭く、下北沢を出ることはない。そんな彼のもとに、自主映画への出演依頼という非日常的な出来事が舞い込む。4月9日(金)より全国ロードショー。ジャケット¥60,000(Azuma./Sakas PR TEL:03・6447・2762)シャツ¥32,000パンツ¥32,000(共にmando/STUDIO FABWORK TEL:03・6438・9575)※『anan』2021年3月31日号より。写真・NAE.JAYスタイリスト・タケダトシオ(MILD.Inc)ヘア&メイク・FUJIU JIMIインタビュー、文・小川知子(by anan編集部)
2021年03月26日遠くのファンタジーではなく、この人はちゃんと存在している。どんな役柄を演じてもそう思わせる、ブレることのない確かな存在感を持つのが俳優・若葉竜也だ。大衆演劇の家系に生まれ、選択する間もない1歳3か月という若さで初舞台を踏み、以後芝居の世界で生き続ける彼だが、「役者以外の道で生きていきたい」と思っていた時期も長かったとか。そんな彼が今やNHK連続テレビ小説『おちょやん』の助監督・小暮真治役で視聴者を“小暮沼”へと誘い、映画『街の上で』で初主演を果たす。『愛がなんだ』『有村架純の撮休』『あの頃。』とタッグが続く今泉力哉監督との関係についても聞いた。――一度は役者から離れたいとあがいていたという若葉さんが、この道で生きていこうと思うきっかけってあったのでしょうか。役者以外だったら何でもいいとは思っていたんですけど、25歳くらいのときに物理的にほかの道が途絶えていっているのを感じて。例えばボクサーや棋士でも、プロになるまでの年齢制限があるじゃないですか。やりたいものはいくつかあって、バンドもやってたんですが、メンバーが就職してしまって、続けるのは無理だなと思ったし、専門学校に通うことも考えましたけど、それも大変だしお金もないし。それで、一番飯の食える確率が高いのは昔からやっていた、このものをつくる仕事だなと思ったんです。だから、諦めに近いかたちだったと思います。でも、その頃から仕事に対する姿勢は変わりましたね。――NHK連続テレビ小説『おちょやん』に出演されてから、世間の注目度も今まで以上にアップしたと思いますが、それを肌で感じることはありますか?僕自身はあまり実感がなくて。単純に、『おちょやん』という企画が面白いと思ったし、女優さんとして杉咲花さんにとても興味があって、ご一緒したいと思ったのでお受けしたのですが、蓋を開けてみたら反響がこれだけ大きいので、なるほどな、そりゃみんな出たいと思うよなと。でも、一回も顔バレしてないんです。この間、丸亀製麺でうどんを食べていたときも、目の前に座っていた奥さまたちが『おちょやん』の話をしていて、バレるのかなと思っていたら、全くで(笑)。ま、だから実感はないですね。――『街の上で』で4度目のタッグとなる今泉監督作品の魅力を、若葉さんはどう捉えていますか?主人公が最後まで一切成長しないところがすごく好きです。特に『街の上で』は何も起きない映画で、それでも130分間観せ続けられるものになったんじゃないかなと。もしこの作品がうまくいけば、映画業界全体がいい変わり方をしていってくれるんじゃないかと僕は思ったりしているんです。――明確な答えを提示したがる業界への問いかけになりそうですよね。以前インタビューで、「ブレてる人が好み」とおっしゃっていましたが、今泉作品に出てくる人たちも人間らしくブレてますよね。やっぱり、主人公が成長を遂げる物語は観ていて爽快だし、そういう映画が好きな人もいると思うけれど、僕にとってはどこか夢物語というか、自分とは全く違う生き物の話のように感じてしまう。人はそんなに簡単に変わらないと思ってしまうところがあるので。そんな中でも今泉さんが描く人間は直線的に泣いたり怒鳴ったりしないですよね。人の目を気にせず泣いたり怒鳴ったりできる人間って、強いと僕は思うんです。でも、現実だと泣きたくても泣けないし、怒りたくても怒り方がわからないことのほうが大半で。そういう弱さや凡庸さを自分も体現したいし、今泉さんの世界観であればそれが実現できる気がするというか。――感情もですが、まっすぐにうまくはいかない恋愛の描かれ方も、リアリティがありますよね。今泉さんの描く恋愛って、必ず不均一が起きている。思いが必ずしも50:50じゃない。でも人間の恋愛とか思いなんて均一にならないものでしょ?と、ある種冷酷に投げかけていて、僕もそれが本当なんじゃないかと思ってるんです。お互い同じ比率で思い合っている多くの恋愛映画に対するアンチテーゼな気もするんですよね。――映画の中で、「友達のまま恋愛関係になれたらいいのに」というシーンが出てきますが、若葉さんは共感しますか?友達のまま恋愛関係になるって、成立はすると思うんです。あとは照れをどう対処するかの問題だと思っていて、それまで「お前さぁ」と喋っていたのに、どのタイミングで手をつなぐの?って困るじゃないですか。僕の場合は、そこで、ちょっと怖いなと思ってしまいそう。手をつなぐという行為もどこか恋愛に酔っている自分がいるからできることのような気がするので、友達関係だと照れが勝っちゃってまず無理ですね(笑)。――現場の今泉監督は、冷徹な面もあるとか。すごく冷徹だと思いますね。「今のいいシーンだったね!」とみんなで盛り上がることに対してすごく不安を抱いていると思うし、内輪ノリで絶対OKを出したりしないので。みんなが盛り上がったカットって、映画館で観たときに興醒めするシーンになっていたりするんですよ。なので、僕も現場での客観性はすごく意識しています。映画は、現場にいる僕らが観るものではなくて、他者が観るものなので、その意識は忘れてはいけないなと思っています。――若葉さんと今泉監督は少し似ているのかもしれないですね。今泉さんは「似ている」と言うんですけど、僕はあんなに駄目じゃないです(笑)。でもあの駄目さがキュートだなと思ってしまう自分もいるんですけどね。『街の上で』は古着屋さんを舞台に真夏に撮影していたんですけど、長袖を着ていた今泉さんが、暑いからと売り物のTシャツを着ようとしたんです。「あとでちゃんとお金を払うから」って。「駄目でしょ。それじゃ、コンビニで支払い前に商品食べ始めちゃう迷惑系のYouTuberと一緒になっちゃうから」って止めましたけど(笑)。――ご自身は、そういう破天荒さはあまりないタイプですか?僕は、本当に月並みだと思います。小さい頃からわりと大人の世界で過ごしてきているので、自分が子どもということを理解していましたし、子どもならどこまでなら許されるかもわかっていたので。昔から、あまり可愛くない子だったかもしれないです。わかば・りゅうや1989年6月10日生まれ、東京都出身。作品によって違った表情を見せる幅広い演技力で数多くの作品に出演。2016年、第8回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞を受賞。’20年後期放送の『おちょやん』でNHK連続テレビ小説に初出演。’21年の出演作に、今泉力哉監督 映画『あの頃。』(公開中)、松居大悟監督 映画『くれなずめ』(4月29日公開)がある。『街の上で』で若葉さんが演じるのは主人公の荒川青。下北沢の古着屋で働き、たまにライブを観たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったりしながら、生活圏は狭く、下北沢を出ることはない。そんな彼のもとに、自主映画への出演依頼という非日常的な出来事が舞い込む。4月9日(金)より全国ロードショー。ジャケット¥60,000(Azuma./Sakas PR TEL:03・6447・2762)シャツ¥32,000パンツ¥32,000(共にmando/STUDIO FABWORK TEL:03・6438・9575)※『anan』2021年3月31日号より。写真・NAE.JAYスタイリスト・タケダトシオ(MILD.Inc)ヘア&メイク・FUJIU JIMIインタビュー、文・小川知子(by anan編集部)
2021年03月25日2012年、日本とニュージーランドが国交60周年を迎えた。また、昨年は2月22日にニュージーランドの南島・クライストチャーチ、3月11日に日本の東日本地域で大震災が発生。両国はこの一年間、共に復興に向けて歩んできた。Tourism New Zealand (www.newzealand.com)そんな中、日本とニュージーランドのハーフでありシンガーのJAY’EDが、日本で活動しながら、もう一つの母国であるニュージーランドをもっと多くの日本人に好きになってもらいたいという想いで、スペシャルなツアーを企画。ニュージーランド航空と日本通運株式会社の協力のもと、JAY’EDの“癒し”の歌声を育んだ、ニュージーランドの雄大な自然をJAY’ED本人と一緒に楽しむツアー『JAY’ED Inspiring Journey in NZ』を実施した。ニュージーランド到着1日目。【オークランド】空港から専用バスに乗った一行は、【ロトルア】を目指す。途中の【ポケノ】では40年以上も続くアイスクリームの店で、シングルサイズでも成人男性の握りこぶし程の大きさの巨大アイスクリームを堪能。また、【タウランガ】でフィッシュ&チップス、【マウント・マンガヌイ】でリゾート地の雰囲気を楽しみながら【ロトルア】に到着。【ロトルア】は温泉リゾートとして有名な地熱地帯で、先住民であるマオリ族の伝統文化も色濃く残る場所だ。この日宿泊するホテル『Holiday Inn Rotorua』でJAY’EDと合流し、その後は『TE PUIA』へ。ガイドツアーに参加すると、最初にウェルカム・セレモニーがあり、マオリ族の儀式を見ることが出来る。続いて、建物の中に入るとマオリ・ショーがスタート。力強く美しい歌声や踊りが次々に披露される。途中、男性の参加者は“ハカ”、女性の参加者は“ポイ”という楽器をステージで体験することが出来る場面も。ショーを楽しんだあとはいよいよ『ハンギ料理』でディナー。“ハンギ”とはマオリ族の伝統的な料理で、鶏・豚・牛の肉やジャガイモ・カボチャ、キャベツなどの食材を、蒸し焼きにしたとてもヘルシーな料理だ。食事を終えると、最後に『間欠泉』へ。陽が沈みゆく夕暮れの中、ホットチョコレートを飲みながら、運良く間欠泉から温水が吹き上げる瞬間に立ち会うことの出来たJAY’ED一行。とても感動的な景色を見ることが出来た。>>2日目以降の様子は こちらで
2012年04月17日