「西洋の真似だと芯が弱い」。東京に和菓子カフェを開いた28歳の女性がトレンドよりも本物を追求する理由
西洋的なかっこよいものやおしゃれなもののブームにはすぐ火がつき持て囃されるこの時代。現在の和ブームも結局、西洋文化に吸収されてしまっている現状を嘆いている。
“和のある暮らし”とか“和カフェ”とか言ってる時点でおかしいでしょ。ここ日本なんだから。いくら衣食住すべてを今風にかっこよくしても、しょせん西洋の真似にすぎない。とても芯が弱いと思う
ただでさえ飲食店経営が難しい時代。一人で“純”和菓子屋を開くことが怖くなかったのか、という質問に万紀さんはキョトンとし「そんなこと考えたこともなかった」と、はにかんだ。「というかみんな、コーヒーをいかにかっこよく出すかしか考えてなくない?」
三河 万紀(みかわ まき)さん
美術大学で彫刻を勉強していた万紀さんだが、「自分の手で一から空間を作りたい」という気持ちから中退。
全国の和食器屋や和菓子屋を巡りながらアルバイトで資金を貯め、ここ高円寺の地にようやく自身の店「山桜桃屋」をオープンさせた。当時は、家族や周囲から反対されたという。でも、彼女は諦めなかった。自分がどんなお店を開きたいのかA4用紙にまとめ、アドバイスをもらうため、個人店の経営者から有名チェーン店を展開する社長、器屋さんや和菓子屋さんにも見せにいった。