くらし情報『苦渋の選択だった、中絶。あれから10年以上経った今思うこと【体験談】』

苦渋の選択だった、中絶。あれから10年以上経った今思うこと【体験談】

おなかの赤ちゃんも守れないし、私は何をやっているんだろう……と情けなくて虚しい気持ちでいっぱいでした。

手術の痛みと悲しみ

手術の日は朝食も水もとらずに前処置をします。その間も彼は付き添ってくれましたが、処置の作用で生理痛の何倍もの痛みと吐き気があったので、何を話したかもよく覚えていません。

手術室へ案内されるときに別の部屋で出産があったらしく、ハッピーバースデーの音楽が流れてきました。それを聞いて、望まれて生まれてくる命がある一方で、私は産んであげることすらできない……と悔しさが爆発し、大声をあげて泣いてしまいました。術後は日帰りでしたが、しばらくは心にも痛みが残ったままでした。


10年以上経った今でも思い出す

その後、大学卒業とほぼ同時に彼と別れて以来、彼がどうしているのかも知りませんし、私も別の人と結婚して娘を授かりました。今は幸せですし、中絶を選択したことを後悔しているわけではありません。それでも、あのときのことを思い出すことがあります。

もし、あのとき子どもを産んでいたらもう中学生になるのかな、男の子だったら反抗期で大変かもしれないな……などと想像をしては、ほんの少しだけあのとき産めなかった子に思いを馳せるのです。

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