「西洋の真似だと芯が弱い」。東京に和菓子カフェを開いた28歳の女性がトレンドよりも本物を追求する理由
まずはこの土地に合った生き方を一人ひとりが見つめ直すべきだと思う。もちろん、グローバルに生きること、多様性を認めることは大事。でもそれは、自国の文化を大切にしないということではないはず。ていうか、自分の土地のものに目を向けて初めて外のことがわかるんじゃないかな
日本の文化をもっと身近にしたい
最後に、万紀さんの今後の目標を聞いた。
これからも日本文化に携わって盛り上げていきたい。いま誰でもアクセスできる駅前とかにチェーン展開されてる店はほとんど洋風のカフェ。みんなそこへ無自覚に吸い込まれていく。そんな文化を変えたいんです。
日本茶と和菓子がもっと身近になって、みんなが気軽に入れるこういうお店が増えてほしいと願っています
目まぐるしい日々のなかで現代人が見失っていること。それは、彼女が大切にするような日本的な感性なのかもしれない。スターバックスで時間を潰しながらスマホ片手にコーヒーを飲む。そんな無自覚な時間を幾度過ごしても、ここ山桜桃屋のように落ち着くことはできないのはそのせいだろう。多様性を謳う今だからこそ、自国の文化への関心を取り戻す必要がある。ぜひ高円寺へ足を運び、万紀さんのつくる空間の豊かさに触れてほしい。