「私は“即興の魔力”に取り憑かれた」。社会的弱者が分断された日本を音楽で変える「即興楽団UDje( )」を率いるナカガワ エリ【後編】
体でダイレクトにいろんなことした方が、もっと繋がりができます。
(音のワークショップ_千葉盲学校青年学級/千葉Photo by淺川敏>)
そう語るエリさんは、今日も全国の障害者施設や老人施設、生活に困窮した人たちが利用する救護施設などを巡り、アフリカの太鼓ジャンベを使って即興音楽を作りコミュニケーションを生み出すワークショップを行っている。エリさんが関わっている障害を持つ子供の家族から聞いた、深刻な問題を話してくれた。障害を持つ子供の親というのは、子供が大声を出したり、変わった行動をとったりする時に『どうやって静かにさせるか』『どうやって社会に合わせていくか』『変な風に見られないようにするにはどうすればいいか』など、周りに迷惑をかけずに生きていくにはどうしたらいいのかっていうことで悩んでいるんです。でも私は逆じゃない?って思います。合わせられる人が合わせればいいはずなのに、合わせられない人が、なぜ合わせなければいけないのか?って。だって彼らに負荷がかかるでしょう?障害の子っていうより障害の子を取り巻く環境が閉塞的というか抑圧的だと思うんです。障害者を一箇所にまとめておくのも、その方が便利で簡単だから。