「接し方が分からないが、傷つけたくない」。性的マイノリティを特別扱いする日本人に向けたリアルな学園映画。
と話をしたところ、「その考え方がそもそも差別的だよね」と仲間から指摘を受け、なるほど、と思いました。
私自身、セクシュアルマイノリティに対して寛容であると自認していたつもりですが、こうした過剰な配慮で当事者の方に被差別意識を与えてしまっていたこともあったのではないか、と。 そこで、LGBTQ当事者を主として描くのではなく、それを取り巻く周囲の人間にフォーカスを当て、彼らの過剰な配慮によって翻弄されていく当事者の様を描いた作品を撮ろうと決め、本作を作りました。
Bi: 同作を撮るうえで、どのようにセクシュアルマイノリティの現状をリサーチしましたか? 上述のようにLGBTQ当事者の周囲の人間を主として描いているので、一旦リサーチをほぼ行わず脚本を作りました。その後、当事者の方に実際に脚本を読んでいただき、どう感じたかご意見をもらいながら作品に磨きをかけていきました。 Bi: 学校というコミュニティで起きるセクシュアルマイノリティの問題をどう捉えていますか? 大人になると、居心地の悪い環境から逃げたり、避けたりすることも選択肢の1つとして当たり前にありますが、学校はそうもいかない。ある種、強制的に集められたコミュニティのなかで、嫌でも生活していかなければならない。