子どもが助けを求められるような環境整備はまだなされていない。
「大人」も「子ども」も守る「親子法」
(Photo by sean dreilinger)
しかしそれとは反対に、きちっと法律で体罰を禁止しているのがスウェーデンだ。
スウェーデンでは、1979年に「親子法」を可決し、親が子どもを育てる際に、子どもへのあらゆる形態の体罰またはその他の精神的虐待に当たる取扱いを、はっきりと禁止した。
叩くことはもちろん、言葉で脅したり、押し入れに閉じ込めるなどの行為も親子法で禁止したのだ。
これは世界初めての事例である。
それではスウェーデンではどのように子どもたちを叱っているのか。
それは、叱るのではなく囁いて慰めるらしい。
例えば日本ではスーパーなどで子どもがぐずったなら「静かにしなさい!」と命令口調で制止してしまうが、スウェーデンでは小さい声で「イライラしてかわいそうね」と優しく言うそうだ。
すると子どもは自分の力で理解をし、また大人も「怒らない」行為によってムダなストレスを作らないようになる。