#1 平和のための“ホーム”を渋谷につくる「建てない建築家」| 渋谷の拡張家族ハウス「Cift」が描く未来の生き方
「建てない建築」から生まれた「神話」がCiftの原点
アーヤ:大学時代は建築学科だったんだよね。どうして建築をやりたかったの? 藤代:色々な縁が重なって偶然入った感じだよ。僕が好きだったのは、建物を作ることじゃなくて、物語をつくることだったから。大学の卒業制作では、神話をつくってたし。 アーヤ:神話!? 藤代:21世紀、仮想空間が発達して、ネットワークが脳みそに拡張して、その拡張された環境が私たちの行動とか思考をすべて変えて、生き方も見直さなくちゃいけなくなる時代、っていう背景設定。ミニマムのベッドルームがあって、その部屋を出ると、同じような部屋が集まってる。廊下には服とかすべてのものが集まっていて、すべてが自分の物であり、かつシェアされてる。メンバー同士がコミュニケーションをとっていて、いろんな組織があるんだけど、それが一個の生命体みたいになる。
人はそこをヘモグロビン*1のように行き来しているんだけど、その大きい生命体と一人の人間だったら、生命体の方が圧倒的に拡張されているから、人はどんどんこのヘモグロビンになっていく。結果的にこの生命体が世界中にできていって、繋がって、地球上が一個の村になるっていう神話。