「西洋の真似だと芯が弱い」。東京に和菓子カフェを開いた28歳の女性がトレンドよりも本物を追求する理由
それは、自然の草花のおかげだと思っていて。自然のものが少しでもあったら空間が生きるから。店内もなるべく人の手でつくられたものに囲まれる空間作りをしている。自然や、人の手で丁寧に作られたものからは、何か感じるものがある。美味しかった。綺麗だった。居心地がよかった。こんな風に純粋に五感で感じることって最近なくなってきてない?
食の世界は、ただ「美味しい」だけでは成り立たない。
どのような空間で、どのように提供されるか。どう食べるかがその奥行きをつくる。「いくら美味しいものが出ても、その器が微妙だったら物足りない。見た目で楽しむことができないから」。飲食店の肝は、空間づくり、トータルコーディネートなのだ。たとえば、器は道具でしょ。だから、料理を盛り付けてはじめてその良さが出る。そしてその真髄は、手に持ったり口をつけたりと、実際に触れることではじめて理解できる。
そのくらい和文化は繊細だと思うんです
日本らしさ、日本人らしさを大切に、という語り方は、文化や価値観の多様化が進むこの時代にそぐわない気もする。でも万紀さんは、この時代だからこそ大事だ、と続ける。
日本には美しいもの、独自の感性が溢れている。