生活がおもしろくなる? 作家・くどうれいんが“日記を書く楽しさ”を語る
あと、オノマトペもエッセイではやりすぎないように調整するのですが、日記は思うままに書こうとルールを1段階緩くしたり。これは私が作品を書くうえでのポリシーでもありますが、本当の手触りを書くのも大事。真実を曖昧にしても、そのときの手触りだけは嘘をつかず書きたいです」
たくさんの創作活動に携わるくどうさんだが、書く媒体によってすこし自分も変わるような感覚があるのだという。なりたい自分に変身するように、“日記用のわたし”を見つけられると書きやすくなると話してくれた。
「日記って、必ずしもプライベートをさらけ出す場所ではなくて、あまり自分自身であることは大事じゃないと思います。誰しも“日記用のわたし”があるはずで、普段よりも真面目だったりユーモラスだったり、自分が好きな自分で書いていい。私の場合はちょっと茶目っ気が出る気がしていて、そういう私を私は気に入っているし、そういう私でいられる日記を書く時間が好きです。それに、エッセイだとある程度背景を理解してもらうために文章量が必要だけれど、日記は書きっぱなしでも許される。
だから脈絡もない短文が書けて、『わたしはエンターがデカくないとだめなんだ』みたいなとある日の1行には、私っぽさが出てるなと思います。