静嘉堂文庫美術館 「超・日本刀入門」 めくるめく刀の魅力に迫る
と評された岩﨑彌之助が廃刀令直後の明治10年頃から蒐集を始めたものです。静嘉堂文庫には数多くの刀剣に関する書物が収められており、彌之助はここから多くを学びました。なかでも『名刀源秘録』は静嘉堂文庫の蔵書として唯一、彌之助自身の蔵書印が捺されたものとして知られています。
現在静嘉堂には息子・小彌太蒐集のものや岩崎宗家からの寄贈品をあわせ、約120振の刀剣が所蔵されています。その中には、国宝1件、重要文化財8件、重要美術品23件が含まれており、とくに「備前物の古刀」(現在の岡山県東部で、平安時代以後・室町時代までに作られた刀剣)が豊富であることが大きな特徴です。
見どころ1 所蔵の国宝・重文刀剣9件全てが揃い踏み
静嘉堂所蔵の刀剣は約120振、そのうちには国宝1件、重要文化財8件が含まれています。今回の展覧会では、その中から30振を精選、所蔵する国宝・重文の刀剣9振すべてが美術館開館以来、初めて一堂に会します。
●健全なる「大和魂」、国宝・包永
国宝 「手搔包永太刀」鎌倉時代(13世紀)
附 「菊桐紋糸巻太刀拵」 江戸時代(18~19世紀)
静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】
包永は、大和国最大の刀工集団・手搔派の祖で、奈良東大寺輾磑門前に住んでいたと言われます。