画びょうやピンの穴はOK…? 不動産専門家が教える! 賃貸退去トラブルを避ける方法と対処法
つまり「通常損耗」ということになります。
ここで知っておいていただきたいのが、国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」(※2、以下:ガイドライン)の存在です。
ガイドラインには、原状回復義務の考え方をはじめ、賃借人の負担対象範囲やトラブル解決に関する制度や判例の動向などが掲載されています。全169ページもあるため、すべてを把握するのはなかなか難しいですが、ぜひポイントを押さえておいてほしいです。
――とくに重要なポイントは?
渋谷さん住んでいる年数に合わせて負担すべき割合が明確に決まっているという点です。たとえば床の傷について、入居1年でつけた人と入居10年でつけた人の負担額が一緒では公平性を欠きますよね。ガイドラインと照らし合わせて、自分は年住んだから負担額は何%くらいである、と目安にすることができるのです。
たとえば、壁紙やカーペットの法定耐用年数は6年と規定されています。
その物件に6年以上住み退去するのであれば、壁紙やカーペットの残存価値は1円と評価されるため、借主の故意・過失による破損などがなければ、原状回復するための費用を支払う必要はないということになるのです。