「宿命のライバル」を素描で対比!「レオナルド×ミケランジェロ展」が6月からスタート
両者とも、素描、素描を模写することが芸術家にとって、いかに重要であるかを弟子たちに繰り返し説いていたと伝えられています。
また、ルネサンス期では、「(自然)を母として、(素描)を父とすると、(建築)(彫刻)(絵画)の3姉妹がいる」という関係が強調されており、自然に則ってデッサンすることは、各芸術の基本中の基本であり、決して軽んじることの出来ない大事なものと位置づけられていました。それだけでなく、素描そのものが作品としての価値を持つほど重要な価値を持っていたと言われています。
本展では、そんな芸術家の力量を示す上で最も重要且つ、全ての創造の源である素描(ディゼーニョ)で2人を対比。「最も美しい」とされる素描、レオナルド作《少女の肖像/〈岩窟の聖母〉の天使のための習作》と、ミケランジェロ作《〈レダと白鳥〉のための頭部習作》にも注目です。
●レオナルド作《少女の肖像/〈岩窟の聖母〉の天使のための習作》
レオナルド・ダ・ヴィンチ
《少女の頭部/<岩窟の聖母>の天使のための習作》
1483-85 年頃
トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Reale
左利きのレオナルドは左上から右下へのハッチングが特徴的で、斜線の重なりによって濃淡が作られ、陰影が生まれています。