60年以上に及ぶ表現の集大成! 記憶を巡る、田名網敬一の大規模回顧展
デザイナー的観点で絵画を制作したり、逆もしかりで、両方あってこそ自身の表現になったようです」
壁を埋め尽くすエネルギッシュな作品に圧倒されつつ、もっと見たいと思わせる吸引力。田名網さんの記憶と、こちらの記憶が溶け合うような不思議な鑑賞体験が待っている。
POINT 1:初期からの膨大な作品を収めた、初の大規模回顧展。
《Gold Fish》1975年アクリル絵具/イラストレーションボード36.4×51.5cm©Keiichi Tanaami/Courtesy of NANZUKA
《NO MORE WAR》1967年シルクスクリーン/紙63×48cmタグチアートコレクション蔵©Keiichi Tanaami/Courtesy of NANZUKA
展示は、主に「時代」を縦軸、「記憶」を横軸にして11の章で構成。上・金魚は、代表的なモチーフのひとつ。戦時中に祖父の飼っていたランチュウが、爆撃の光を反射させながら水槽を泳ぐ異様な美しさが、田名網さんのなかで戦争の恐怖と結びついている。下・アメリカの雑誌『AVANT GARDE』が1968年に主催した反戦ポスターのコンテストで、優秀作に選ばれた作品。