静嘉堂文庫美術館 「超・日本刀入門」 めくるめく刀の魅力に迫る
この刀は、大和物らしい鎬高く反り高い姿と柾目の鍛え肌、直ぐ調で二重刃がかり、華やかな変化に富む刃文が特色。正応年間(1288~93)頃に活躍した初代の稀有な在銘作であり、700余年の時代を感じさせぬ健全な出来は大和物を代表する名作です。
見どころ2 織田信長・滝川一益・直江兼続…戦国武将たちの名刀が登場
刀匠をはじめとする多くの職人たちの手を経て生み出され、数百年の時をこえて今に伝わる古い日本刀。静嘉堂にはかの有名な戦国武将から、知る人ぞ知るマニア好みの武将まで、彼らの所持した刀が伝わっています。今回はその中の代表的な7振が出品されます。
●信長より拝領の朱鞘の太刀!「滝川高綱」
重要文化財 「古備前高綱太刀(号「滝川高綱」)」 鎌倉時代(12~13世紀)
附 「朱塗鞘打刀拵」 桃山時代(16世紀)
静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】
「滝川高綱」の太刀は、織田家重臣で織田四天王のひとり、滝川一益(1525~1586)が主君織田信長から賜ったものです。一益は伊勢攻略で活躍、武田討伐の際には武田勝頼を天目山に追い詰め討ち取る功績をあげ、上野一国と小県郡・佐久郡を与えられました。
この刀もその折に拝領したと伝えられ、刀身とともに重文に指定されている朱鞘の打刀拵は、戦国時代末期の様式を伝える希少な作例です。